水無月 迅の休日
Cafe 猫の耳
寂れた商店街の一画にある 少しお洒落な喫茶店
風変わりな女店主と 何名かのアルバイトが働いている。
カランコロン… そんな店に来客を告げる ベルの音が鳴り響く。
その音を聞き付け奥の調理場から 頭にハムスターを乗せた少女が 顔を覗かせる。
笹原 惠
カウンターへどうぞ。
水無月 迅
笹原 惠
ご注文は後ほどでよろしいですか?
水無月 迅
1人のようだが、もしや?
笹原 惠
オーナーは今外出してまして、そろそろ戻ると思います。
水無月 迅
笹原 惠
水無月 迅
笹原 惠
水無月 迅
笹原 惠
以前テレビで見たのでもしかしてと思いまして。
水無月 迅
笹原 惠
水無月 迅
笹原 惠
なんと言いますか先輩と言いますか元同僚と言いますか…。
水無月 迅
笹原 惠
少女がまずいことを言ったと その場を濁そうと少し慌てている時
マフィン
水無月 迅
笹原 惠
自身の主人を気遣ってか 恵の頭の上のハムスターが鳴き声を上げた
水無月 迅
よく出来た飾り物かと思っていた…。
笹原 惠
水無月 迅
カランコロン… 2人の会話が途切れたタイミングで 入り口のドアが開く。
燕 玲奈
笹原 惠
お客さんがお待ちですよ。
燕 玲奈
新聞ならもう取ってるし保険も入ってるぞ。
笹原 惠
燕 玲奈
水無月 迅
水無月 迅
燕 玲奈
燕 玲奈
お待たせしたみたいですまなかったね。
水無月 迅
さっそく本題なのだが。
燕 玲奈
茶会の食事の注文だったな。
水無月 迅
10人前ぐらいの食事とデザートをお願いしたい。
燕 玲奈
アレルギーや嫌いな物とかあれば聞いておく。
水無月 迅
できれば何かインパクトのある面白みのあるものがあると嬉しいが。
燕 玲奈
笹原 惠
燕 玲奈
笹原 惠
水無月 迅
燕 玲奈
心配しなくても味は保証する。
水無月 迅
なら、よろしく頼む。
燕 玲奈
電話で済む話をわざわざ店にまで来たって事は下調べのつもりもあったんだろ?
燕 玲奈
水無月 迅
瑠衣代 ルンの休日
同時刻 Cafe 猫の耳 玄関前
瑠衣代 ルン
瑠衣代 ルン
瑠衣代 ルン
瑠衣代 ルン
建物の扉を見つめながら ブツブツと独り言を呟き ルンが扉の前に向かおうとした時
瑠衣代 ルン
吹雨希 悠穂
同じく店に入ろうとした 少年にぶつかりそうになり お互いに身をかわす。
瑠衣代 ルン
吹雨希 悠穂
瑠衣代 ルン
それならお先にどうぞなのネ。
吹雨希 悠穂
それじゃお先に。
少年が店の中に入ったのを 見送った後にルンも入店する。
カランコロン…
瑠衣代 ルン
燕 玲奈
笹原 惠
燕 玲奈
瑠衣代 ルン
水無月 迅
瑠衣代 ルン
水無月 迅
燕 玲奈
吹雨希 悠穂
笹原 惠
燕 玲奈
吹雨希 悠穂
笹原 惠
燕 玲奈
水無月 迅
瑠衣代 ルン
水無月 迅
瑠衣代 ルン
この喫茶店はとある怪盗団のアジトらしく特別なら注文もすれば誰でもそこに通してもらえるそうなのネ。
ルンのその言葉に アルバイトの少女と カウンターに座った少年が ピクリと反応する。
水無月 迅
瑠衣代 ルン
でも、注文を間違えているのネ!
燕 玲奈
まぁそんなバカ話を信じて客が増えてくれるのは店としては嬉しいがな。
燕 玲奈
水無月 迅
コーヒーの香りもすごくいい。
瑠衣代 ルン
えーっと、ボクは「獄炎土鍋ラーメン肉マシ野菜マシ一味山盛り花椒マシマシ致死量盛り」一つなのネ。
燕 玲奈
瑠衣代 ルン
笹原 惠
アルバイトの少女が一瞬だけ ルンを可哀想な目で見た様な気がする。
水無月 迅
瑠衣代 ルン
吹雨希 悠穂
もし…あっちが正解なら…。
そういや…恵の奴、さっき何か微妙な反応を…。
カウンターに座った少年は 頭を抱えて何やらブツブツと呟き どんどん青ざめた表情になり ガタガタと震えている。
燕 玲奈
しっかり食い切ってもらおうか。
カウンターの奥の調理場から 防護マスクを着け 両手で直径30cmほどの土鍋を持った 玲奈がやってくる。
吹雨希 悠穂
瑠衣代 ルン
燕 玲奈
悪いがそこにいると色々ひどい事になると思うから窓際のテーブル席に移動することをお勧めする。
水無月 迅
迅が移動したのを確認すると 玲奈はルンの目の前に持っていた 土鍋を置く。
瑠衣代 ルン
燕 玲奈
土鍋の中はグツグツと煮えたぎる 燃え盛るような真っ赤なスープと 溢れ出しそうなほどの麺 鍋の中を覆い隠すほどのキャベツともやし 極厚チャーシュー そして、こんもりと盛られた一味唐辛子と 花椒が混ぜられた粉が盛られている。
水無月 迅
瑠衣代 ルン
ルンは目の前の物体に驚き 言葉を失っている。
吹雨希 悠穂
小さな声と動作で悠穂が 喜びを表しているが…。
笹原 惠
恵が奥から同じような土鍋を ふらふらと持ってやってくる。
笹原 惠
お待たせしました…。
その土鍋は悠穂の目の前に ゆっくりと置かれた。
吹雨希 悠穂
笹原 惠
吹雨希 悠穂
燕 玲奈
瑠衣代 ルン
吹雨希 悠穂
ルンと悠穂は2人揃って 自分の目の前の土鍋と 相手の目の前の土鍋を 交互に見ている。
その後彼らが完食できたかは また別のお話…。
…To be continued ?