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春の終わりだった。
教室の窓から入る風が、
白いカーテンをふわり揺らす。
その景色を、篠宮彗月はただぼんやりと 眺めていた。
周りでは笑い声が飛び交っている。
友達同士の会話。
部活の話。
恋愛の噂。
けれど彗月には、その全部が少し 遠かった。
朝比奈 悠真 アサヒナ ユウマ
隣の席から声が飛ぶ。
振り向くと、朝比奈悠真が頬杖をついて こちらを見ていた。
篠宮 彗月 シノミヤ ハヅキ
朝比奈 悠真 アサヒナ ユウマ
図星だった。
彗月は小さく目を逸らす。
悠真は昔からそうだ。
人の変化に敏感で、
踏み込み過ぎないくせに、
ちゃんと気づく。
だから少し苦手だった。
篠宮 彗月 シノミヤ ハヅキ
朝比奈 悠真 アサヒナ ユウマ
篠宮 彗月 シノミヤ ハヅキ
突然の質問に、悠真は目を少し丸くした。
朝比奈 悠真 アサヒナ ユウマ
篠宮 彗月 シノミヤ ハヅキ
少し考えてから、悠真笑った。
朝比奈 悠真 アサヒナ ユウマ
篠宮 彗月 シノミヤ ハヅキ
朝比奈 悠真 アサヒナ ユウマ
その言葉が、彗月には不思議と 引っかかった。
"生きてるって感じ"
自分にはそれがない気がしたから。
毎日同じ時間に起きて、
同じ授業を受けて、
同じように笑って、
なのに心だけが、どこか置いてけぼりに なっているみたいだった。
その日の帰り道。
彗月は河川敷を歩いていた。
夕焼けが滲んで、世界全部が淡い色に 染まっている。
朝比奈 悠真 アサヒナ ユウマ
後ろから声がする。
振り返ると、悠真が自転車を押しながら 立っていた。
篠宮 彗月 シノミヤ ハヅキ
朝比奈 悠真 アサヒナ ユウマ
その言葉に、胸が小さく揺れる。
"消えそう"
そんなふうに見えてたんだ。
悠真は隣に並ぶと、空を見上げた。
朝比奈 悠真 アサヒナ ユウマ
篠宮 彗月 シノミヤ ハヅキ
朝比奈 悠真 アサヒナ ユウマ
彗月は思わず彼を見る。
悠真がそんなこと言うと思わなかった。
いつも明るくて、
誰とでも話せて、
楽しそうに笑う人だったから。
朝比奈 悠真 アサヒナ ユウマ
悠真は少し照れたように笑った。
朝比奈 悠真 アサヒナ ユウマ
夕陽は彼の横顔を赤く染める。
朝比奈 悠真 アサヒナ ユウマ
彗月の胸がじわりと熱くなる。
そんな一言で人は変われるんだろうか。
朝比奈 悠真 アサヒナ ユウマ
篠宮 彗月 シノミヤ ハヅキ
朝比奈 悠真 アサヒナ ユウマ
彗月は黙り込む。
無かった。
ずっと空っぽだったから。
けれど、
篠宮 彗月 シノミヤ ハヅキ
ぽつりと零した言葉に、悠真は笑う。
朝比奈 悠真 アサヒナ ユウマ
篠宮 彗月 シノミヤ ハヅキ
朝比奈 悠真 アサヒナ ユウマ
その瞬間、
彗月は初めて、自分が笑っていることに 気づいた。
風が吹く。
揺れる髪を抑えながら、彗月は空を見上げる。
世界はまだ曖昧で、
未来もわからない。
それでも、
"誰かといる時間"が、こんなにも温かい ものだと知ってしまった。
きっと人は、
誰かとの関わりの中で少しずつ 変わっていく。
儚い想いみたいに、
消えてしまいそうな感情でも。
それは確かに、
心の中に残っていくのだ。
コメント
2件
考えさせられるお話でした.ᐟ.ᐟ🥲最近ひなさんのいろんな物語が読めて嬉しいです💞