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ここは、どこ…?
知らない場所だ…
周りは、お花畑…
お花畑以外は、特に見当たらない…
私、なんでここにいるの…?
吉崎航(よしざきわたる)
橘望結(たちばなみゆ)
と、私が言った瞬間…
吉崎くんは、どこかに向かって走っていった…
やだ…置いてかないて…
ダメ…私は悪役…こんなこと言っちゃダメ…
でも…
でも…
ほんとの気持ちは…
やだよ…
これが本心だ…
気持ちが何故か、辛くて…
寂しい…
独りにしないで…
ダメ…私は悪役…
そう自分で暗示しても、本心は言うことを聞かなくて…
独りぽつんとお花畑で私は泣いた…
橘望結(たちばなみゆ)
私は、どうやらそのまま寝てしまって、夢を見ていたようだ…
なのに、どこか現実っぽくって…
私の本心…
目から、涙が出てきた…
なんで…?
悪役は涙など流しちゃいけない…
ただ何故か辛くて…
そして、気づいてしまった…
一人じゃ越えられない壁は、吉崎くんがいたから、超えられたということ…
私、どうしても吉崎くんを嫌いになれない…
嫌いになろうとしても、なれなくて…
君をどんどん好きになっていく…
苦しい…君が好きな人は、私じゃなくて他の人…
それに私は、悪役…
そして、吉崎くんは、私が寝てる最中にどこかへと行ってしまった…
告白…?
きっとそうだよね…
告白するって言ってたもんね…
……
でも、小宮さんは、吉崎くんのこと好きじゃない…
前、女子達の会話が聞こえて、知った…
私、どうすればいいんだろ…
吉崎くんは、笑顔でいつも私に話しかけてくれたけど…
ほんとは、しょうがないから話しかける…ってことなのかな…
そりゃ悪役のことを好きになってくれる人なんていないよね…
空き教室で私は、独り…
ほんとうにこれでいいの…?
やだ…
私は悪役…
だけど、少しヒロインの気分でいさせてください…
少しだけ…
私は、空き教室を出た…
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