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深澤辰哉

っく…あぁ…

おっさんみたいな声を出してソファーに座って思い切り伸びをする

康二に会った

でも、自分の感情を抑えられず康二に対して声を荒らげてしまった

冷静になって反省してるけど、あの時は諦めたような康二にムカついた

深澤辰哉

くっそ…なんなんだよ…あいつ

スマホが通知を知らせた

見ると、グループラインで佐久間が何かメッセージを送ったようだ

ラインを開く

佐久間大介

おいふっか!お前康二のこと報告してくれるんじゃなかったのかよ!

ラウール

そうじゃん!岩本くんも阿部ちゃんも仕事あるからふっかさんが報告するんじゃん!

目黒蓮

早くして

目黒蓮

すぐ仕事行かなきゃ

佐久間大介

おいふっかー!見てんだろ?

佐久間大介

既読無視すんなよ!!

深澤辰哉

ごめんごめん!

深澤辰哉

なんかね、康二俺らに来て欲しくないみたい

宮舘涼太

それは岩本から聞いた

渡辺翔太

お前いたのかよ

佐久間大介

お前もだよ

目黒蓮

理由は?

深澤辰哉

嫌になったんだって

ラウール

どゆこと?

深澤辰哉

康二は、もう自力では立てない

佐久間大介

まじで?

目黒蓮

そんなに?

深澤辰哉

うん

深澤辰哉

立とうとしてたけど足バタバタさせるだけだった

深澤辰哉

もう、立てない自分が嫌で、元気な俺らが羨ましいから

深澤辰哉

嫌なんだって

目黒蓮

そっか

深澤辰哉

俺の事なんもわかんないくせに口出しすんなって言われちった

宮舘涼太

康二は、それほどに追い詰められてるんだね

阿部亮平

そんな感じだった

ラウール

え、仕事終わったの?

阿部亮平

空き時間

阿部亮平

なんか盛り上がってるみたいだから

佐久間大介

で、どうする?

渡辺翔太

康二が、今抱えてるものを取り除く

ラウール

それができなくて困ってるんでしょ

佐久間大介

ま、とりあえず話すしかねぇよな

目黒蓮

俺行ってみる

宮舘涼太

俺も行く

深澤辰哉

まじで?

深澤辰哉

気をつけてね

深澤辰哉

あいつ、今ピリピリしてっから

目黒蓮

気をつける

スマホを脇に置き俺は目を閉じた

瞼の裏に浮かぶのは今日の康二

さっき置いたスマホをまた持ち、アルバムを開く

何回も眺めた写真を見る

他愛ない話で爆笑してる康二

深澤辰哉

…また、戻れたらいいな

いや、戻らせる

力づくでも、取り戻す

向井康二

っ…げほっごほっ……

ギュッと眉間に皺を寄せ、咳をする

最近、咳が多くなってきた

どんどん体が弱っていく

医者

失礼します

医者

調子はどうですか?

向井康二

段々…体が弱くなっている気がして…

医者

声も出づらそうですね

向井康二

…はい

医者

起き上がれますか?

小さく頷き、体を起こす

医者

向井さん、

向井康二

はい…?

医者

手術、しませんか?

向井康二

…え

"手術"

これは、しないつもりやった

この場所で、生涯を終える予定やった

向井康二

…おれ…は、手術…しません

医者

…でも、苦しいですよね?

医者

元気な姿で戻ってくるの、ファンは心待ちにしてますよ

向井康二

俺は…もう…戻る資格なんて…ない…から…

医者

なんでですか?

向井康二

みんなに…酷いこと…言った…し、した…から

医者

大丈夫ですよ

先生は優しい顔で肩に手を置く

医者

みなさん、優しいですから

医者

きっと今も、待ち続けてますよ

医者

向井さんが、明るい笑顔で幸せそうにしている未来を

…そんな未来、来るんやろか

医者

きっと、大丈夫

医者

一緒に、頑張りましょう

医者

ね?

向井康二

俺、は…

向井康二

やりたく…ない…です

どうしても、戻れる勇気がなかった

医者

…分かりました

医者

患者さんの気持ちに寄り添うのが、私たちの役割ですから

そう言って先生は部屋を出ていった

向井康二

手術…

ベッドに寝転がり、真っ白な天井を見つめる

手術は、成功する確率が低いらしい

先生は言わんかったけどちゃんと調べた

それなら、このまま、病気に蝕まれて死ぬほうがマシなんやないか

手術で苦しむより、いいんのちゃうか

でも、どちらも苦しいのには変わりない

決断が出来ないまま、時間だけが過ぎていった

ある日

前日まで俺は熱を出していた

昨日までの苦しさが嘘のように今日は体が軽い

向井康二

もしかしたら、死んどんのかもな笑

マネージャー

いやいや、冗談言わないでくださいよ

向井康二

ははっ笑そうやな

マネージャー

今日は、お見舞いに来たんですよ

向井康二

え?分かっとるけど

急にマネージャーがそんなことを言うもんだから自分の事を言っているのだと思って間抜けな声を出す

マネージャー

いやいや、私のことじゃないです

その言葉を聞いて、全身がゾクッとした

まさか、みんなが…?

いや、でも…

最近来ないなと思ってたから、もう来ないかと思ってたんに…

目黒蓮

お、元気そうじゃん

宮舘涼太

ん、そうだね

向井康二

…なんで来んの

警戒心を全面に押し出し2人を、いや、マネージャーを含めた3人を睨む

目黒蓮

こっわ笑そんな顔すんなよ笑

向井康二

…なんで来てんのって聞いてんの

宮舘涼太

そりゃあ、康二の悩みを聞くためでしょ

またそれ

心の中でため息をつく

もう、ええから

この2人なら俺が揺らぐとでも思ったんかな

俺、そんな甘くないで

相手が誰だろうか俺は邪魔をしようとする人はとことん拒絶する

目黒蓮

康二、手術受けろ

向井康二

なんやそれ、脅迫?

目黒蓮

それはこっちのセリフだけど

宮舘涼太

みんな待ってんのに、何、手術も受けないの?

宮舘涼太

推しが死ぬから推し変しろって言ってる?

やめて欲しい

ここで、ファンの子を引き合いに出すのは

向井康二

ずるい…

目黒蓮

ずるいのはお前だよ

目黒蓮

何でも、自分の思い通りに行くとでも思うなよ

目黒蓮

ずっと逃げてばっかで

目黒蓮

ずるいんだよ

宮舘涼太

心配しなくていい?

宮舘涼太

余計なお世話?

宮舘涼太

そんな本心でもないこと、言うもんじゃないよ

宮舘涼太

強がって、でも泣いて、結局俺らが悪いって言って

宮舘涼太

ズルすぎるよ、康二

向井康二

…うるさい

向井康二

うるさい!

向井康二

俺の事、なんにもわかんないくせに口出しせんで!!

目黒蓮

わかんねぇよ!康二のことなんか、わかんねぇよ!

目黒蓮

でも、心配は、してもいいだろ

目黒蓮

お前だってメンバーの誰かが倒れて、もう来なくていい、余計なお世話、心配すんなって言われても心配するだろ

目黒蓮

そういうもんなんだよ

宮舘涼太

ダメって言われたらやりたくなっちゃう人間の性質だよね

目黒蓮

だから、頼れ

目黒蓮

俺ら全員じゃなくていいから

目黒蓮

誰か一人でいいから

目黒蓮

頼れ

宮舘涼太

ちょっと話すだけでも、軽くなるよ?

宮舘涼太

考えてみてね

2人は俺に背を向けて帰って行った

"頼れ"

2人の言葉は力強くて、俺の心にグサリと刺さった

少しだけ、思った

少しだけ、

向井康二

頼ってみても、ええかな、
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コメント

2

ユーザー

やっぱりめめだては違うね感情に任せてだけじゃなくてちゃんと芯のあること言うわ笑😆 やっとこーじくんみんなのこと頼る気になったかな? 続き楽しみにしています🥹😆☺️

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