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救われない
絶望
夢
好き
大好き
薄っぺらい
主人公が悲劇のヒロイン
何者かによる登場人物の死
主人公が夢を持つ
生きる希望を見つける
薄っぺらい
薄っぺらすぎる
ふーっ、と息を吹いたら飛んでいきそうなほど
薄っぺらくて、無色だ
結局のところ
物語のなかのモブの死は
主人公の活躍を彩るスパイスでしかなくて
主人公の死は
周りの悲劇をもっと明確に示すものでしかなく
簡単に吐く好きなんて言葉は
マリオネットの文字でしかない
自分のような底辺がいくら必死になろうとも
紡がれる物語は道端の石ころと同等の価値
決して宝石の原石にはならない
それが分かっていながら
自分の本当に書きたい物語は
永遠に書けないと分かっていながら
自分は想像の贋作を書く
薄っぺらい、響かない何かを書く
青年
青年
青年
男はペンをおく
視界にはたった今、書き終えた物語がある
青年
男は自画自賛する
青年
青年
男はそばにあるパソコンを開く
そしてある小説サイトを開き
青年
そう思いサイトにログインし 早速、先ほど書いた物語を画面に写していく
幸い、男はタイピングは早い方だったので さして時間はかからなかった
青年
青年
青年
そう言って男は投稿ボタンをクリックした
青年
青年
6時間ほど経ったか
男は先ほど投稿した作品の評価を確認する
青年
画面に映されているのは最低の評価
青年
男は自身の作品の評価に納得出来なかった
青年
青年
男は逆に見返してやるという思いが芽生えた
それから男は書き続けた
青年
男が書き続けていくうちに男のファンも増え
作品も評価されていった
そんなある日のこと
青年
青年
男は悲劇や絶望といった物を書き続けていた
しかし、今日の男はそれとは違い
感動するような物語を書こうとしていた
青年
そう言って男はキーボードをうち始める
数時間後
青年
青年
男は迷走していた
青年
青年
男は諦めて
王道な 学生同士の恋の話を書いた
青年
王道も工夫をすれば新しく面白い内容になるが
男はよく考えず書いていき
出来上がった物は、いつもの物と比べて 余りにもお粗末な代物だった
青年
そして男はサイトにその物語を投稿した
数時間後
青年
男は画面の評価を見て驚愕する
そこには今までの作品と比べて 遥かに良い評価があった
青年
男は理解した
理解したくなかったが
理解させられた
自身に求められている物に
青年
男は心を無にして書き続けた
自身の望まれているものを
男の才能は男の望みとは真逆であった