この作品はいかがでしたか?
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夏美を見送った後、朔夜は本殿の屋根の上に移動した。
いつもの行動だった。
そこから毎日夕日を見つめる。
何度見たか分からない夕日の光景。
だが、朔夜にとって今日だけは違って見えた。
少し強い風が吹き、朔夜の髪がなびいた。
なびいた自らの髪の結び目が目に止まる。
そこには、前に髪が邪魔だろうと結ぶときに使ってくれた夏美のリボン。
朔夜はその結び目を手に取り、じっと見つめる
朔夜
“…朔夜…”
朔夜
ふと、昔のことを思い出す。
あの女性のことを。
朔夜
始めは夏美とあの女性の姿を重ねて見ていた。
昔のことを忘れたわけではない。
…もしかしたら、昔のことを思い出してくれるのではないかと少し期待をした事さえあった。
だが、毎日過ごしていくうちに、夏美という人柄に惹かれていった。 …昔のことなど関係ないと思えるほどに…
朔夜
ーいつまでも過去を引きずってはいけない。
昔の事は思い出に。
そして、今を、今の想っている気持ちに素直になろうー
朔夜
朔夜は、夏美のリボンに愛おしそうにそっと口づけをした。
〜次の日の朝〜
私は昨日のことを思い出しながら、通学路を歩いていた。
椎名夏美
吉井かなえ
椎名夏美
吉井かなえ
椎名夏美
その時、いきなり肩をぽんと叩かれた感触に、私は現実に引き戻された。
椎名夏美
吉井かなえ
椎名夏美
吉井かなえ
椎名夏美
吉井かなえ
椎名夏美
吉井かなえ
椎名夏美
その時、私は顔がすごく熱を帯びたのを感じたの。
…きっと、今の私の顔は真っ赤になっているのかもしれない…
吉井かなえ
椎名夏美
はっきりとは言わなかったけど、私の反応でかなえは朔夜からの返事もいい返事が返ってきたのだと分かったようで、かなえは私に嬉しそうに抱きついてきた。
吉井かなえ
椎名夏美
吉井かなえ
椎名夏美
吉井かなえ
椎名夏美
吉井かなえ
椎名夏美
かなえの言葉に、私は土曜に朔夜を家に招き入れる約束を思い出した。
告白のことで頭がいっぱいですっかりど忘れしていたの…
このときになって私はようやくかなえの頑張りなよの言葉の意味を理解する。
椎名夏美
吉井かなえ
村上春樹
椎名夏美
吉井かなえ
村上春樹
椎名夏美
村上春樹
春樹の出現で、さっきまでのドキドキした気持ちはすっかり吹き飛んでしまったの…
私は、どこまで聞かれてしまったのだろうと別の意味でドキドキしてしまった。
椎名夏美
私はぎこちない挨拶をするのだけで精一杯だった。
その時の私はどんな表情を浮かべていたのかは分からない。
村上春樹
春樹はすごく不機嫌そうな顔をしてそう言った。
吉井かなえ
村上春樹
吉井かなえ
村上春樹
椎名夏美
村上春樹
パチンっ!
何かを叩く乾いた音が響いた。
それは、
かなえが春樹の頬を叩く音。
叩かれた春樹は、叩かれたままの状態で固まっていた。
吉井かなえ
村上春樹
椎名夏美
吉井かなえ
私は、かなえに手をひかれ、そのまま学校へと歩いていった。
まだ呆然としている春樹を残して…
村上春樹
あの後、
俺は学校に行く気になれず、とぼとぼと適当に歩いていた。
頬を何かが伝うのを感じて、手を当てるといつのまにか俺は泣いていた。
村上春樹
自分だって分かっている。
いまだに子供っぽくて不器用で、
夏美への気持ちが先走りしすぎて、
いきなり現れた知らない男に夏美を取られそうになって焦って、
その先走りの気持ちと焦りが余計に空回りさせていることも…
村上春樹
再び涙が溢れてくるのを感じた。
村上春樹
???
村上春樹
???
突然、女性に声をかけられハンカチまで差し出される。
俺はおすおずとハンカチを受け取ると、顔を拭く。
落ち着いてから、顔を上げる。
そこには、綺麗で優しそうな表情を浮かべたスーツ姿の女性が立っていた。
村上春樹
???
村上春樹
???
村上春樹
???
村上春樹
この女性が何を言ってるのか、何を言いたいのか、全く分からなかった。
???
村上春樹
その時、脳裏に夏美のこと、
そして…
あの男のことが浮かんだ。
村上春樹
???
村上春樹
???
村上春樹
俺は、霊とか不思議な類は基本信じない。
目の前にいる女性には悪いが、霊媒師というのも胡散臭いとしか思わなかった。
けど…
あの男のことは、なぜか気になった。
村上春樹
村上春樹
???
村上春樹
???
コメント
6件
タイトルのビンタにワロタw 女霊媒師怪しすぎー…春樹使って何するつもりなんだろ? 立ち絵もあるようなので楽しみにしてまーす!
なんか次は少し感動もしました😢😢😢
面白いお話でした(笑)