昔から
私は変な子だった。
常に何かに心奪われて
周りのことは目に入らなかった
いったん口を開いたら とめどなく話し続けた
だから 「会話にならない」 やつだってよく言われてた
玲奈
玲奈
相手の気持ちとか 暗黙の了解とか 興味が持てなかったし
玲奈
玲奈
ふと思いついては奇抜な行動をし 周りを唖然とさせてばかりいた
「本当に」
「うちの子がご迷惑を」
両親が他人に頭を下げるのを 何度見ただろう
玲奈
そんな風だから もちろん 友達もとても少なかった
女子
男子
女子
男子
みんなが私のことを話すとき
それはきっと
ポジティブな内容 じゃないとわかってた
だけど正直
どうでもよかった
玲奈
玲奈
世界はいつも 刺激と興奮の連続で
幾千幾万の光と音で満ちていて
飛ぶような速度で流れていく
限られた時間の中で
駆け足で生きてるみたいで
やりたいことがありすぎて
楽しくて たまらなかった
大人はいつもミステリアスで
きっと
私の知らない魅力的な世界を
知っているんだと思った
玲奈
とても羨ましくて
玲奈
玲奈
未来にはいつも希望を見てた
幸か不幸か
私はそんな自分を 保ち続けたまま高校生になった
玲奈
どこに行っても相変わらず 私は変だった
けど
女子
男子
女子
今までと違ったのは
周りの子たちが 信じられないほど 寛容だったこと
玲奈
玲奈
私はずっと変わっていた。
ずっと変わらずに変わっていた。
だけど
自分を哀れに思わずに生きていた
玲奈
私はなんて 幸せなんだろう!
周りのあらゆるものに
人に
出来事に
感謝して生きている
玲奈
玲奈
こんなに変な私でも 幸せに生きられている
私は人生を満喫し満足し
これからも変わらずに 変わっていられることに
玲奈
幸福なため息をついた。
それはあまりに唐突で
玲奈
玲奈
僕は思わず
湊
と声を漏らした
でも
彼女がふざけている わけじゃないのは
すぐにわかった
湊
玲奈
なぜだろう
言われるまで
意識したことなんて
なかったのに
湊
当たり前みたいに
彼女の手を取るんだと
確信してしまった
湊
気になってた
気にはなってた
湊
湊
玲奈
だって彼女は
誰とも違ってた
玲奈
玲奈
玲奈
誰にも似ていなくて
変で
湊
玲奈
おかしくて
なのに
湊
湊
湊
気になって
気になって
むずむずしていた
その理由が腑に落ちて
僕は彼女の指に触った
玲奈
彼女の
瞳の奥で
火花が
光ったようだった
湊
だって
僕も君のことが
コメント
4件
玲奈ちゃんの生き方が素敵…。自分の思いに素直な真っ直ぐな心に惹かれます。
自分を好きでいるって大事だなと💡このあと玲奈が「別に付き合うとかはいいや〜」ってなるくだりを書こうとしましたが省きました笑 いつもお読みいただきありがとうございます🙇♀