【完結】世の中は理不尽だけれど…

二人は森の中を並んで走りながら言葉を交わす。

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ベザルは足を止めて前方を鼻先で差す。

その先には何も無いが、

サタンは頷いて最小限の動きで

正拳突きを繰り出した。

ビリビリと空気が震え、

何かが壊れる音がした瞬間、

サタンは目の前に出来た空間の捻じれに吸い込まれて消えてしまった。

ロマリエルがため息を吐くと、

目の前の丈の長い草が揺れる。

そして、草の間を分けて現れたのは

色の悪い数匹の狼と熊だった。

狼と熊が雄叫びを上げて

二人に飛び掛かって来た。

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すっかり辺りは夕日に染まり、

ゆっくりと夜が訪れようとしていた。

言われてサタンは遊園地の出口へと向かう。

出口を抜けた先に、

タナキエルが立っていた。

タナキエルはガラス玉を一つサタンに手渡す。

そう言ってタナキエルはニヤリと笑う。

唖然とするサタンを尻目に、

タナキエルはその姿を一瞬にして消した。

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ヴィアルテは実に綺麗な土下座をして見せた。

サタンは重いため息をこぼした。

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暗闇の中から白い腕が現れ、

揺れるように手招きをする。

太郎は駆け出し、

その腕を掴んだ。

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副社長はチラリとスマホに視線を落とす。

ゆっくりとサタンが立ち上がる。

言われるままフラフラと立ち上がる。

サタンはバチンッと両手でヴィアルテの頬を挟んだ。

サタンはニッと笑い、

手を離すと踵を返す。

副社長は深々と頭を下げた。

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