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小悪魔な月ちゃんは陽センパイにだけ勝てない

第11話 - 信頼☆友情

450

2023年03月08日

#青春恋愛

#小悪魔

#生徒会

#仮面

#猫かぶり

#一次創作

しふぉん

月

…っ告白、してくれて、ありがとう

月

でもごめんなさい、わたし…羽井くんと友達になりたいけど…

月

恋愛感情は、抱けない…っ

羽井くん

うん…困らせて、ごめんなっ！

そうしてばいばいと先に教室に行った羽井くんを見て

わたしは逆に動けなくなった

陽会長

…もしかして

陽会長

逆効果、だったかな

月

…わ、分かりません…

教室の扉を開けると一瞬、静まり返る

月

（ああ、やっぱこの雰囲気は、どこでもあるんだよな）

月

（もうみんな、知ってるのかな…）

月

（くそ、また、ゼロになっちゃう）

三園さん

月ちゃん！！！羽井に告られたらしーじゃん！？

加瀬くん

待ってたぜーー！！！話聞かせてくれ！！

月

ご、めんなさい…っ

加瀬くん

へ？

三園さん

どしたの月ちゃん？

月

ごめんなさい、わたしが…っ告白、なんて、されちゃって…

加瀬くん

？、？

三園さん

あー…それはそれじゃん？

月

…へ、？

山里さん

なーに落ち込んでんの、それは羽井に失礼だろーぉ

山里さん

燐咲ちゃんは何も悪いことしてないし謝んなくていーっしょ

月

え…え？

月

だって、わたし、その…知ってた、のに…

山里さん

知ってたって人の気持ちなんてどーもなんないよ

山里さん

うまくいってりゃみんなもっと幸せなんだって笑

月

や、まさとさん…っ

月

三園さんも…ありがとう、ほんとにありがとう

加瀬くん

えー？なに？なんかあったの？

長谷川さん

うるさいなぁ、今感動のシーンだから

加瀬くん

ひど！

月

（なんでなんだろう）

月

（もっと、わたしのこと責めたって許されるはずなのに）

月

（なんでみんな、こんなにいい子なの…？）

ぽん、と肩を叩かれ、ハッとする

男の子たちが加瀬ドンマイ、と笑う合間を縫ってこちらに来たらしい

顔をあげると山里さんはわたしだけに聞こえる声でこう言った

山里さん

大丈夫、まじで気にすんなって

山里さん

ンなアイツの感情くらいで崩れるような友達関係やだしさ

山里さん

あーしらはほんとの友達になりたいんだ、みんなと

月

なんで…まったく、怒らないの？

月

わたしが思わせぶりしたんじゃって、思わないの？

山里さん

え？あはっ、なにそれ？

山里さん

そりゃあ、なんで？って気持ちもあるけどそれは羽井にだよ

山里さん

燐咲ちゃんは応援するって言ってくれたじゃんか！それで十分

山里さん

そんな悪いことするように見えないもん！

月

山里さん…ごめん、ごめんなさい

月

ほんとうに…ありがとう

山里さん

謝んないでよ笑笑、ほら、みんなと話そ？

山里さん

羽井のことなんてお互い忘れてさ！笑

このクラスが、なんでわたしにとって異様に見えたか少し分かった気がする

さいしょっから、このクラスはウワサとかわたしのことも何も考えずに話しかけてくれた

ぜったいにわたしの悪いウワサは、聞いたことあるはずなのに

対面での会話とか、知っていく性格とかそういうものを、見てくれた

月

（わたしなんかには、似合わないくらい…）

月

（ほんとに、いい人たちだ）

陽会長

へえ、それはよかった

河本くん

…なんでコイツら生徒会室でガチ悩み相談してんすか

散沢副会長

さあ？

月

わたしは感動してるんです…

月

というかみなさんも来てるなんて珍しいですね

散沢副会長

そうね、暇だったの

散沢副会長

生徒会室に向かう会長を見つけてついてきてみたわ

陽会長

ねーこの人暇人だから

月

仲良いんですね…河本くんは？

河本くん

ん、今度の1年紹介用の原稿取りに来たらいっぱいいた

月

ああ、なるほど…ってん？

月

なにそれ、1年紹介って？

河本くん

は？アンタ話聞いてなかったの

河本くん

1年が生徒会入るでしょ、それの説明しに行く、はい原稿

月

わ、ありがと

陽会長

今年の1年って問題児ばっかなんだけど大丈夫かな、特に月ちゃん

月

え、そうなんですか？

散沢副会長

へえ…それはまた大変ね

散沢副会長

でもその前に入学式があるでしょ、それで分かるんじゃないかしら

月

あ、入学式

月

そっか、生徒会で1番初めの仕事なんですよね

陽会長

うん、例年ならもう行ってるはずなんだけど

陽会長

4月の気候荒れすぎてて入学式より先に学校生活始まっちゃったね

月

危な…入学式あったら寝過ごすところでした

河本くん

もうここまで来たら入学式なんていらないんじゃねーすか？

散沢副会長

新入生にとっては大きすぎるくらいのイベントよ、いるでしょう

散沢副会長

とは言っても異例の2週間遅れですけども…

月

（2週間…よく考えたらまだ今年度ってそんだけしか経ってないんだ）

月

（…それで告白まで至った羽井くんって一体…）

月

じゃなくて！！

河本くん

じゃなくて？

月

2週間後って…今週末に入学式ですか！？！？

陽会長

…月ちゃ〜ん、人の話ちゃんと聞こうか？

陽会長

ほんと予定知らなさすぎだよ、俺が話してるのにな〜？

月

ごめんなさい！！！

月

いや、ちょっと最近考え事多くて…

陽会長

言い訳しな〜い、俺悲しいなあ…♥

月

ごめんなさいいいい！！ほんとにごめんなさい！

陽会長

うん、じゃあちゃんと聞いてね♥それじゃ俺こっちだから

月

はい、さようなら

陽会長

ん！ばいばーい

会長に手を振ったあと、少しだけ走って駅に向かった

するとそこには思いがけない人物がいた

小悪魔な月ちゃんは陽センパイにだけ勝てない

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わ、わ、わ……！！山里さん優しい……！！それにクラスの皆も……！！予想してた結果にならなくて良かった……！！月さんにとってこんな優しいクラスメートがいるクラスって何も分からない不思議な世界にぶっ込まれたかのような感覚なんだろうな……(?) え、2週間遅れの入学式って……！？まじか……💦っていうか月さんは陽センパイが言ってた日程ちゃんと聞こーね……😅せめて日程だけでも……w