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鈴風
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パイモン
タルタリヤ
パイモン
タルタリヤ
パイモン
空
タルタリヤ
タルタリヤ
深淵にいた時の話なんだけどね
あの日はいつも通り狩りをしていたんだ
師匠に教えてもらって、あの人が上から俺が死なないようにじぃっと見てるいつもの時間。
その日は違って大きな鯨の鳴き声がして。 ずっと先から大きな大きな鯨の群れがでてきた
なんとなく強者の気配がしたから挑もうとしたら珍しく師匠が慌てた様子で俺を止めたんだ。
「あれは、いけない」
師匠がそう言いながら俺を抱えて逃げようとしたとき、鯨たちがゆっくりとこちらへ向かって来た、その時だった。
いつもはじぃっと見つめているだけのあの人がこちらに降りてきて鯨の前に立ちはだかった。
あの人がこんなに近い位置にくることはほとんどないから珍しくてまじまじと見ていたんだ。
肌はこんな色をしていたのか、唇はピンク色なんだな、とか、思ってたより見た目が若いな。とかぼんやり考えていたら
「去ね」
と普段より一段と低く、恐ろしく響く声であの人が鯨に言った。
鯨たちは一瞬話し合うような素振りをしたが、次の瞬間、鯨たちの中で一番大きな鯨がこちらに襲いかかってきた。
次の瞬間、俺は黄昏の果ての穹はきっと、あんな色をしている。と、その色に見とれていた。
気づいた時にはその鯨はばくりと呑み込まれ、鯨の群れは慌てた様子で踵を返していった
そして俺は辺りを見渡して…
ぞっ
とした。
鯨の居たところには抉れた地面が、
そして、あの人のピンク色だった唇は、まるで鯨の血で汚れたように真っ赤になっていて、そして、仄暗い笑みの形に歪んでいた。
背中を冷や汗が伝う
あれは、見てはいけないものだ。
本能が警鐘を鳴らす。
あれは、ヒトの関わってはならないものだ。
恐怖が身体を強張らせる。
隠れなくては、見つかれば、生きて帰れないと。
そうして固まっていたらあの人が緩やかな動きでこちらを覗き込んだ。
ああ、食べるなら一息に、痛みを感じるより早く飲み下してくれとそう願ってしまうほどあのときの俺にとってそのときのあの人は圧倒的な捕食者としてうつっていたんだ。
「どうしたんだい?少年?」
情けないけれど、あの人がいつもの調子で、やさしい声で話しかけてくれるまで俺は恐怖にとらわれていたんだ。
あの人の顔を見るとあんなに真っ赤に染まっていた筈の唇は元の色に戻っていて、あんなに恐ろしかった雰囲気はまさに、俺たちのことが心配で仕方がないと言わんばかりの柔らかいものだった。
大丈夫だと、そう伝えるとあの人は一言、そうかとだけ答えてまたいつも通りに離れて見つめていた。
タルタリヤ
パイモン
タルタリヤ
パイモン
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タルタリヤ
パイモン
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タルタリヤ
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タルタリヤ
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タルタリヤ
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タルタリヤ
パイモン