テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 二次創作
rara🎼
rara🎼
rara🎼
第16話『誰にも言えない“声”』
朝。
リビングには、いつもの香りが漂っていた。
いるまが作った珈琲の香りと、焼きたてのパンの匂い。
いるま
らん
らん
いるまは頷いて、自室へと消えていった。
扉が閉まる音が、小さく響く。
らん
食器を片付けたあと、らんはぼんやりと窓の外を見た。
風がやさしく木々を揺らし、どこかの家の洗濯物が春風に舞っていた。
らん
スニーカーを履いて、そっとドアを開ける。
何も予定のない午後。
ほんの散歩のつもりだった。
けれど――その日、らんは“自分の声ではないもの”に出会うことになる。
公園に着くと、少し風が強くなっていた。
らんはベンチに腰を下ろし、背もたれに身を預ける。
空は晴れていた。
でも、胸の奥には、ずっと違和感が残っていた。
らん
らん
らん
その瞬間――
耳の奥で、ノイズが走った。
声
ぞっとする声だった。
聞き覚えが――ある。
けれど、どこで聞いたのかは思い出せない。
声
声
らん
声
声
誰かの――けれど、誰にも似ていないようで、誰かに似ている声たち。
いるまのような低い声。
すちのような落ち着いた声。
みことのような明るさの裏に潜む鋭さ。
こさめのような切なさ。
なつのような、感情の熱。
らん
らん
らん
頭が、ガンと痛んだ。
額を押さえ、らんはベンチから立ち上がる。
一歩、二歩、ふらつく足で歩き出したそのとき。
こさめ
振り返ると、そこにいたのは――こさめだった。
手に紙袋を持っていて、たぶん買い物帰り。
偶然、この公園の前を通りかかったのだろう。
その瞳が、らんの蒼白な顔色をしっかりと捉える。
こさめ
こさめ
一瞬、息が詰まりそうになった。
この声も、さっきの“偽の声”に似ていた。
でも、目の前のこさめは、あたたかかった。
不安げで、心配そうで――嘘のない顔だった。
らん
らん
こさめ
こさめ
そう言って、こさめはそっと、らんの手にミネラルウォーターを渡した。
こさめ
こさめ
らん
らん
こさめ
こさめ
返ってきたその慌てた反応に、ようやく、らんは小さく笑った。
その笑みの裏に、ひとつだけ嘘を隠したまま――
夜。
いるまの家に戻っても、幻の声は頭から離れなかった。
声も、映像も、やけに鮮明だった。
でも、それを誰にも言うことができなかった。
もし本当に、それが“過去の真実”だったら――
今、自分のそばにいる人たちすら、信じられなくなってしまう。
らん
らん
らんは、そう信じ込むように目を閉じた。
けれど、心の奥に、わずかな疑念が残っていた。
らん
答えのない問いだけが、眠れぬ夜の闇に沈んでいった。
そして、その夜もまた――夢の中に、“あの声”が入り込んできた。
第16話・了
rara🎼
rara🎼
rara🎼
rara🎼
rara🎼
rara🎼
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡170
rara🎼
rara🎼
コメント
3件
記憶がないからこそ真偽を確かめられない…桃くんの心が心配です…続き楽しみにしてます!