この世界は理不尽だ。
あのね、先生
先生
ごめんね さん
先生
あとにしてくれるかしら
…はい
あのね、先生、私
先生
どうして早く言わなかったの!
先生
もっと先に言ってくれれば
先生
本当にあなたは…!!
……
この世界は理不尽だ。
お母さん、私は
親
口答えするんじゃない!
親
悪いのは、あんたよ
親
本当に反省してるの!?
……
お母さん、ごめんなさい
親
謝ればいいと思ってるの?
親
あんたはいつもそうね
親
少しは反論したらどう?
……
この世界は理不尽だ。
あ、あの…
同級生
何?気持ち悪い
同級生
あんた、いつもうざいんだけど
同級生
早く死んでよ
……
…死にたい
同級生
死んじゃダメだよ
同級生
みんな悲しむって
同級生
きっといい事あるよ!
……
貴方は私がいじめられても
話を聞いてくれなかったね
貴方は私が何を言っても
全て押し込めたよね
貴方は私がどうやっても
仲間外れにしたよね
貴方は私を
あなたはわたしを
あなた、わたし
わたしを
わたし
わた、し、わたし、
わたしをわたしをわたをしわしをわたしをわたたしわたしをわたしをわたしを
わたしを
おい、こんだ
おいこんだ
追い込んだ
自殺に、追い込んだ
貴方は私を自殺に追い込んだ
私が悪いの
私は理不尽じゃなかったの
理不尽になれなかったの
わたしがわるいの
わたしがわるかったの
わたしは
わたしは、わるかったの?
わたしのせいなの?
わたしはわたしのせいで死んだの?
わたしは、わたしは
わたしは___
生きたかった。
三橋
……
三橋
先生
早苗
何?
三橋
これは
三橋
これで、よろしいですか
早苗
もちろん
早苗
早く持ってって
三橋
ですが、これは
三橋
この話は、
三橋
先生の
早苗
早くしてったら
早苗
もう原稿は渡したわ
三橋
…わかりました
早苗
…今までありがとう、三橋さん
三橋
え?
早苗
ほら早く
三橋
は、はい
三橋
では…
三橋
……
三橋
これ…
三橋
これって、先生の
三橋
お姉さんの話だよな
三橋
遺書が見つかって
三橋
それを、そっくりそのまま…?
三橋
……
三橋
そう、いえば
三橋
先生のご両親は旅行にでも行ってるのかな
三橋
靴があったけど
三橋
………
三橋
まさか、な
姉はいつも言っていた
この世界は、理不尽だと
矛盾で溢れていると
こんな世界で姉は苦しみ死んで
どんな気持ちだったのかは、もう誰もわからない
遺書は私がもらった
姉の言葉を世間に知って欲しくて
短編として、あれを書いた
私は全てを恨んだ
姉の担任も、姉の同級生も、両親も
だから私は…
彼らを一人残らず、消した。
あの話は、私の最期の作品になるだろう
もう復讐する相手はいない
私も姉の元へ行かなくてはならない
すぐに行くから
待ってて、姉さん。