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東京都立呪術高等専門学校。 暮れなずむ秋の空は、茜色から深い濃紺へと緩やかにグラデーションを描いていた。冷たい木枯らしが高専の長い廊下を吹き抜け、古い木造校舎をカタカタと小さく鳴らす
神代翠
4年生の神代翠は、大きなあくびを噛み殺しながら、静まり返った廊下を歩いていた。 黒を基調とした高専の制服。動きやすさを重視した膝丈のスカートの裾を揺らし、ハイネックの衿元を少し緩める
だるそうに揺れる黒髪と、袖から覗く手首に幾重にも巻き付けられた白い医療用包帯。それが、高専でも数少ない「ヒーラー能力」を持つ1級呪術師・翠のいつもの装いだった
神代翠
すたすたと歩いていた翠の足が、ふと止まる。 医務室へと続く角を曲がった先、薄暗い廊下の真ん中に、見覚えのある背格好の人物が立っていた
白い高専の制服。背中には大きな黒いレザーの刀ケース。 海外遠征へと発っていた2年生の特級呪術師――乙骨憂太だった
乙骨憂太
翠の足音に気づいた乙骨が振り返る。 長旅の疲労を少し感じさせるものの、その双眸は真っ直ぐに翠をとらえていた。一瞬、驚いたように丸くなった乙骨の瞳が、すぐに歓喜と安堵の色に染まっていく
神代翠
乙骨憂太
神代翠
乙骨憂太
翠は手に持っていた薬の箱をひょいと近くの棚に置くと、すたすたと距離を詰め、乙骨の頬や腕、肩あたりを遠慮なくペタペタと触り始めた。 あまりの距離の近さに、乙骨の顔が一瞬で耳まで真っ赤に染まる
乙骨憂太
乙骨は慌てて半歩後ろに引こうとするが、翠は「動かない」とばかりに彼の両腕を軽く掴んで引き留めた
神代翠
そう言いながら、指先で乙骨の脈を測り、体に残る微細な呪力の乱れがないか確認していく。 年上の女性としての余裕と、医療術師としての真剣な眼差し。その至近距離からの視線に耐えかねたように、乙骨は口をキュッと結び、目を泳がせた
乙骨憂太
少し口を尖らせて反論する乙骨だが、その瞳には久しぶりに会えた大好きな先輩への愛おしさと嬉しさが隠しきれていない。翠の手が離れると、どこか名残惜しそうに袖口を握りしめた
神代翠
翠はふっと柔らかく目を細めると、背伸びをして乙骨の柔らかい黒髪をくしゃっと撫でた。 普段は誰よりも強く頼もしい特級呪術師である乙骨が、翠の手の下で気持ちよさそうに目を細め、小さく息を吐く
乙骨憂太
ぽつりと漏らされた素直な言葉。そこに込められた熱量に、翠は一瞬目を丸くし、それから少し照れくさそうに笑った
神代翠
乙骨憂太
遠征の疲れなど一瞬で吹き飛んだかのように、パッと顔を輝かせる乙骨。 しかし、自販機へと向かって歩き出した翠の背中を見送る彼の瞳には、ただの後輩としての憧れだけではない、深く静かな過保護さと情愛が渦巻いていた
乙骨憂太
コメント
1件
うわあああ!!朱狐さん新作キター!!😭💕 もう第1話からエモさ爆発しとる…!!帰国したての憂太くんと、ヒーラーな翠先輩の再会シーンだけで胸がいっぱいです!翠先輩のペタペタチェックに真っ赤になる憂太くんかわいすぎるし、最後の「会いたかった」で完全にノックアウトされました…😇💘 この先輩後輩の距離感、最高すぎるので続きが待ちきれないよ〜!!🦋✨
朱狐
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