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桃 side
ラン
イルマ
遠くで笑い合っている3人を見つめる
どうやら人混みの先にいたこさめたちは無事だったようで
詳しくはわからないけど
周りの人に聞くと、いるまの言う通りなっちゃんが何とかしてくれたようだった
ラン
イルマ
イルマ
ラン
良かったと言い合うこさめとみこと
それを優しく見つめるなっちゃん
今3人に水を差すのも悪いと思い、私といるまはその場を立ち去った
紫 side
辺りは段々と暗くなって、
もうすぐで帰る時間へと差し掛かる
俺たちが、最後に来た場所は
ラン
らんが昔よく来ていたと言う、小高い丘の上だった
イルマ
ラン
土地自体が高い場所にあるからなのか、シクスフォニアの全体が一望して見える
さっきまで見ていたはずの街明かりが、また違ったもののように思えた
イルマ
ラン
ラン
そう言うとらんは俺に背を向けて歩き、少し先で止まる
ラン
ラン
イルマ
ラン
ラン
ラン
桃色の瞳が、出会ったあの日と同じように揺れた
イルマ
ラン
その瞬間、暖かな風が吹く
ラン
どこか遠くから飛んできた桜の花びらが目の前にいる、らんの周りを舞う
ラン
イルマ
ラン
ラン
そのときの、らんの笑顔は
イルマ
出会ったあの日とも、普段笑っているときとも違う
桜が満開に咲いたような
とても…美しくて、可愛らしい笑顔だった
イルマ
ラン
イルマ
ずっと探って来た桜花妃の、
いや…らんの
イルマ
ラン
思わずそう思ってしまうほどに
その光景はあまりにも綺麗なものだった
今から、約1年前
???
目の前で頭を下げた依頼人たちに、俺となつは目を丸くした
イルマ
ナツ
イルマ
目の前に現れた依頼人は、普段来るような依頼よりも遥かに難しいものを提示して来た
それも…下手したら国が揺らぐレベルの
イルマ
???
???
???
イルマ
ナツ
???
???
実際の言い方とは異なるが、
遠回しにいうならばその依頼は
〝桜の花嫁を、救うこと〟
イルマ
???
???
依頼をされるときに一緒に見せられたのは、幼い少女が写っている写真だった
イルマ
桜の下にいる少女は純粋に、可愛らしく笑っている
こんなに…普通の女の子が、生贄
自分で、あの写真を覚えていた自覚などなかった
けど、今思い出してしまった
俺は知らず知らずのうちに
あの写真で見たような笑顔を、望んでいたのだと思う
初めて出会ったとき、微かに見えた年相応の姿
あのときからきっと…
イルマ
ラン
ラン
イルマ
ラン
イルマ
イルマ
ラン
イルマ
ラン
今日のことを、俺が忘れることはない
ただ依頼をこなすためにここにいるはずだった…昨日までは
依頼のためだって、そう言い聞かせてたけど
イルマ
ラン
イルマ
少しだけ俺の中で、目的が変わりつつあるのかもしれない
イルマ
そう自覚しつつ、
それぞれの中の何かが動き始めた今日という日は
幕を閉じたのであった