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17 - それぞれの休日 迅&ルン編

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2021年05月26日

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水無月 迅の休日

Cafe 猫の耳

寂れた商店街の一画にある 少しお洒落な喫茶店

風変わりな女店主と 何名かのアルバイトが働いている。

カランコロン… そんな店に来客を告げる ベルの音が鳴り響く。

その音を聞き付け奥の調理場から 頭にハムスターを乗せた少女が 顔を覗かせる。

笹原 惠

いらっしゃいませ〜。
カウンターへどうぞ。

水無月 迅

あぁ、すまない。

笹原 惠

お冷とおしぼりです。
ご注文は後ほどでよろしいですか?

水無月 迅

いや、今日はこちらの店主に用があって来たんだが。
1人のようだが、もしや?

笹原 惠

あ、いえ私はアルバイトなので…。
オーナーは今外出してまして、そろそろ戻ると思います。

水無月 迅

そうか、では少し待たせてもらうとしよう。

笹原 惠

あ、あの…。

水無月 迅

ん?

笹原 惠

人違いでしたら申し訳ないのですが、リフィックスの水無月さんですか?

水無月 迅

あぁ、そうだよ。

笹原 惠

あ、やっぱりそうでしたか!
以前テレビで見たのでもしかしてと思いまして。

水無月 迅

それは、ありがとう。

笹原 惠

あ、もしかして真琴さんの紹介で近々来られるお客様って水無月さんのことですか?

水無月 迅

そうだと思うが、真琴を知っているのか?

笹原 惠

えーっと、はい。
なんと言いますか先輩と言いますか元同僚と言いますか…。

水無月 迅

ん?あいつここで働いて居たのか?

笹原 惠

あ、いや…えーっと…。

少女がまずいことを言ったと その場を濁そうと少し慌てている時

マフィン

キュー!

水無月 迅

な…!

笹原 惠

あ、こらマフィン大人しくしててって言ったのに。

自身の主人を気遣ってか 恵の頭の上のハムスターが鳴き声を上げた

水無月 迅

それは本物だったのか…。
よく出来た飾り物かと思っていた…。

笹原 惠

驚かせてしまってすみません。

水無月 迅

いや、気にしないでくれ。

カランコロン… 2人の会話が途切れたタイミングで 入り口のドアが開く。

燕 玲奈

おーい、恵今帰ったぞ。

笹原 惠

あ、おかえりなさい。
お客さんがお待ちですよ。

燕 玲奈

あ?私に客だ?
新聞ならもう取ってるし保険も入ってるぞ。

笹原 惠

あ、いや、真琴さんの紹介の方が…。

燕 玲奈

あー、そういやアイツそんな事言ってたな。

水無月 迅

貴女がここの店主か?

水無月 迅

(この人物只者ではないな…。)

燕 玲奈

(噂には聞いていたが面白そうな奴だな、真琴のアホや壊と戦わせたらどっちが勝つか…、いやジャンル違いだからどっちがとは言えんか…。)

燕 玲奈

あぁ、そうだよ。
お待たせしたみたいですまなかったね。

水無月 迅

いや、構わない。
さっそく本題なのだが。

燕 玲奈

真琴のやつから聞いてるよ。
茶会の食事の注文だったな。

水無月 迅

その通りだ。
10人前ぐらいの食事とデザートをお願いしたい。

燕 玲奈

あいよ、何か希望はあるか?
アレルギーや嫌いな物とかあれば聞いておく。

水無月 迅

いや、特にそう言ったものはない。
できれば何かインパクトのある面白みのあるものがあると嬉しいが。

燕 玲奈

ふーむ、恵。

笹原 惠

はい?

燕 玲奈

この前の仕事の練習の時、お前らが私に食わせたアレにする。

笹原 惠

あー…、りょ、了解です。

水無月 迅

燕 玲奈

心配しないでくれ、ちょっとバカみたいなホットケーキだよ。
心配しなくても味は保証する。

水無月 迅

そ、そうか。
なら、よろしく頼む。

燕 玲奈

良かったらコーヒーと甘い物でも食べて行ったらどうだ?
電話で済む話をわざわざ店にまで来たって事は下調べのつもりもあったんだろ?

燕 玲奈

お待たせしたお詫びだ、ご馳走するよ。

水無月 迅

では、遠慮なくいただいていくとしよう。

瑠衣代 ルンの休日

同時刻 Cafe 猫の耳 玄関前

瑠衣代 ルン

ふふふ、とうとう見つけたなのネ。

瑠衣代 ルン

新統合都市都市伝説の一つ、世界的怪盗団のアジトの喫茶店なのネ。

瑠衣代 ルン

なんでも特定のメニューを注文すれば奥のアジトに通してくれるとかなのサ…。

瑠衣代 ルン

泥棒には興味ないけど面白そうだから見てみたいなのネ。

建物の扉を見つめながら ブツブツと独り言を呟き ルンが扉の前に向かおうとした時

瑠衣代 ルン

おっと!

吹雨希 悠穂

うわ!

同じく店に入ろうとした 少年にぶつかりそうになり お互いに身をかわす。

瑠衣代 ルン

ごめんなのサ。

吹雨希 悠穂

いやいや、こっちこそごめんよ。

瑠衣代 ルン

この店に入るなのネ?
それならお先にどうぞなのネ。

吹雨希 悠穂

あ、悪いね。
それじゃお先に。

少年が店の中に入ったのを 見送った後にルンも入店する。

カランコロン…

瑠衣代 ルン

お邪魔するなのネ〜。

燕 玲奈

いらっしゃい。

笹原 惠

いらっしゃいませ〜。

燕 玲奈

今日はよく客が来る日だな…。

瑠衣代 ルン

おや?そこにいるのは水無月課長なのネ。

水無月 迅

む?瑠衣代か、お前も真琴から聞いて来てのか?

瑠衣代 ルン

いやー、ボクはせっかくの休みだから都市伝説のお店に来てみようかと思ったのネ。

水無月 迅

都市伝説?

燕 玲奈

悠穂、注文は?

吹雨希 悠穂

えーっと、「獄炎土鍋ラーメン肉マシ野菜マシ一味マシマシ花椒山盛り致死量盛り」一つ。

笹原 惠

…!

燕 玲奈

食い切れるのか?

吹雨希 悠穂

もちろん!

笹原 惠

悠穂さん、それ…。

燕 玲奈

恵、用意するぞ。

水無月 迅

そ、そんなメニューもあるのか…。

瑠衣代 ルン

ふふふ、水無月課長それは違うなのネ。

水無月 迅

どう言う事だ?

瑠衣代 ルン

さっき言った都市伝説なのネ。
この喫茶店はとある怪盗団のアジトらしく特別なら注文もすれば誰でもそこに通してもらえるそうなのネ。

ルンのその言葉に アルバイトの少女と カウンターに座った少年が ピクリと反応する。

水無月 迅

そんなバカな…。

瑠衣代 ルン

きっとあの少年もボクと同じでそのアジトが見たくてやってきた客と見るなのネ。
でも、注文を間違えているのネ!

燕 玲奈

どっからそんな変な噂が出回ったんだか…。
まぁそんなバカ話を信じて客が増えてくれるのは店としては嬉しいがな。

燕 玲奈

ほら、ガトーショコラとおすすめのブレンドだ。

水無月 迅

おぉ、美味しそうだ。
コーヒーの香りもすごくいい。

瑠衣代 ルン

まぁ信じてくれないのなら別にいいのネ。
えーっと、ボクは「獄炎土鍋ラーメン肉マシ野菜マシ一味山盛り花椒マシマシ致死量盛り」一つなのネ。

燕 玲奈

…、食い切れるのか?

瑠衣代 ルン

問題無しなのネ。

笹原 惠

…。

アルバイトの少女が一瞬だけ ルンを可哀想な目で見た様な気がする。

水無月 迅

大丈夫なのか…?

瑠衣代 ルン

ふふふ、まぁ見てて欲しいなのネ。

吹雨希 悠穂

え、ちょっと待って…あの人…俺頼んだものと微妙に違う…。
もし…あっちが正解なら…。
そういや…恵の奴、さっき何か微妙な反応を…。

カウンターに座った少年は 頭を抱えて何やらブツブツと呟き どんどん青ざめた表情になり ガタガタと震えている。

燕 玲奈

さて、待たせたな。
しっかり食い切ってもらおうか。

カウンターの奥の調理場から 防護マスクを着け 両手で直径30cmほどの土鍋を持った 玲奈がやってくる。

吹雨希 悠穂

(やばいやばいやばい…、神様どうかあれが向こうの人のでありますように!!)

瑠衣代 ルン

(ま、マジで出てくるのネ…、でもこれは先に頼んだ向こうの少年のなのネ…多分…。)

燕 玲奈

水無月さんだったか?
悪いがそこにいると色々ひどい事になると思うから窓際のテーブル席に移動することをお勧めする。

水無月 迅

あ、あぁ…。

迅が移動したのを確認すると 玲奈はルンの目の前に持っていた 土鍋を置く。

瑠衣代 ルン

な…。

燕 玲奈

食い切れるんだろ?

土鍋の中はグツグツと煮えたぎる 燃え盛るような真っ赤なスープと 溢れ出しそうなほどの麺 鍋の中を覆い隠すほどのキャベツともやし 極厚チャーシュー そして、こんもりと盛られた一味唐辛子と 花椒が混ぜられた粉が盛られている。

水無月 迅

人が食べていいものではない気がするが…。

瑠衣代 ルン

…。

ルンは目の前の物体に驚き 言葉を失っている。

吹雨希 悠穂

っしゃ!俺の方が正解だな!

小さな声と動作で悠穂が 喜びを表しているが…。

笹原 惠

お、っとと…。

恵が奥から同じような土鍋を ふらふらと持ってやってくる。

笹原 惠

はい、悠穂さん。
お待たせしました…。

その土鍋は悠穂の目の前に ゆっくりと置かれた。

吹雨希 悠穂

へ?え?あれー?

笹原 惠

食べ切れるんですよね?

吹雨希 悠穂

え?え?あれー?

燕 玲奈

お前ら残したら罰金だからな。

瑠衣代 ルン

えぇ…。

吹雨希 悠穂

えぇ…。

ルンと悠穂は2人揃って 自分の目の前の土鍋と 相手の目の前の土鍋を 交互に見ている。

その後彼らが完食できたかは また別のお話…。

…To be continued ?

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