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第1章 転校生は雨の日に。
先生
えー、今日は転校生を紹介します。
一ノ瀬 結衣
......雨、降ってくるとは思わなかった
先生
名前は一ノ瀬 結衣（いちのせ ゆい）さんだ
先生
みんな仲良くするように
一ノ瀬 結衣
......よろしくお願いします
先生
じゃあ、佐藤。
隣空いてるよな
隣空いてるよな
佐藤 遼
あ、はい
先生
一ノ瀬、佐藤の隣に座ってくれ
一ノ瀬 結衣
...はい
一ノ瀬 結衣
佐藤くん、って言うんだ
よろしく
よろしく
佐藤 遼
う、うん。よろしく......
放課後、雨は止んでいた
第2章 君の声を、もっと知りたくて
佐藤 遼
あのさ...ノート、
書き写す？
書き写す？
一ノ瀬 結衣
え？
佐藤 遼
授業中、先生の声聞き取りづらそうだったから...。
良かったら、これ...
良かったら、これ...
一ノ瀬 結衣
......ありがとう。助かる
一ノ瀬 結衣
佐藤くんって、優しいんだね
佐藤 遼
そ、そんなことないって..!
ある日の事
佐藤 遼
...どうかした？
一ノ瀬 結衣
...ううん。
ただ、こういう時間が懐かしいなって
ただ、こういう時間が懐かしいなって
佐藤 遼
懐かしい？
一ノ瀬 結衣
前の学校では、こんな風に誰かと話すことなかったから
佐藤 遼
じゃあさ、これからは...
佐藤 遼
俺がいっぱい話すよ
一ノ瀬 結衣
...ふふ、期待してる
第3章 この距離、あと少し。
数ヶ月後の昼休み
一ノ瀬 結衣
...ねぇ、佐藤くん
佐藤 遼
ん？
一ノ瀬 結衣
私がここに来てよかったって、思えるのは......たぶん
君のせいだよ
君のせいだよ
佐藤 遼
......それ、反則じゃん
一ノ瀬 結衣
え？
佐藤 遼
そんなこと言われたら、もっと好きになっちゃうだろ
一ノ瀬 結衣
...じゃあ、もっと言おっかな
佐藤 遼
え？
一ノ瀬 結衣
もっと...好きになって欲しいから
佐藤 遼
...結衣、って呼んでいい？
一ノ瀬 結衣
うん。
じゃあ私も遼、って
呼んでいい？
じゃあ私も遼、って
呼んでいい？
一ノ瀬 結衣
...ね、遼
佐藤 遼
ん？
一ノ瀬 結衣
手...つないでもいい？
佐藤 遼
...うん
第4章 君と行く、特別な日曜日
佐藤 遼
...やば
一ノ瀬 結衣
...もしかして変？
佐藤 遼
いや、可愛すぎて
心臓がもたない
心臓がもたない
一ノ瀬 結衣
遼の私服も、似合ってるよ
時は過ぎ 帰り道、夕暮れの公園
一ノ瀬 結衣
ねぇ、遼
佐藤 遼
うん？
一ノ瀬 結衣
私ね...今日、ずっと嬉しかった
佐藤 遼
俺も。めちゃくちゃ幸せだった
一ノ瀬 結衣
じゃあ、今からもっと幸せにしてもいい？
佐藤 遼
...ど、どうやって？
僕たちは夕暮れ時の公園で唇を重ねた
第5章 夏の空に、君の笑顔がうかんだ。
7月の夏休みに夏祭りデート
佐藤 遼
...やば。なんか今日、もう勝てない気がする
一ノ瀬 結衣
ふふ、なにに？
佐藤 遼
全部。君の可愛さに
結衣は俺の袖をそっとつかんだ
一ノ瀬 結衣
じゃあ...
ずっとつかまえてて
ずっとつかまえてて
一ノ瀬 結衣
ねぇ、遼...
この夏絶対忘れたくないね
この夏絶対忘れたくないね
佐藤 遼
うん。
忘れされる気ないけど
忘れされる気ないけど
第6章 君と作る、最後の文化祭
秋、最後の文化祭
一ノ瀬 結衣
...ねぇ、遼
佐藤 遼
ん？
一ノ瀬 結衣
この文化祭が終わったら
もう行事ってほとんどなくなるんだね
もう行事ってほとんどなくなるんだね
佐藤 遼
...だな
一ノ瀬 結衣
高校生でいられる時間も
あと少しだね
あと少しだね
佐藤 遼
だな
一ノ瀬 結衣
だから...今を、ちゃんと
大事にしたい
大事にしたい
劇中の結衣
好き...あなたじゃなきゃ
だめなの
だめなの
文化祭が終わったその夜 2人きりで学校の屋上にいた
佐藤 遼
...俺も、だよ
一ノ瀬 結衣
え？
佐藤 遼
結衣じゃなきゃ、ダメなんだって...ずっと思ってた
星空の下でもう一度唇を重ねた
最終章 君に、ありがとうを言う日
3月1日、卒業式
一ノ瀬 結衣
...遼、卒業、おめでとう
佐藤 遼
結衣もな
一ノ瀬 結衣
もうさ、こうやって毎日会うこともなくなるの、やっぱり寂しいね
佐藤 遼
...会えるよ。だって、
これからもずっと一緒にいるから
これからもずっと一緒にいるから
一ノ瀬 結衣
私さ、あの日、雨の日にこの学校に来て、隣の席が遼で、ほんとに良かった
佐藤 遼
じゃあ、今度は隣の未来、見に行こうぜ
一ノ瀬 結衣
うん...行こう、一緒に
－－そして春が来る 君と歩く、未来の始まりに。
[完]
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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