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咲愛

先生、一体なに?

咲愛

これでまた〝あの事〟だったらすぐ帰るから!

出間先生

咲愛ちゃん?
そんな事言わないでちゃんと話し合ってみないか?

咲愛

嫌!
絶対に!

咲愛

私が余命宣告されるなんて
知りたくもない!

出間先生

だけどね……。

出間先生

余命を知りたくないならいいんだ、でもこれは親御さんにも伝えなきゃならないから。

咲愛

じゃあ先生がお母さんに言えばいい事じゃない。

出間先生

先生はね?
色々大変なんだよ。
心臓の病気の子が二人いてね。
検査とか薬を出したりとか

咲愛

……。
分かった!言えばいいんでしょ言えばっ!

出間先生

ありがとう。
じゃあこれが今週分の薬ね。

咲愛

……一回三粒に増えてる?

出間先生

あぁ、腸が日に日に弱っているからね。

咲愛

(つまり私はもう長くはないってこと?)

……

葉月

ふぅ、騒がしかったね。

海月

うん。
帰るまで何分かかった事か。

葉月

ねぇねぇ私喉乾いたんだ。
ついてきてくれない?

海月

いいよ!
昨日みたいになっちゃ怖いからね。

葉月

あれ……?

葉月

あの子大丈夫かな?

海月

……?

海月

ほんとだ、手すりに掴まって辛そうに歩いてるね。

葉月

うん……話しかけよ。

葉月

すいません……。

咲愛

……。
なに?

葉月

あの辛そうだったから……
話しかけようと思って。

咲愛

あー、そう。
なんかありがとね。

咲愛

私なんて、あと余命の少ない孤独な人なのよ。

海月

え?余命?

咲愛

私ね、余命宣告されるの。
明日?だったかな。

海月

嘘!

咲愛

怖いのよ。
先生が、腸が弱ってきてるからって1回三粒になったって教えてくれた。

葉月

……。
ねぇ、……

咲愛

咲愛よ。
桜井 咲愛。

葉月

咲愛ちゃん、私達もね、一応余命宣告的なこと言われたんだよ。

咲愛

え……?

海月

そうそう、心臓移植しないと1年間しか生きられないってさ。

咲愛

心臓……?

葉月

私達、心臓病なんだ。
生まれつき。

咲愛

じゃあ先生が言ってたのは……。

咲愛

あ、あのっ……。
えーっと……。

葉月

月宮 葉月。
そして

海月

月宮 海月だよ。

咲愛

へ?
ふたりともよく見たら似てるね。

葉月

私達は双子なんだよ。

咲愛

似てると思った!

葉月

私達友達になろう?

咲愛

うんっ!
よろしくね!

-----------次の日-------------

出間先生

咲愛ちゃん、君の寿命はあと……

咲愛

……。

3ヶ月だよ

夜空の下、また2人で

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