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11 - その魔法は僕に勇気をくれた

♥

104

2020年06月28日

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突然だがみんなに聞きたい

ふとした瞬間魔法使えたらなって 考えたりしないだろうか?

学生の中にはその魔法で空飛べたら 通学が楽になるだろうとか

そもそも魔法というもの自体がロマンだ と思う人もいるだろう

僕もその類にはいる

しかしそんなものは所詮架空のものだ

実際にそんなものがあるわけが無い

魔法なんてものは人間の考えた いわゆる出来たらいいな、での産物だ

なので考えたり思ったりしても どうせ叶わないと現実に戻される

俺もそう思ってた

しかしその魔法というものがこのご時世 存在していたのだ

まぁ信じられないと思うがな

ある時俺は魔法使いを名乗る人にあった…

亮太

あ〜あ…

亮太

なんでこの世界に魔法とかねぇのかな〜

亮太

魔法があれば何もかもが楽になるのにな〜

謎の老婆

ちょいとそこの兄さん

亮太

んぁ?

謎の老婆

今魔法がとか言っとらんかったか?

亮太

まぁ言ってたな

謎の老婆

兄さんは魔法というものを信じるか?

亮太

そんなもん信じねぇよ

亮太

あれはあくまで架空のものだ

亮太

現実にそんな魔法なんて……

謎の老婆

わたしゃ魔法使いなんじゃよ

亮太

は?

亮太

おいおいばぁさん頭いってるのか?

謎の老婆

失礼だねぇ

謎の老婆

あたしゃ正常だよ

亮太

それならその魔法とやら見せてくれるか?

謎の老婆

それならあたしの店に来てもらおうか

亮太

見せてくれるならついてくさ

亮太

ここがあんたの店か?

謎の老婆

そうだよ

謎の老婆

まぁ特に変わったものは無いよ

亮太

(変わったものしかないよ)

謎の老婆

そんじゃああたしの魔法少し見せてやろう

亮太

何すんだ?

謎の老婆

時を戻すって魔法だよ

亮太

うさんくせぇな

謎の老婆

それならそこに時計があるじゃろ?

謎の老婆

それをこの机に乗せてごらん

亮太

これをここでいいのか?

店にあった時計を机に乗せる

謎の老婆

それじゃあ今の時間を覚えておくれ

亮太

今は16:26分だな

謎の老婆

それじゃあ3分戻そうかね

そういい老婆は何かを唱えだした

すると眩い光が放たれる 眩しくて目を瞑る

その後目を開けると時計の針は3分前に戻っている

謎の老婆

どうだい?

亮太

いやいや…

亮太

信じねぇよ?

亮太

今の光った瞬間に時計をいじったんだろ?

謎の老婆

そんなわけあるかいな

謎の老婆

それなら外に出るといい

謎の老婆

3分前の光景が見れるぞ

亮太

ほんとかよ

そう思い外に出てみる するとそこは確かに3分前の姿があった

確かに3分前にここに来る途中 ある人を見ている

その人はお茶を買っているのだが また同じ場所でそのお茶を買っている

亮太

これほんとに戻ってる…

謎の老婆

どうだい?あたしの魔法は本物だろ?

亮太

あんたすげぇよ!

謎の老婆

フェフェフェ!

亮太

他にどんな魔法があるんだ!?

謎の老婆

対象者の願いを叶える魔法なんかもある

亮太

本当か!?

謎の老婆

あぁ…

謎の老婆

しかしそれを唱えるには代償が必要だぞ?

亮太

内容によってはその代償もでかいのか?

謎の老婆

どうだろうねぇ?

謎の老婆

どうだい?気になるなら一回やってみないか?

亮太

あぁ!

謎の老婆

それならなにか願い事を言ってくれないか?

亮太

それならえっと……

亮太

好きな人と繋がりたいんだけど…

謎の老婆

いいね〜

謎の老婆

青春じゃないか

謎の老婆

その程度なら代償は軽いよ

亮太

本当?

謎の老婆

代償は【え】でいいよ

亮太

絵?

謎の老婆

あぁそれでいい

亮太

それなら安いや!

謎の老婆

それなら叶えよう

そういい老婆はまた何かを唱えだした

謎の老婆

よし!これでアンタの願いは叶ったよ

亮太

やった!

亮太

効果はいつ出るんだ?

謎の老婆

明日以降だね

亮太

明日が楽しみだ!

そうしてその日を終えて次の日を待つ

翌日

亮太

んぁ〜あ……

亮太

くそ寝みぃ…

亮太

てかほんとにあのババアの言うこと信じて良かったのかな?

そんなことを思いながら教室に入る

教室に入ると女子たちが集まってなにか ヒソヒソと話している

俺の机周りで何話してるんだか

そんなことを思いながら自分の席に行く

すると女子達はそそくさとその場を離れる

その女子の中に俺が好きな人 風見 由利香(かざみ ゆりか)が居た

不思議だなと思いつつ席につき スマホをいじろうとすると声をかけられた

由利香

あ、あの!

亮太

ん?

由利香

ちょっと、いい?

亮太

別にいいけど?

由利香

まだ時間あるし屋上来てくれる?

亮太

お、おう…

これはそういう事なのか? ほんとにそうなのか?

そのまま俺は屋上にと向かった

由利香

あのね…

由利香

私亮太くんの事が好きなの!

亮太

お、おん…………

由利香

だからその……

由利香

嫌じゃなければ私と…付き合ってくれる?

亮太

俺でよければ

ほんとに告白された! あの魔法ってホントなんだな

そしてその日から俺と由利香は付き合い ことある事に俺はあの老婆に会いに行き 願い事を叶えてもらった

俺と由利香の関係が深まったある頃 俺は自分の体にある異状が起きていた事に気がついた

亮太

……りか?

由利香

え?りか?

亮太

…じゃ…くて……り…か!

由利香

??

言葉が話せない…

どうして話せないんだ…

伝えたい言葉が相手には伝わらない

そんな日々が続いた俺は怖くなった だがどういう訳か無心で老婆の元に行き

願い事を叶えてくれと頼みに行ってる

そしてとうとう俺は話す事も文字を書くことも出来なくなってしまった

俺は絶望した……

甘い誘惑に負けて願い事を叶えてもらった その代償はとても重いものだった

最初に老婆は【え】を貰うと言った 俺はそれを絵と勘違いしてた

老婆は【え】そのものを貰ったのだ

その調子でどんどんと言葉を奪われた

俺は言葉を取り戻したい……

だから毎日文字を書く練習をしようと思った

だが文字そのものを奪われては書けたものでは無い

もう俺は話す事も書くことも出来ないのだ

そう思ってたが由利香が手伝ってくれた

俺の言葉の代償で付き合った由利香が…

そして彼女の”言う”作戦を俺は実行する

謎の老婆

おやおやいらっしゃい

亮太

………

謎の老婆

今日はどうしたんだい?

謎の老婆

何を叶えて欲しいんだい?

亮太

………

俺はバックから文字の練習していた紙をその場にばらまいた

謎の老婆

!!?

謎の老婆

お、お前どうやってそれを!?

謎の老婆

お前からは言葉そのものを奪ったはずじゃ!?

謎の老婆

文字がかけるなど有り得ん!?

老婆はその散らばる紙を見てハッとする

謎の老婆

その紙……

謎の老婆

まさか…文字を返せと書いておるのか!?

亮太

………

謎の老婆

いやだが…文字はもう…

極めつけに僕はしっかりと読める字で 【文字を返してもらう】と書いた紙を見せた

謎の老婆

!!?

謎の老婆

”文字を返してもらう”だと!?

その瞬間俺の頭の中に文字が沢山浮かび上がってきた

亮太

返してもらったぞ!

亮太

俺の言葉をな!

謎の老婆

き、貴様どうやって…

亮太

仕組みを教えてやろう

亮太

俺は話すこと自体が出来なくなっていた

亮太

その状況で俺は絶望していた…

亮太

だが俺の彼女は…

亮太

由利香は諦めないでくれた

亮太

俺にどうにかして語りかけてくれた

謎の老婆

文字を失ったお前に語る方法なんて…

亮太

手話って知ってるか?

謎の老婆

!?

亮太

実は俺は前々から由利香に好意を抱いていた

亮太

そして由利香が手話の勉強をしてることも知っていた

亮太

だから少しでも近づきたいから俺も手話の勉強を独学でした

亮太

そのおかげで文字を失った俺に彼女は手話で会話してくれた

亮太

俺はそれを見てなんと言ってるか分かった

亮太

そして今日の作戦を実行した

亮太

手順は簡単だ

亮太

まず文字を書く練習をしていたと思わせるためにその紙をばらまく

亮太

それを見てあんたは書けるようになったと錯覚させる

亮太

それさえ出来ればあとは簡単だ

亮太

由利香が書いてくれたその紙を見せるだけでお前は俺が文字を書けるようになってると思い込んでるため

亮太

書けると認めてしまい認めたことによって

亮太

その文字が俺に帰ってくるってことだ!

謎の老婆

ぐっ…!!

謎の老婆

だがこの瞬間お前の最初の願い

謎の老婆

それは破棄されたことになった!

謎の老婆

何故なら代償がなくなったからなぁ!?

亮太

!?

謎の老婆

今までの楽しい思い出は全てパーだよ

謎の老婆

そして時はあたしと会う前に遡るのさ!

謎の老婆

ハッハッハっ!

謎の老婆

ざまぁないね!

亮太

(俺と由利香の楽しい思い出が……)

亮太

(いや、でもこれでよかったんだ…)

亮太

(俺のわがままで結ばれた恋なんてない方がいいもんな……)

そうして俺はあの老婆に会う前の世界に 戻ってきた

あの老婆はそこにはいなかった…

こうして俺の小さな願い事は叶うことは無くなってしまった…

いや、それは違う

魔法なんかに頼らなくても叶うかもしれないんだ

俺にはあの経験でひとつ得たものがある

俺にも唱えられるある魔法があるんだ

それは”勇気”という魔法だ

俺は勇気をふりしぼり教室の扉を開ける

窓付近で固まってる女子のグループがある

そこに由利香が居る

席に向かう途中由利香と目が合った

その瞬間俺は手話で好きだと伝える 反応がどうであれやることに意味がある

一瞬驚いた顔をしていたがすぐに元の表情に戻り友達と話を続けている

まぁやっぱりダメだよな

残念ではあったが仕方の無いことだ そう割り切って席に座る

するとトントンと肩を叩かれた

振り返ると由利香が居た

由利香は俺にだけ聞こえる声で一言 ポツリとこう言った

由利香

私も亮太くんが好き…

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凄い…… しか言えない()

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