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地上と地下遺跡を繋ぐ道は、ひとつだけとは限らない。先人達が作った正しい入口があったとしても、後の人間たちが各々自分の目的のために掘り進めてしまう。
そして今自分が歩いている所もそうだ。いつ掘ったか分からないが、正しい道じゃないということだけは分かる。
赤褐色の岩石が露出している洞窟を明かりを頼りに突き進み、縄張り争いをしている茶色のサソリや人目慣れしていないキノコンが岩陰に隠れている光景を片目に歩いていると、明らか異質で周りの光景に馴染んでいない砂岩の壁が現れた。目的の場所に着いたと確信し、そこを手で押すとガコッと何かが外れた音がして簡単に外れる。人が1人入れるほどのスペースを確保すると、その先の空間へ足を踏み入れた。
自分が開けた場所は天井に近い場所だったらしく、ゼーレは受身を取りながら着地する。背中と膝に着いた砂を手で払いながら自分が今いる部屋を見渡した。
ゼーレ
ある程度の広さは確保されている部屋は、広さの割にホコリと砂そしていつ割れたか分からない壺が無造作にそこにあるだけだ。
だが、一見何も無い無味無臭の空間にでもこの神殿の隅々に瘴気に満ちていた。しかも、何も知らない一般人でも分かるほどの.....。
ゼーレ
この部屋に充満しているエネルギーが欲するものを存分にアピールしているので、探索することを決めて、周囲の大小を兼ねる部屋などを粗探しし始めた。
ゼーレは探し物のついでにさっき聞こえてきた爆発音に近いものはなんだろうと思考に耽る。
ここにやってくる時に遠くから聞こえてきた轟音......。ホコリの溜まり具合を見ると、こんなところに考古学者や盗賊は来ていないだろうし、やはり自分の追手だろうか。それがもし正しいとするとパッと頭に浮かぶのが3人分の顔だった。
ゼーレ
一瞬あの人形のことも頭によぎる
ゼーレ
このテイワット大陸には無機物に元素を通して人間の感情と生命活動を行える機能を持ち合わせている機械があるのを噂程度で前々から聞いていた。それに瞬に見えたあの人形の首元の巴紋、おそらく稲妻で生まれた古い物なんだろう。初めて見た時精巧な作りと噂通りの事象で正直ワクワクした。
そうこう考えていると、とある扉の前にやってきた。その扉は他と大差変わりなく、変哲ない砂の塊だが隙間からも分かるほど一線を画く負のオーラを感じる。
ゼーレ
コアがこの先にあることを確信して、ゼーレは唾を飲みながら隙間に手を挟んで重い扉を物理的に上に押し上げた。
部屋全体を見渡した時まず最初に巨大な砂像が目に入った。そして数段程度の階段が設置してあり、その先には人が1人入れるか入れないか程度の大きさでしかない棺がぽつんと置いてある。
そしてその棺のわずかな隙間から赤光が漏れ出ているのを見つけた。
ゼーレ
恐る恐る近づき、棺の蓋を開けた.....。
ゼーレ
棺の底に赤色のキューブ状の物体が横たわっていた。それは今までのコアとは別に異様な雰囲気を醸し出し、発光量も段違いである。
確かにそこに存在しているのはわかるが、他に問題点があった。
ゼーレ
棺の中が緑色の液体でタプタプと満ちていて、その中にコアは緑色の液体の中に沈んでいたのだ。じっくり見るとそれは粘性を含んでおり、まるでスライムのようだった。
ゼーレ
他に何も無いか確かめても謎を深める要素は2点しかない。今までのものはアランナラの手によって厳重にされていたのに、これだけがザルなのは納得が行かないというか不気味なものだった。
本来ならばもう少し詳しく調べて慎重に行きたいところだが、さっきの爆発音と追手のことが頭によぎって強硬手段に出ることにした。
ゼーレ
袖が濡れないように腕をめくって、手を液体につけた......。
ゼーレ
指先が液体に触れたあった瞬間今まで経験してこなかった、背筋が凍りつく感覚に襲われ、手を引っ込んで急いで後ろに下がった。
人生で始めて経験した、心臓に直接手で触られた感覚....何だか冷や汗が止まらない。
ゼーレ
棺の様子はさっきと変化していない。自分の思い違いか.....?と考えていると後ろから叫び声が聞こえた。
パイモン
ゼーレ
ゼーレ
ゼーレ
旅人(空)
エウルア
パイモンの叫び声に気づいた2人はパイモンの元へ駆けつけてくる。そして、今まさにゼーレがコアを手に入れる現場を見てしまった。
旅人(空)
エウルア
ゼーレ
第2幕⑤【完】