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わあああ最高。 最後の黒さんの幸せそうな感じとか、水くんの悩みに深く干渉しすぎずに寄り添うところとか好き。 あと水くん、よく気づいてくれました。我らが旦那はいっちばん強くていっちばん弱いんだよ!!(性癖ですあと表現素敵すぎました) 投稿お疲れ様です(*^^*)
最高すぎます!!お疲れ様です! 頼ってくれなかったらきのこ食べさせる、っていうのが水くんらしいですね…😊 白くんと水くんの喧嘩を見守る、保護者的な存在の黒くんが不安になりがち、ってことを水くん達が分かってるの素敵すぎる…✨
「例えば魔法が使えたら」ってそういうことだったんですね!!もしかしてなんですけど、明日って白くんと黒くんのお話ですかね!!
注意!! ・青黒大前提!(ココ重要) ・他のメンバーさん達には特にカプ要素を考えていませんが、書いてる人が赤桃・白水脳なのでそう見えるところもあるかもしれません💭 ・nmmn ・地雷さんはUターン⚠️
黒
目の前に座るあにきが、目を丸くしてそう声にした。
水
小さく頷けば、何故かあにきは感心した様に「は〜」と声を漏らす。
黒
水
黒
わしゃわしゃと僕の頭を撫でる大きな手。そんな些細な行動で、沈んでいた心が水面から顔を出す。
黒
水
原因は何かと率直に聞くのではなく、こうやって機会を伺ってくるその言葉に、彼の性格が滲んでいた。
迷惑をかけ過ぎたくないし、早く答えなければ。そう思うのに、僕の唇はまるで接着剤でつけられたかのようにくっついて、動くことはなかった。
重たい口をどうしようかと考えていると、あにきが「りょーかい」と何を察したのか呟く。
黒
ぽん、と再び頭に置かれた彼の手。微かに伝わってくる温もりに、いつの間にか強張っていた体から力が抜けていくようだった。
休日に突然押しかけてきた僕を、あにきは嫌な顔一つ見せず迎え入れて。
結果だけ伝えて原因を教えない僕に、文句の一つもない。
その優しさに、なんだか泣きそうになった。
黒
水
立ち上がったあにきを、思わず間抜けな声を出して見上げた。
黒
水
僕が唖然としている間に、あにきはじゃあなとひらひら手を振って部屋へと入って行ってしまった。
求められた訳じゃないのなら下手に干渉し過ぎず、より多くの選択肢をこっちに受け渡す。
そんな行動を選んだあにきにはやっぱり長年の経験があるのだろう。僕には出来ない、考えられないような行動を、彼は簡単に選ぶことが出来る。
優しい彼には、正直頭が上がらない。
彼はいつだって僕の相談に乗ってくれる。それは歌の技術から音楽のこと、そしてこんなプライベートのことまで。
初兎ちゃんとの些細な言い合いにせよ、ちょっと重たい喧嘩にせよ。僕が何かあった時に頼るのはあにきだった。
そんな僕に、あにきはいつだって確実な助言をくれる。
優しい彼が持つそんな力を、僕は心から尊敬して、感謝していた。
だから、いつもこっちから頼っておいて勝手かもしれないけど、思うことがある。
・・・僕だって、あにきの支えになりたい。
そんな希望を抱くようになったのは、果たしていつからだったか。
いつだって大きくて頼もしいと思っていた彼の背中が、目を離したら消えてしまいそうなくらいに儚く見えた時?
芯のある歌声を響かせる彼が、聞き取れるか取れないかギリギリくらいの掠れた声を放つことがあると知った時?
前を向いて僕達の背中を押してくれる彼が、実は人一倍後ろを気にしてしまっていることに気付いた時?
彼の音楽への熱に比例して、その不安も高まっていると知った時?
いつからかなんて、もう分からないけど。
完全なんて、完璧なんてないことを知った。寧ろあにきはその逆で、頼もしい彼は実は一等脆いのだと知った。
それでも長い間それに気付けなかったのは、僕が彼を支え切れていなかったからだ。
大人組は知っているんだろうか。知ってるよなぁ。リーダーのないちゃんは勿論、気付けばいつもあにきのそばにいる青い彼も。
持ちつ持たれつの関係って、彼らみたいなことを言うんだろうな。
・・・それに比べて、僕は。
あの頼もしい背中に寄りかかってばかりで、こっちが支えてやったことなんてきっと無い。
水
黒
水
聞こえる筈の無い彼の声が背後から飛んで来て、ビクッと肩を揺らした。
水
黒
水
悪い悪い、とあにきが面白そうに笑った。絶対わざとだ。
黒
そう言ってあにきが指差したテーブルの上には、確かに彼のスマホがぽつんと置き去りにされていた。
黒
水
黒
首を傾げる彼に、まさかあにきの為の魔法だよなんて言える訳もなくて。
水
我ながら答えになってない解答をしたと思う。けどそんな僕の言葉をあにきは深く言及することはせず、魔法かぁ。と呟いた。
黒
水
黒
まさか、りうちゃんも?驚きの事実に、僕は推しとの以心伝心を喜ぶよりも、みんなきっと思うことは同じなんだろうなぁと笑みを溢した。
彼の為なら、魔法だって使いたくなってしまうのだ。
水
今日3回目の、頭に置かれた手。
そっとあにきを見上げると、彼は優しく目元を和らげていた。
黒
水
彼の笑顔は何処か安心したようで、嬉しそうで。
注がれる視線は酷く優しくて、僕には貰い切れないくらいの。
水
黒
立ち上がった僕に、また察してくれたらしいあにきが頷いた。
水
黒
ほら、行ってこい。なんて、眩しい笑顔が僕の背中を押す。
水
黒
僕の後を追いかけて、あにきは玄関まで見送りに来てくれる。
水
今まさに出て行こうとしていた僕に片手を上げていたあにきが、突然振り返った僕にきょとんとした表情を浮かべた。
水
覚えといて!じゃあねー!と彼の返事も待たず、僕はその場を後にした。
魔法でもなんでもいい。どうか、いつか君を支えられるように。
そんなささやかな願いを胸に、僕は走り出した。
颯爽と去って行ったその背中を、唖然としたまま見送った。
黒
静かになった玄関で、悠佑はそっと口元を緩める。
黒
そんな独り言は、これでもかというほどに幸せそうな声色だった。
黒さん生誕祭まで後4日