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男
こんなところにいたのか！
少女
いや！
少女
やめて！
男
まったく
男
手間をかけさせやがって
少女
この！
少女
ヴィラデマ！！
少女
！！
少女
ヴィラデマ！！
少女
どうして？
少女
どうして魔法が使えない……？
男
ほら、行くぞ
少女
やめて！放して！
のぼる
おっと手が滑った
男
……が！
のぼる
おい、行くぞ
少女
あ、あなたは？
のぼる
ただの通りすがり
のぼる
逃げるぞ
男
ま、待てぇ
のぼる
ここまでくれば大丈夫だろ
少女
あの、
少女
ありがとうございます
のぼる
いや、いいよ
のぼる
さっきの男の人はなに？
少女
わからない
少女
ても、私を追ってくるの
のぼる
ふーん
のぼる
あんたなにしたのさ
少女
私は何も！
少女
でも、悪い大人たちが私を閉じ込めようとするの
のぼる
ふーん
少女
あなたみたいな良い大人もいるのね
のぼる
別に良い大人じゃない
のぼる
ほら
少女
なに？
少女
握手？
のぼる
ちげーよ
のぼる
助けたろ？
のぼる
金払え
少女
え？
のぼる
言ったろ？
のぼる
良い大人じゃないって
のぼる
ほら、いくらかは持ってんだろ？
少女
私
少女
この国のお金持ってなくて……
男
はぁ？
男
ドルかなんかか？
少女
アクテミオ王国のお金しかなくて
男
あぁ？
男
んだそれ
男
聞いたことねーよ
少女
無理もないわ
少女
アクテミオ王国は
少女
世界から隠された魔法国家だもの
のぼる
魔法？
少女
そうよ
少女
私はアクテミオ王国の生まれなの
少女
でも、どうしてか、
少女
この国に来てから魔法が使えないの
のぼる
何言ってんだ？
のぼる
だいたい、お前どう見たって日本人じゃねーか
少女
アクテミオ王国とこの国は元々同じ国からなりたったのよ
少女
だからいわゆる日本人と見た目が変わらないのはそのせいよ
のぼる
わけのわからんことを
のぼる
面倒なやつを助けちまったもんだ
男
いたぞ！
のぼる
ん？
少女
さっきの男の人！
のぼる
追ってきたのか
少女
お願い！
少女
一緒に逃げて！
少女
お金なら用意するから！
のぼる
……本当だろうな？
少女
うん！
少女
あなた、名前は？
のぼる
俺はのぼる
男
あんたは？
少女
私はカーナ！
のぼる
さっさと逃げるぞ
のぼる
カーナ！
少女
うん！
少女
よろしくね！
少女
のぼる！
警察官
はいストップ
のぼる
うお！
警察官
二人とも落ち着いてください
のぼる
警察まで動いてんのかよ
のぼる
国家ぐるみでカーナを追ってんのか
警察官
はい？
警察官
とりあえず、柴田さんの保護をさせてください
のぼる
柴田？
のぼる
誰だ？
男
やっと追い付いた
男
柴田さん！
男
もう逃げないでください！
のぼる
だから柴田って誰だ？
男
誰って
男
そこにいる女性ですけど？
のぼる
え？
男
柴田かなさんです
警察官
きみ、何か勘違いしてるみたいだけど
警察官
この方は病院の看護師で
警察官
柴田さんは入院してる患者さんです
男
外出に出たら急に走り出して
男
警察に連絡して探してたんです
のぼる
えーと？
のぼる
じゃあ、こいつが言ってた話しは？
男
ああ
男
魔法がどうとかって話しですね
男
柴田さんは精神を病んでいまして
男
自分は魔法使いだと信じこんでいます
男
魔法が使えないとか
男
そーいうことを言ってたかも知れませんが
男
すべては彼女の思い込みです
のぼる
……
警察官
一応、きみも交番まで来てくれるか？
警察官
勘違いとはいえ
警察官
暴力を振るってしまったからね
のぼる
……うす
少女
どうして魔法が使えないのかなー
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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