俺
俺
俺はどこにでも居るようなただのサラリーマン。
俺の家、低家賃のアパートから少し離れたところにある会社に勤めている。
今は会社からの帰り道。
訳あって、会社を出るのが普段より大幅に遅くなってしまった。
俺
俺
俺
俺
そんなことを考えながら、普段はあまり通らない山道に車を走らせていた。
俺
ふと、暗がりの中にヘッドライトに照らされて人影が見えた気がした。
俺
じっと目を凝らすと、それは小学生ぐらいの少年だった。
俺
車の速度を落としながら、ゆっくり少年に近づく。
しかし、どうも様子がおかしい。
少年
俺
俺
そう思った瞬間、
少年は、車道にふらりとよろけた。
俺
俺
キキキキキィ ! !
とっさに踏んだブレーキの音が、辺りに響く。
しかし俺の車のヘッドライトの閃光が、虚しく少年を包んだ。
ドン ッ ! ! ! !
俺
俺
やってしまった。
俺
俺
俺は。
俺
面倒な関わり合いを避けたかった俺は
唇を強くかみ締め、黙って方向転換をし
来た道を戻っていった
俺
あの後、いつもの表通りを通り、アパートに無事辿り着いた俺は一人、
酷い虚無感に襲われていた。
俺
俺
俺
俺
俺
警察に行くべきか。
それとも、このまま黙っておくべきか。
俺
混乱する頭を抱え、いつの間にか俺は眠りについていた。
俺
俺
俺
俺
俺
俺
俺
俺
俺
そして俺は、無意識にリモコンに手を伸ばした。
ピ ッ
ボタンを押すと、無機質な機械音が響く。
アナウンサー
アナウンサー
俺
俺
アナウンサー
俺
すっと背筋が冷えた
アナウンサー
アナウンサー
アナウンサー
ピ ッ
俺
俺
もう……もうニュースにもなっているのか
これは俺が起こした事故に間違いない
俺
俺
俺はどこにでも居るようなただのサラリーマン。
大して他人に誇れるような自慢もない、平凡な人間。
だけど、そんな些細な日々が幸せだった。
俺
俺
俺
俺
ピロリロリン ッ ♪
俺のスマホが短く振動し、着信音を奏でた。
俺
俺
俺
俺
解説
まず、語り手の“俺”は少年を轢き逃げしてしまいました。
しかし、轢き逃げ犯は呆気なく捕まってしまいます。
それも、その犯人は自首をしていることから
逮捕されたのは本当の犯人で、冤罪では無いことが解ります。
でも、少年を轢いた犯人は“俺”です。
おかしいですよね?
その矛盾を解く鍵は、少年の言動にあります。
ふらふらとおぼつかない足取りで歩いていた少年。
実は、“俺”より前にその山道を通り、少年を轢いてしまった人物が居たのです。
つまり少年は、計2回轢かれています。
その最初に少年を轢いてしまった人物こそ、自ら警察署に出頭した犯人なのです。
そうすると、ふらふらしていた少年の不可解な様子にも話がつきます。
最初に轢かれてしまった時、まだ少年は一命を取り留めていました。
しかし、“俺”がまたしても少年を轢いてしまった為、遂に少年は息絶えたのです。
逮捕されたのは最初に轢いてしまった人ですが
少年を轢き殺したのは“俺”に間違いありません。
嘘も方便という言葉があります。
嘘つきはいけないことですが、黙っていれば得することも、この世にはある様です。
時には人生を大きく左右する事も。
ただ、その判断が後に吉と出るか凶と出るかは
誰にも分からないものです。
皆さんも、嘘と隠し事は程々に。
後で後悔するのは自分ですよ。
初投稿故、かなり緊張していますw
上手くお話をまとめるのが苦手なもので、思った以上に長くなってしまいました。ごめんなさい。
楽しんでいただけましたでしょうか?
意味は解っていただけたでしょうか…?
足跡感覚で、是非♡お願いします✨
一言で結構ですので、感想コメントもお待ちしております✨
♡,コメント,フォロー、どれがひとつでも来たら飛び跳ねて喜びます💥
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。
コメント
4件
うわ、ゾッとしました……少年がかわいそうですね。
フォロー失礼します!これからも拝見させて頂きますね~✨