テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
これは本編の裏側、 及川視点で見られる“真実”についてのお話。
静かで、後悔が残った及川視点ならではの ストーリーになっている。
『隣の席の立花さん』
──及川 徹・視点──
正直に言うと…
俺はあの子と付き合っていない。
あの日、放課後に話しかけられたときも、
及川
なんて、曖昧なことをいっただけで、 頷いてもいないし、手も繋いでいない。
ただ、否定をしなかった。
……それだけ。
ある日を境に、立花さんは俺を避け始めた。
それは、自分が思っていた よりもずっときついものだった。
話しかけても、
及川
立花 麗羅
スタスタ(離)
目を合わせても、
及川
立花 麗羅
…フイッ(逸)
全部“壁”みたいで。
及川
及川
そう思うたび、追いかける勇気が削れていった。
だから、あの子に話しかけられたとき、 俺は逃げたんだと思う。
及川
そういう感覚に、しがみつきたかっただけ。
——立花さんじゃない誰かで、誤魔化そうとした。
翌日、俺が席を移動したのも、 付き合ったから…ではない。
隣に座る勇気が、なくなっただけ。
あの席に座れば、何も言わない立花さんの横顔を見なきゃいけなくて、それが一番、怖かった。
卒業式の日。
立花 麗羅
そう言われた時、胸が締め付けられた。
本当は、全て言うつもりだった。
付き合ってないことも、 ずっと好きだったことも、 あの時逃げた、自分が情けなかったことも。
でも。
立花 麗羅
その一言で、全部終わった。
…あぁ、そっか。
俺、最後まで待ってて もらえる側だって思ってたんだ。
隣の席にいるだけで、いつか 振り向いてもらえるって、勝手に信じてた。
………最低だな。
今でも思う。
ちゃんとぶつかってたら、結果が同じでも、 後悔は少なかったんじゃないかって。
立花さん。君がツンデレだった みたいに、俺も臆病だった。
そしてたぶん——
俺たちは、タイミングを間違えた。
隣の席だっただけの二人は、 それ以上にも、それ以下にもなれなかった。
それが、俺たちの答え。
及川 徹・視点 fin.
ご視聴ありがとうございました!🫣
既読感覚で♡押してくれたら嬉しいです😖💖
👋
コメント
1件
どぅわぁぁぁぁぁぁぁ…… 神作だがぁ…せつなぁい