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ガチャンッ…

2人は近くのロッカーに 身を潜めた。

猫船

(緊張する…)

結衣

息はしていいですが、
ゆっくり静かに
お願いします。

猫船

はい。

ギィィッ…

猫船

ッ!

ロッカーの外から 何かを引きずる音が聞こえた。

猫船

(入ってきた?)

結衣

……。

結衣は音に気をつけながら ロッカーを少し開ける。

2人は隙間から 外の様子を覗くのだった。

第31話

『内通者』

……。

カタカタッ…

ロッカーの隙間から 人の後ろ姿が見えた。

男性は警察の格好をしており、 パソコンを操作しているようだ。

結衣

…魔法捜査課の
一人ですね。

結衣が相手に 聞こえないよう小声で言った。

結衣

今日は白樹が会議。
他メンバーが捜査の
はずですが…

結衣

どうやらサボって
情報を見に来たかと、

猫船

(仕事をサボるなんて…)

結衣

まぁ、
こちらとしては
好都合でしたね。

結衣

また情報を
漏らされては
困りますので、

結衣

ここで
捕まえましょうか。

猫船

はい。

ガチャンッ!!

結衣が勢いよく飛び出し、 男性の後ろから瞬時に喉元へ ナイフを突き立てる。

猫船

(…は、速い。)

猫船

(結衣さんって
ナイフ持ってたんだ…)

結衣

こんにちは。

結衣

私が誰だか
分かりますよね?

結衣

無駄な抵抗は
しない方が
身のためですよ。

……。

猫船

(あれ?)

男性の様子がおかしい。

この状況にも関わらず、 男性から反応がない。

声を発することも 身体を動かすことも無かった。

結衣

…聞いてますか?

……。

不審に思った結衣は ナイフを首元に 突き立てながら男性の顔を覗いた。

すると、彼女の顔は 驚きの表情になる。

結衣

…これは一体、

猫船

どうしましたか?

猫船も男性の前に 移動し顔を見た。

猫船

ッ!

結衣

寝たフリでは
なさそうですね。

男性の目は閉じており、 意識がない。

さらに、 頭を怪我しているようで 顔の左半分は血が流れている。

猫船

(ど、どう言う事!?)

結衣

怪我して
まだ時間が
経っていないと
思います。

結衣

息はしてますが、
怪我が頭ですので
早めに治療が必要ですね。

結衣は手袋をつけて ハンカチを取り出し怪我の部分を 止血し始めた。

猫船

さっきまで、
普通に動いて
ましたよね?

結衣

はい。

猫船

誰かがこっそり
入ってきて
動かしてた?

結衣

それはないですね。

結衣

特に気配と音は
ありませんでしたので、

猫船

……。

結衣

それにしても、

結衣

どうやって座ったままを
キープしてる
んでしょうか?

猫船

(確かに…)

猫船

(殴られて
意識ないなら
倒れるよね?)

猫船

ん?

猫船

(この糸、
なんだろう??)

男性の後頭部から 細い糸が伸びている。

猫船

(細くて
気づかなかったけど、)

猫船

(私達の
来た穴の出入口に
続いてる。)

猫船

(それに、
この糸から
魔力を感じる。)

猫船

結衣さん、
これ…

シュッ!

猫船

ッ!?

目を逸らした瞬間、 男性の頭から何かが 飛んできた!

猫船

わぁっ!?

猫船は間一髪で 左に避けて回避する。

結衣

猫船さん?

猫船

な、何あれっ!?

それは、 先端が細く鋭い針。

糸に繋がって 生き物ようにくねくねと 動いている。

猫船

(私を狙ってる!)

猫船は腰あたりにある 武器の柄を持つ。

シュッ!!

直後、針は猫船に 再び襲いかかる!

ブンッ!

カンッ!!

結衣が投擲したナイフが 針に当たり、 猫船への標準をずれる。

ブンッ!!

ズバッ!!

その隙に、猫船は針に繋がった 糸を双剣の片方で断ち切った。

カランッ!

針は床に落ちたが、糸は 吸い寄せられるように 穴の出入口へと消えていった。

結衣

大丈夫ですか?

猫船

はい。

結衣

この針は…

猫船

男の人の
頭に刺さってたんだと
思います。

猫船

(針、痛そう..)

結衣

なるほど…

結衣

彼を気絶させて
この針を刺し
操っていた…と、

猫船

じゃあ、
この人が
犯人じゃなくて、
真犯人は…

結衣

別ですね。

結衣

これはおそらく
見つかった時の罪を
なすりつける身代わり
でしょう。

猫船

……。

結衣

でも、
大丈夫です。

結衣

追跡は可能ですので、

猫船

えっ、

猫船

(出来るの!?)

結衣

その前に彼を
医療室に運びましょう。

猫船

はい。

猫船

(どうやって
追跡するんだろう?)

結衣

ところで、
闇桜さんの様子は?

猫船

あ、そうだ。

猫船

(闇桜、私の中に
いるんだった。)

猫船

(闇桜、何か分かる?)

猫船

…あれ、

猫船

(おーい、
闇桜~~!)

猫船

(声が
聞こえない。)

猫船

(寝てるのかな?)

猫船

(でも、寝る時は
声かけてくれるよね…)

猫船

うーん?

…しくじった。

真っ黒テレビ画面を見ながら、 男性は独り言をつぶやく。

そして、男性の手には 先端のちぎれた糸が 吸い込まれていく。

(水色の奴に
刺して操ろうとしたのに、)

(あの距離で
避けられるとは
思わなかった。)

(しかも、
白樹の秘書が
捜査してるとはな。)

(噂どおり、
只者ではないな。)

(まぁ、いいや。)

(必要な情報は
既に見た。)

(それに、
俺を捕えるなんて
出来ない。)

(変わりの人間なんて
何人もいるからな。)

(操ってる間の
記憶はないし、)

(俺がバレること
絶対にない。)

(まぁ、あの部屋は
もう使えないから
別の方法を考えないとな。)

(今回の件で
より厳しくなるし、)

考える必要は
ないわよ。

ッ!!

チャリリリッ!!

男性の身体が 黒い何かに巻き付かれて 拘束される。

闇桜

残念だけど
今日で全て
終わりだからね。

なっ、

闇桜

仕組みとしては
先端の針を脳に刺し、
刺激を送ることで
操ってたのかしら?

闇桜

まさか他人を操って
機密情報を入手して
たなんて、

闇桜

真犯人を逃がす
ところだったわ。

(だ、誰だ?)

(な、なぜここを…)

闇桜

簡単な事よ。

闇桜

貴方の操る糸を
辿っただけ、

闇桜

(まぁ、桜達には
黙って出てき
ちゃったけどね。)

……。

…くくっ、

闇桜

あら、
何かおかしいかしら?

勝った気になるのは
まだ早いぞ。

チャリンッ…

闇桜

ッ!

男性を拘束していたはずの 鎖が地面に落ちる。

闇桜

(透けた…)

俺は透けることが
出来る。

だから、
もので縛るのは
不可能だ。

闇桜

へぇっ…

別にこの事がバレても
犯人が俺だって
知ってるのはお前だけ、

知られる前に
始末すれば
問題ない!

ポワッ

シュッ!!

黒い魔法陣から 複数の糸が闇桜に向かって放たれる!

闇桜は軽やかに避けてた。

闇桜

(…普通の鎖では
捕まえられないか。)

闇桜

(まぁ、
別に大した驚きでは
ないわね。)

闇桜

(普通のでなければ、
いいのだから…)

ここからは
絶対逃がさない。

誰にも真実を
言えないまま
殺してやる。

夜猫🌸依頼事務所~厄災の魔女~

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