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愛が重いよ、金満君。

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愛が重いよ、金満君。

18 - 現代の羽衣伝説【前編】

♥

49

2025年01月27日

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PM21:00 学校 玄関前

絵馬 海龍

おっし、全員揃ったな。

善光 優斗

お盆が過ぎても、まだまだ蒸し暑い真夏の夜。僕ら動画投稿部は、ホラー企画の動画を撮りに夜の高校へやって来た。

木生 葉

なんか夜ってテンション上がるわー。

善光 優斗

珍しく乗り気な木生君。

絵馬 海龍

夏といえばやっぱホラーよ。こぉーれは数字が期待出来ますなぁ。イッヒッヒッヒッヒッ…。

善光 優斗

いつものように数字を気にしている絵馬君。

金満 潤

ゆうゆ、じゅんくん怖い。ちん◯んにぎにぎしてぇ。

善光 優斗

もう既に出て来ている化け物。

銭場 守

……。

善光 優斗

泡吹いて白目むいてる銭場君。

善光 優斗

そして塩顔イケメンの僕を含めた愉快な仲間たち5人で、夜の高校にやって来たのだ。

善光 優斗

「ところでさ、先生に許可取ってきてくれたんだよね?」

絵馬 海龍

あぁ、それなら…

善光 優斗

絵馬君がポケットから折りたたんだ紙を取り出すと、僕らに見えるように広げた。

善光 優斗

「絵馬君、これは…地図?」

絵馬 海龍

そ。それに校内の防犯カメラがあるところと、センサーがある箇所に印付けてん。

善光 優斗

「……。」

木生 葉

おい許可は?

絵馬 海龍

取れるわけないやん。だからオレが頑張って、カメラとかセンサーのある場所探して、メモってきたってことよ。

善光 優斗

「…ほう、なるほど…。つまり…絵馬君は、僕らに何をさせたいのかな。」

絵馬 海龍

察しろやそんくらい。バレんように侵入してバレんように動画撮るんや。

善光 優斗

うっわ最悪。ちょっと肝試し程度で楽しみにしてた僕が馬鹿だった。

木生 葉

チッ。帰んぞ。こんなんバレたら警察沙汰なるに決まってんだろ。そこまでリスク背負ってやってられっか。

銭場 守

帰んの⁈っしゃぁあ‼︎

善光 優斗

「そうだね、流石にこれはちょっと…昔ならともかく今の現代社会でやるとシャレになんないからね。」

絵馬 海龍

えっ?何みんな。チキってんの⁈チキっちゃってんの⁈‼︎えぇ⁇高校生にもなって、幽霊とか信じちゃってんの⁈

木生 葉

ちげーよ話の流れからわかれよ【-規制済み-】。

善光 優斗

「幽霊じゃなくて司法を恐れてる。」

銭場 守

バッカ幽霊vs人間なんて幽霊が勝つに決まってんだろ。人間の攻撃無効にすんだから。

木生 葉

一人マジで幽霊にチキってる奴いたわ。

絵馬 海龍

えーーー、帰んの?せっかくオレこんだけ頑張ったんやで?それやのに、お前らなんなん?KY?

木生 葉

お前にだけはKYって言われたくないわ。

絵馬 海龍

えーーー…。

善光 優斗

絵馬君が不貞腐れ、帰る雰囲気になっているところ、金満君だけが絵馬君が持って来た紙を手に取って眺め、何か考えているようだ。

善光 優斗

「どうしたの?金満君。」

金満 潤

んー…。この学校、外にはセキュリティ何も無いのか?ほらここ。

善光 優斗

金満君が指を指したところを見ると、あっ本当だ。外には印が一つも付いてない。

善光 優斗

「本当だ。ねぇ絵馬君。この学校って外にセキュリティ無いの?」

絵馬 海龍

えっ?あー、ホンマや。言われて気付いたわ。あっ!けど校門にはあんで!

金満 潤

校門以外は100%無いのか?それともお前の記入漏れか?

絵馬 海龍

いや、それは無い。校門に印付けてないのは別んとこから入るつもりやったからやし。外にもカメラとかあるんやったらちゃんとメモってるはずやし。

木生 葉

本当かよ…。いまいち信用出来ねぇな。

絵馬 海龍

ホンマやって!これは信じて欲しい‼︎この企画の為にオレめちゃクソ頑張ったんやで?警備員のおっちゃんと仲良くなってセンサーの位置とかカメラの場所聞いたりしてさぁ。

金満 潤

ふーん、まぁいい。今回の俺の目的に関係無いからな。

善光 優斗

「目的?」

金満 潤

俺の最終目標は優斗と夜のプールで着衣水泳することだ。だから校舎内に入らなくてもいい。肝試しはおまけ程度に考えてたからな。

木生 葉

キッショ。

善光 優斗

「入らないよ。濡れたくないもん。」

金満 潤

大丈夫だ。帰りは車を用意してやる。今日は俺の家に泊まりなさい。風呂も着替えも用意してある。…もちろん、『アッチ』の準備もな…フッフッフッ、グウェッヘッヘッ‼︎

善光 優斗

「今日僕銭場君の家泊まるからいい。下着とかも銭場君の貰うし。」

銭場 守

新品の下着、後で買い取れよ。

善光 優斗

「りょ。」

金満 潤

またお前かぁぁぁ‼︎‼︎銭ゲバ‼︎いっつもいっつもいっつも!俺と優斗の邪魔しやがって‼︎お前が余計な事するせいで、優斗が俺に甘えられないんだ‼︎鬱陶しいんだこのウ◯コ‼︎ウ◯コが俺達に近づくな!便所で流れてろウ◯コ‼︎

銭場 守

俺なんでこんな小4レベルの悪口言われなきゃなんねぇんだよ。

木生 葉

ウ◯コマンじゃん。

絵馬 海龍

…はっ!おれ閃いた…!

金満 潤

校舎内入らずセキュリティの無い中庭やグラウンドだけ見に行く。だろ?俺が先に思いついてたんだ。な?どうだ優斗。俺すごいだろ。

善光 優斗

「濡れた。」

金満 潤

……っ⁉︎

絵馬 海龍

なんでやねーん。なんで先言うねーん。

木生 葉

ほぼ金満の奴アンサー出してただろ。閃いてねぇよ調子乗んなクソメガネ。

銭場 守

えー、もう入らねぇ流れだったじゃん。帰ろうぜ。別にお前らが呪い殺されようが、祟り受けようが別に何とも思わねぇけど、その矛先が俺に向くのやだよ。

金満 潤

おう、帰れ帰れ。ついでにそこの小汚い仲間の猿二匹、ちゃんと連れて帰れよ。さ、ゆーと。一緒に着衣水泳しような。

善光 優斗

「やだ。」

絵馬 海龍

銭場、逆に今帰って大丈夫なん?

銭場 守

は?なんで?

絵馬 海龍

だってこういうのお約束やん。

絵馬 海龍

『こんな連中といられっか!オレぁ、一人になる!』って言った奴って、最初に死ぬのがお約束やん。

善光 優斗

「んまぁ確かに。」

銭場 守

……。

銭場 守

…なんでそんな怖いこと言うん……?

絵馬 海龍

オレら四人はもう行く予定やけど、あとはお前だけや。どないすんねん。行くんか?一人で帰んのか?

銭場 守

…善光。

善光 優斗

「銭場君帰るなら僕も帰るよ。銭場君とセ◯クスしたいしさぁ。」

金満 潤

させるわけないだろ。優斗は帰らせない。俺と一緒に着衣水泳からのプールでセ◯クスの流れに決まってんだろ。

木生 葉

おれも、マジでカメラとか無いなら行くわ。面白そうだし。

絵馬 海龍

やって。さぁ、どないしはりますかぁ?銭場さぁん?

銭場 守

…だぁぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎‼︎わがっだぁ…俺も行くわ…はぁ…。

絵馬 海龍

っしゃあ決まりや‼︎行くぞお前ら!オレに着いて来い‼︎

木生 葉

うぃーす。

プール

金満 潤

優斗と〜♪着衣〜水泳〜♪

金満 潤

濡れた〜服に〜♪
ぷっくり浮き上がる二つの〜つぼみ〜♪

金満 潤

服は張り付き〜体の〜ラインを〜際立たせる〜♪

金満 潤

お腹に〜小さな〜くぼみ〜♪そこは〜優斗のおへちょの〜場所〜♪

金満 潤

濡れた〜濡れた〜着衣水泳〜♪思わずあそこも〜濡れちゃった…♪

木生 葉

誰か殺せよこいつ。

善光 優斗

金満君が着衣水泳着衣水泳やかましいから、まず早速プールにやって来た。冬場の汚いプールと違い、まだ夏のプールは、青い底が見えるほど透明な水は、月明かりがあたり、水面がキラキラしてとても綺麗だ。

善光 優斗

そしてその神秘的な雰囲気を簡単にぶち壊す金満君の滅びの歌。

善光 優斗

そんなに着衣水泳したいなら、今すぐ突き落としてやろうかとウズウズしてる。

金満 潤

さっ、優斗入るぞ〜。

善光 優斗

「金満君だけ入んなよ。」

銭場 守

……。

木生 葉

まだ何も起こってねぇだろ。何で銭場の奴もう白目剥いてんだよ。

絵馬 海龍

誰か血糊とか赤い絵の具持ってへん?ちょっとプールに流してさ、血っぽくしたらバズるんちゃう?

木生 葉

持ってねぇよ、んなもん。

善光 優斗

ぐいぐいと引っ張ってくる性欲バカ猿からなんとか抵抗する。

金満 潤

濡れた〜髪〜♪手でとかす〜♪いつも気にしない君の横顔〜♪僕が〜君のハートも溶かす〜♪ついでにケツマ◯コもほぐす〜♪

善光 優斗

「イケボのくせにそんな悪魔が作った曲みたいなの歌わないで…!」

ラ〜♪ララ〜♪ラララ〜♪

絵馬 海龍

気が利かへん連中よな。なんで誰一人ホラーグッズとか持ってこないかね。

木生 葉

は?じゃあテメェが持って来たらいい話だろうがカス。人のせいにしてんじゃねぇよボケ。

ララ〜♪ラ〜〜♪ララララ〜♪

金満 潤

もっと〜奥に♪もっと〜奥に♪あなたを感じたくて♪あなたが欲しくて♪もう私の準備は出来てるの♪早く♪早く♪あなたの欲を私に出して〜♪あなたの熱を解き放って〜♪あなたの色に染めて〜♪真っ白に染めあげて〜♪

善光 優斗

「いやだ〜♪やめて〜♪チン◯押し当てないで〜♪離して〜♪」

ラ〜〜♪ララ〜〜♪ララ〜ラ〜♪

銭場 守

……なぁ。

善光 優斗

ずっと無言だった銭場君が珍しく喋った。思わず絵馬君も木生君もレスバ中の口を止め、銭場君の方を見る。僕も未だにぐいぐい来る金満君の頭を引っ叩くと、銭場君の方を見た。

銭場 守

…なんか、その…

木生 葉

なんだよ、もっとデカい声で言えよ。

善光 優斗

しどろもどろな銭場君。彼らしくないな。何か言いにくい事だろうか。

銭場 守

…なんか…誰か、歌ってね?

善光 優斗

歌…?金満君の滅びの歌の事か…?

木生 葉

金満の呪いの歌だろ?まともに聞くなよ。頭おかしくなるから。

銭場 守

違ぇって!ちょっと耳、すませてみ?

善光 優斗

銭場君の真剣そうな言葉に、僕らは呼吸を止めて、耳をすませた。

「ララ〜〜♪ララ〜♪」

善光 優斗

「っ‼︎‼︎」

銭場 守

聞こえただろ‼︎聞こえただろ‼︎

木生 葉

え、ちょ、え、えぇ?

絵馬 海龍

うっわマジやんけ‼︎ちょカメラ!動画‼︎

善光 優斗

本当だ!本当に聞こえる‼︎小さいけど、よく響く透き通ったような歌声が聞こえる‼︎

善光 優斗

「ね、ねぇ金満君
⁈こ、この声って…!」

善光 優斗

僕らがパニックになる中、一人澄ました顔でいる金満君に、僕は声をかけた。冷静な意見が聞きたかったんだ。

金満 潤

金満潤、ファーストアルバム。【愛祭歌】収録曲。

善光 優斗

あぁもうこいつに冷静もクソもねぇわ。

善光 優斗

「違うよ!さっきからララ〜♪て聞こえるじゃん!」

金満 潤

あぁ、それなら…

善光 優斗

金満君はそう言って、プールの真ん中を指差す。僕も指差した先を見てみるが、そこにはゆらゆらと揺れる水面があるだけだ。

善光 優斗

「…ん?何も見えないけど…」

金満 潤

優斗、よく見てみるんだ。あそこの水面だけ動きがおかしいだろ。

善光 優斗

金満君に言われ、僕はもっと目を凝らして見てみた。すると、本当に金満君の言う通り、おかしな水面がある!

善光 優斗

「何あれ⁈何あれ⁈」

善光 優斗

怖くなって金満君に抱きつくと、金満君もぎゅっと抱きしめて返してくれた。金満君のたくましい腕が心強い。こういう時は頼りになるな。

金満 潤

あそこの部分だけ水が避けているみたいだな。透明人間でもいるんじゃないか?

善光 優斗

「と、透明人間⁈そんなのが本当に…?」

金満 潤

優斗この前悪魔と会っただろ。似たようなもんだ。

善光 優斗

「あっ、んまぁ言われて見れば…じゃあ透明人間もいるかぁ。」

金満 潤

おい。プールにいるそこの奴。3秒以内にプールから上がって俺の前に来い。さもないと、お前の体にダンゴムシのタトゥーいれるぞ。

善光 優斗

金満君が独特な脅しを透明人間にした。すると水が、やはりそこに何かいるように波が動いて、僕らの方へとやって来る。

善光 優斗

「か、金満君…」

金満 潤

大丈夫。大丈夫だ優斗。俺がついてるからな。

善光 優斗

やがて僕らの近くまで泳いで?くると、ちゃぷんと小さな音を立ててプールから上がったようだ。

金満 潤

3秒以上かかったがまぁいい。何者だお前。

善光 優斗

金満君がそこに立っているであろう透明人間に声をかけるが、僕にはまだ見えない。だが、滴り落ちてできた水の後が、そこには見えない誰かが確実にいる事を証明している。

善光 優斗

そしてその透明人間が、金満君の問いに応えるように、月の光をカーテンのようにまとって、その神秘的な姿を現した。

善光 優斗

「うわぁ…‼︎」

善光 優斗

ゆっくりと色付いていく透明人間。肌はきめ細かくてとっても柔らかそうだ。濡れた黒い髪は妖艶な雰囲気を醸し出して、極め付けはあの顔。淡い桃色の唇に、黒曜石のような美しさの瞳。びっくりして声が漏れてしまうほどだ。

善光 優斗

驚いた。金満君も人間離れした美しさがあるし、美形は金満君で慣れているつもりだった。けど違った。金満君は野郎だから、かっこいいなぁ。ぐらいしか感想が浮かばないが、こんっな綺麗な美女目にすると、人って感動するんだなぁ。

木生 葉

っ……!すっげぇ…!

絵馬 海龍

エッッッッッッッッ‼︎‼︎

善光 優斗

こんなに美しい女の人を前にすると、人間性欲って失せるんだな。ただ、ただこの人に従いたい…。この人の為なら自己犠牲もやぶさかでは…

絵馬 海龍

エッッッッロ‼︎‼︎全裸やんけ‼︎痴女だ!痴女だ‼︎

木生 葉

おっほっほ!乳でっか‼︎

善光 優斗

もーーー、なーーんでどいつもこいつも雰囲気ぶち壊すんだよ。僕今この女の人の美しさに感動してたのに。こいつらに美しい物を見て癒されるとか、楽しむとかそういうのはねぇのか?

???

…初めまして。

善光 優斗

鈴のようなよく通る声に、はしゃいでいた僕らは思わず静かになった。

???

地と共に生きる民よ。

ヤハタノヒメ

私の名前は【ヤハタノヒメ】と申します。

ヤハタノヒメ

地上にとても美しい泉があると聞き、この泉に天より参りました。

善光 優斗

波一つたってない水溜まりに、ぽちょんと一滴の雫が落ちたような美しい声だ。その口から紡がれる言葉たちは…

木生 葉

言うほど泉か?これ。

善光 優斗

「いやまぁ、ちょっと思ったけどさぁ…。」

善光 優斗

クソッ。せっかく美しい物を愛でて良い気分になっているのに…。

絵馬 海龍

ねぇねぇお姉さん何カップ⁈

善光 優斗

「初対面で聞くなよんなこと。」

ヤハタノヒメ

かっぷ…?とはいったい何なのでしょうか…?

絵馬 海龍

え〜!えっへっへ、ならオレが、カップについてお姉さんの体に直接…

善光 優斗

「聞かなくていいです!彼頭おかしいんです‼︎聞いちゃだめです!」

ヤハタノヒメ

私に学が無くて申し訳ありません。なにぶん初めて地に降りたもので…。

善光 優斗

そう言って少し目を伏せて話す仕草も、絵になる美しさだ。

金満 潤

……なんだお前。天女か。

ヤハタノヒメ

はい。先ほどは姿を見せずに申し訳ありません。しかし、昔姿を見られた天女と人間の間で問題が起きたため、姿を隠してこの地に降りました。

善光 優斗

天女…⁈すごい神様だ…‼︎神様なら、その美しさも当然か。

絵馬 海龍

姿隠してたわりには歌歌ったりするんやな。

ヤハタノヒメ

はい。地上で聴く初めての素晴らしい歌に、思わず口ずさんでしまいました。

木生 葉

初めて聴く曲があれって…地上の不名誉すぎるだろ。もっとマシなの聴いて欲しいわ。

善光 優斗

それは僕も同感。

金満 潤

…そうか。なら俺に見つかったんだ。とっとと天にでも帰れ。

善光 優斗

「ちょっ、金満君そんな言い方…」

金満 潤

黙れ。

善光 優斗

「えっ…」

金満 潤

優斗…さっきから不愉快だ…。

金満 潤

お前はさっきからこの女にっ‼︎ずっと俺が嫌いな顔をして見ていたっっ‼︎

金満 潤

なんで俺以外にそんな表情するんだ‼︎
なんで俺以外にそんな目で見るんだっ‼︎

金満 潤

それは俺のだろっ‼︎俺が向けられるべき物なんだっ‼︎‼︎

金満 潤

俺の方が優斗の事好きなのに!俺の方が先なのに!なんでこんなポッとでのクソ女に向けるんだ⁈女だからか⁈

金満 潤

女なんか穴しか無いだろっ‼︎俺は穴も棒も持っている‼︎絶っっっっっ対俺の方がいい‼︎

金満 潤

それにぃ!俺の方が可愛いし美しいだろぉぉぉ‼︎‼︎

金満 潤

俺の方が好きって言え‼︎俺の方が可愛いって言えっ‼︎

金満 潤

「潤くぅん…。優斗のふわふわケツマ◯コに極太カリデカ黒チ◯コ挿れてぇ…。」って言えっっ‼︎‼︎

善光 優斗

「金満君ごめん。本っ当ごめん。後でいっぱい言ってあげるから。ちょっと黙ってて。」

木生 葉

また発作か。

金満 潤

やだぁぁ‼︎今言うの‼︎今!今ぁっ‼︎

善光 優斗

「金満君ごめんね。大好きだから、ね。金満君可愛い。おめめクリクリで可愛いね。金満君、ほら、むぎゅー!」

金満 潤

むぎゅー‼︎むぎゅー‼︎

善光 優斗

「よしよし金満君、いい子いい子…。」

木生 葉

そいつのどこがおめめクリクリなんだよ。5、6人は殺してる目つきだろ、そいつ。

善光 優斗

「すみません。お見苦しいとこ見せちゃって…。彼、見た目は高校生なんですけど、中身は小一以下なんです。逆コナン的な。」

ヤハタノヒメ

いえ、お気になさらず。むしろとっても微笑ましいですわ。きっと彼、貴方の事が大好きですのね。

善光 優斗

「……いや、ん〜…まぁ、…悪い気はしませんね……はは。」

金満 潤

っ…‼︎優斗ぉおお‼︎‼︎

善光 優斗

「痛たたた、痛い。痛いよ金満君。もうちょっと手緩めて。」

絵馬 海龍

天女様っ‼︎良かったらオレと今から休憩しに行きませんか⁈オレ良い場所知ってるんですよ!そこならシャワーもお風呂もありますし、水浴びで冷えた体に丁度良いっすよ‼︎ね!そうしましょそうしましょ‼︎

木生 葉

バッカ!テメェ抜け駆けしてんじゃねぇよ‼︎

木生 葉

ねぇ、休憩するならおれの家の方がいいんじゃない?そこならおれ以外の人間に会わずに済むだろうし、家の方がリラックス出来てお互い楽っていうかぁ…素の自分、ありのままの姿になれるっていうか……良かったらうち、来ない?

絵馬 海龍

は?家連れ込むとかキモ。お前よくあの汚ったねぇ部屋に女呼べるよなぁ。この前オレ行った時カビとアンモニア臭やばかったで。少しは人間らしく生きろよ。

木生 葉

あ?テメェに関係ねぇだろ。すっこんでろチビ。もうちょい大きくなったら、エッチなお話しましょーねぇ〜〜〜‼︎ガキみたいな見た目の奴が女語ってんじゃねぇよっ!テメェはカルシウム足りてねぇんだよ!いろんな意味で‼︎

絵馬 海龍

はぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎女知らねぇのはテメェだろこの根暗がよぉっ‼︎お前中学の頃マッッッジでっ、女子全員から嫌われてたからな。気持ち悪いねんお前。家に鏡あんのけ?オレが買ってやろうかぁ⁈

木生 葉

はぁぁぁぁ⁇⁈⁈キッショ!昔の話しだすとかキッショ!キッショキッショキッショキッショ……

絵馬 海龍

キッショ‼︎キッショキッショキッショキッショキッショキッショ………

ヤハタノヒメ

えっ、あの、えっと…

善光 優斗

「あぁ、そっとしてあげてください。あぁいうふうに鳴く生き物なんです。」

ヤハタノヒメ

はぁ…地上の神秘ですね…。

善光 優斗

馬鹿二人を不思議そうに見る天女様。流石、そんな姿も絵になるな…って、

善光 優斗

そういえば天女様全裸じゃーん。美しすぎてあんま気にならなかったけど、全裸じゃーん。僕女の人の裸なんて初めて見ちゃったよ。いやけどこれはあくまで事故みたいなもんで……とにかく服着て貰おうか。

善光 優斗

「天女様っ!あの!すみません‼︎その…服を……」

善光 優斗

僕の言葉にハッと驚く天女様。そりゃ驚くよな。男子高校生5人(※1人気絶、1人人間?2人キモい、1人普通)に自分の全裸見せてるんだし。しかも僕らが無理矢理〜とかじゃ無くて天女様の方から…的な感じだしな。…この場合って向こうに非があるよな?僕らが痴漢扱いになったりしないよな?な?

ヤハタノヒメ

私としたことが…!先程からはしたない姿を晒してしまい、申し訳ありませんっ…‼︎

善光 優斗

「い、いえっ⁉︎全然全然‼︎こっちの方こそすみません!なかなか言えなくて…。」

金満 潤

早く服着ろボンクラ。

善光 優斗

「なんてこと言うのっ‼︎」

ヤハタノヒメ

失礼しましたわ!

善光 優斗

そう言うと、天女様はプールに設置されているベンチの方に向かって、何か手招きするかのような仕草をした。

善光 優斗

すると何かがふわりと浮いた!

善光 優斗

あ、あれは…着物?着物だ…!

善光 優斗

ベンチに畳まれて置かれていた着物はふわりと浮くと、天女様の方へ向かって飛んで行った。

善光 優斗

飛んでいった着物は、天女様の体にまとわりつく。

ヤハタノヒメ

ふぅ…これでよし!

善光 優斗

気がつくと、天女様はまるでマジックのように、あっという間に着物を着ていた。長く美しい黒髪も、瞬きのうちに綺麗に結われている。

ヤハタノヒメ

それでは、地上の民よ。ごきげんよう。

善光 優斗

天女様が優雅にお辞儀をすると、どこからか優しく風がふいた。その風は天女様の周りを渦を巻くと強くなり、そして天女様は…

ヤハタノヒメ

……?

善光 優斗

……?

ヤハタノヒメ

……あれ?

善光 優斗

何かあったんだろうか?今、明らかに帰る流れだったよな?今、なんかすごい風がふいて、なんか起きる流れだったよなぁ?

ヤハタノヒメ

……?あれ…?…あれ?

善光 優斗

天女様が可愛らしくその場でぴょんぴょんと跳ねても何も起きない。いつのまにか風も止んでいる。

金満 潤

何をしている。早く帰れ。

ヤハタノヒメ

わ、私もそうしたいのですが…なぜだか空に飛べないのです。ええと…ええと…あっ‼︎

善光 優斗

何かわかったんだろうか?天女様が何か気がついたかのような声を出した。

ヤハタノヒメ

羽衣!羽衣を忘れていましたわ!羽衣が無いと、空を飛べないのです‼︎

金満 潤

そんな大事な物、忘れるか普通。

善光 優斗

「金満君なんてこと言うの…。」

ヤハタノヒメ

私とした事がっ!あぁ、何度も何度も…すみません!私天界でもおっちょこちょいって言われてて…

金満 潤

自分語りはいいっ!羽衣でも何でもいいから早く帰れっ‼︎

ヤハタノヒメ

すみません!すみません‼︎ええと…あの…

ヤハタノヒメ

私の羽衣…知りませんか…?

善光 優斗

「…いやっ…えっと…知らないです…。え、無くしたんですか?」

金満 潤

お前…そんな大事な物よく無くせるな。帰りの電車代を競馬で全部溶かすくらい愚かだぞ。

善光 優斗

…ちょっとこれは、金満君の言葉を否定出来ないな。言い得て妙だもん。

ヤハタノヒメ

どうしましょう…羽衣が無いと、天へ帰れないんです…。

善光 優斗

困った様子の天女様。どうしよう、どうしようとぶつぶつ言いながら頭を抱えている。

絵馬 海龍

ひょっとして…終電逃しました?じゃあ近くのホテルで…いやっ!何もしませんよ⁈何もしないけど…まぁ…ね?

木生 葉

いやっ‼︎おれんちの方が近い!おれんちの方が近いから‼︎

善光 優斗

「やめなよ2人とも。気持ち悪いよ。」

善光 優斗

「それよりも、みんなでちょっと探してみようよ。ひょっとしたら風で飛んでいってどこかに引っ掛かってるかも知れないしさぁ。」

絵馬 海龍

おっ?なんや?一人好感度稼ぎか?キッショいのぉ。善光マジそういうとこだよ?お前の悪いとこ。

木生 葉

うっわ絵馬と同じ意見とかクソ嫌だけどこればっかりは同意せざるを得ねぇ。

善光 優斗

「何でもかんでも性欲ありきで動くお前らの方がキッショいわ、色ボケ猿ども。」

善光 優斗

「じゃあいいよ。僕だけで探すから。」

金満 潤

優斗。俺もどうやらどこかに俺専用のオ◯ホを落としたみたいなんだ。一緒に探すの手伝ってくれないか?

善光 優斗

「わかった。見つけたら言うね。」

金満 潤

いやちょっと待てっ‼︎どうやらすぐ近くにあったみたいだ…。フッフッフッ…こんっっっっのいやらしいドすけべな尻め…俺のチ◯ポをはめて二度と離れないようにしてやる‼︎

善光 優斗

「金満君向こう探して来てねー。もう来ないでねー。」

ヤハタノヒメ

すみませんっっ…!ありがとうございます…!ありがとうございます…‼︎

善光 優斗

「いえいえ。ほら、絵馬君も木生君も一緒に探そ?」

絵馬 海龍

へ〜〜〜い。…なぁ、もし見つけたら、ワンチャンあるかな。

善光 優斗

「無い。そしてキモイ。」

木生 葉

はぁぁあああ。だっるぅ…。いるよな善光みたいな、他人に善意強要する奴。こういう奴ってさ、人の為に人助けてないよな。人助けてる自分が好きだから助けてるただのエゴだからな。オ◯ニーと一緒。そのクソオ◯ニーに他人巻き込むなよ。一人でやってろよ。こっちにはこっちの都合があるんだしよぉ。ちなみにおれは、女が倒れててもAEDしないからな。なぜかって言うと、せっかくこっちが助けてやったのに、セクハラだのなんだので訴えてくっから。

善光 優斗

「んじゃいいよ別に探さなくても。一生そこで突っ立ってろ役立たず。他人に助けてもらう前提で生きてるテイカーが生意気言うな。社会に何も貢献しようとしない能無しが出しゃばるなよ邪魔だから。能無しなら能無しらしく指咥えて黙って見てろ無能。いや、お前は無ですら無い、ゼロですら無い。マイナスだよ。略してマイ脳。毎日頑張ってる人間の足を引っ張って邪魔する奴。自分の思い通りにいかないからって、関係の無い他人や社会に攻撃するのやめろよ。まじ迷惑極まり無いから。お前が女性にAED使おうが使わまいが別に聞いてねぇし興味も無いけど、だったらこっちはお前にAED使わねぇからな。お前みたいな奴を何で助けなきゃなんねぇんだよって話になるし。けど別にいいでしょ?お前普段SNSに『国は安楽死を導入すべき』みたいなの投稿してんだから。ちなみにだけど、だからお前のSNS僕ブロックしてる。だってネガティブな事しか言わねぇから。暗い気持ちになっちゃうの。たぶん普段からそういう投稿しかしてねぇし見てねぇから、今の木生君の性格なんだと思う。」

木生 葉

んだとテメェ!ヒョロガリがぁぁあああ‼︎‼︎ぶっ殺されてぇのか‼︎‼︎

金満 潤

優斗〜、どうする〜?優斗が一言「あいつをぶち殺してくれ。」って言ってくれれば、俺は喜んであいつをぶち殺してくるが…。

善光 優斗

「いいよ、いろいろと面倒くさいし。そこまでの価値無いでしょ。」

金満 潤

それもそうだな。

木生 葉

殺す‼︎‼︎ぜってぇ…ぶち殺す‼︎‼︎‼︎お前ら二人…ぶち殺すからなっっっ‼︎‼︎‼︎‼︎

絵馬 海龍

木生!ここは劣勢や!引くんや‼︎このままやと負ける‼︎

木生 葉

テメェも面白がってんじゃねぇよ‼︎このチビクソメガネがっ‼︎‼︎

絵馬 海龍

あーあ。せっかくオレが笑いとして消化させたろ思うたのに…。木生くん。"空気"読もうね。…プフゥッ!クック…。

木生 葉

テメェら……絶っっっっっっっ対、覚えてろよ……。地獄、見せてやっからよぉ……。

善光 優斗

「…んー…無いなぁ。」

木生 葉

無視すんじゃねぇよっ‼︎

善光 優斗

辺りを探してみるものの、羽衣はちっとも見つからない。

善光 優斗

天女様含めて5人で探してるから早く見つかると思ってたんだけどなぁ…。

金満 潤

優斗のア◯ル〜♪ペロペロ〜♪優斗のチ◯ポ〜♪ペロペロ〜♪エッチな汁が〜ドッパドパッ‼︎‼︎

絵馬 海龍

……ふぃー。(スマホぽちぽち)

木生 葉

…ッチ…クソウッザ…くたばれ…

銭場 守

……。

善光 優斗

そうでもなかった。僕と天女様の二人だけだ。探してるの。

ヤハタノヒメ

うぅ…グスッ…どうしましょう…。

善光 優斗

天女様も泣いている。あの綺麗な瞳から、ポタポタとアクアマリンのような涙を溢している。

善光 優斗

「天女様…泣かないでください。きっと見つかりますよ。」

金満 潤

ゆうと。俺も悲しい。優斗なんで俺にかまってくれないの?じゅんくん寂しい。いいの?ほっといて。じゅんくん、こんなに泣いてるのに、ほっとくの可哀想じゃないの?ゆうゆ、ほら見て。じゅんじゅん泣いてりゅ。

善光 優斗

「じゅんじゅん後でね。後でいっぱい構ってあげるから。精神の不安定さが文章に出ちゃってるもんね。また後でよしよししてあげるからね。」

絵馬 海龍

いやぁけど、こんだけ探しても見つからんってことは、もうどっか行ったやろ。風にでも飛ばされたんちゃう?知らんけど。

善光 優斗

「うーん…。」

ヤハタノヒメ

うぅ…グスッ…。確かに…その通りだと思います。

絵馬 海龍

ちなホテルは見つかったで。

善光 優斗

「やっぱり羽衣が無いと、天へ帰れないんですか?気球とか飛行機とかはダメな感じですか?」

ヤハタノヒメ

うぅ…くすん…たぶんダメだと思います。羽衣が無いと、天界の神たちに天女だとわかってもらえません…。

善光 優斗

「羽衣あるかどうかが天女の基準なんですか…?」

絵馬 海龍

顔覚えてないんか、天界の神どもは。善光と一緒やん。

善光 優斗

「やかましいわ。」

善光 優斗

けど本当に困ったな。天に帰れないなら、これからどうするんだろうか。もしも、もう人間界で生きていくしかないってなったら、衣食住が必要だし…。

善光 優斗

…衣食住ねぇ。…とりあえず安定するまで誰かの家に泊まるってなった時、一体誰の家に泊まるんだ?根暗とメガネはキモくて論外だし銭場君ちは狭いだろうし、金満君がそんな優しい奴だと思わないし……えっ、じゃあ僕?僕んちに、天女様泊めちゃう⁈

金満 潤

優斗。言っておくが俺以外の奴と一緒に住むなんて許さないからな。

善光 優斗

「えっ?なんでわかって…」

木生 葉

テメェも"こっち側"じゃねぇか‼︎‼︎クソ善カスが‼︎‼︎‼︎

善光 優斗

「ごめん一緒にしないでくれる?僕マジでそういうのじゃないから。僕のは恋愛。木生君達のは性欲。違いわかる?少年ジャ◯プとヤングジャ◯プくらい違うから。」

木生 葉

ならそこまで大差ねぇだろ。

金満 潤

おい天女。本当に他に帰る方法は無いのか?例えば別の天女に予備を持ってきて貰うことや、お前一応神なんだから自分で作れたりしないのか?女なんだから裁縫ぐらい出来るだろ。

木生 葉

あ、それ女性差別。

金満 潤

黙れ膿栓。

金満 潤

材料はこちらで用意してやる。これ以上優斗に変な気を起こされてはたまったもんじゃないからな。

善光 優斗

「さーせん。」

金満 潤

その代わり、神の能力的なもの…あるだろ。その技術を俺に教えろ。支払いはそれでいい。

絵馬 海龍

的なもの…。

善光 優斗

「フフッ。」

絵馬 海龍

ちょっとおもろいやん。

善光 優斗

「プフッ…。」

金満 潤

黙れ駝鳥。

金満 潤

悪くない話だ。とっとと頷け。

ヤハタノヒメ

グス…ごべんなざい…。裁縫苦手なんです…。あとその…神の能力的なもの?も、ちょっとよくわかんないです…。

金満 潤

ならもうくたばれ。

善光 優斗

「なんてこと言うの。」

ヤハタノヒメ

ズビッ…けっ、けどもしかしたら、一つ可能性があるものがあります。

金満 潤

なんだそれは。とっとと言え。

ヤハタノヒメ

あの…ひょっとしたら羽衣っぽいものに、貴方は羽衣だよーっ。って思い込ませれば、空を飛んでくれるかも知れません。

金満 潤

…ふざけているのか?

善光 優斗

「やめなよ金満君。そんな怒らなくても…。」

ヤハタノヒメ

い、いえっ!本当なんです‼︎物って不思議で、思い込ませれば本当にその物のように使えるようになるんです!

ヤハタノヒメ

例えばですけど、持ちやすい木の棒に、貴方は剣だよー。って思い込ませれば本当に物が切れるんですよ!本当なんです!信じてください‼︎

善光 優斗

目に涙を浮かべながら、力説する天女様。にわかには信じがたい話だ。けど天女様がこんな時に嘘つくとも思えないし、信じる価値はある!

木生 葉

…あれか、女限定のスポーツ大会で、男が「自分は女」と強く思い込む事によって参加する事ができ、男の強強フィジカルで貧弱女どもを蹂躙するあれか。

善光 優斗

「その話題やめて?そんなダイナマイトみたいなセンシティブな話題。」

絵馬 海龍

あー、オレもカニカマ最近までカニやと思ってたわ。

善光 優斗

「美味しいよね。気持ちはわかる。」

金満 潤

…言われてみれば、俺も思い当たるな。優斗とお喋りする想像を常にしていると、いつのまにかイマジナリー優斗が俺の頭にいたんだ!イマジナリー優斗はいっつも俺に大好きとか愛してるとか言ってくれてぇ、エッチな体にして欲しいとかぁ、もう潤くんのことしか考えられないー!とかぁ…!あとはあとは…

善光 優斗

「良かったね。これからはそのイマジナリー優斗とやらに慰めてもらいなよ。」

絵馬 海龍

おっ、嫉妬?

善光 優斗

「プール突き落とすよ。」

金満 潤

ちょっ、優斗ダメだって!こ、こんなに人がいるのに、そんな大きい声で、俺のこと犯すなんて…!

絵馬 海龍

今のイマジナリー優斗け?

善光 優斗

「金満君の中で僕はそんなキモい事言う奴って思われてんの?」

木生 葉

パラノってんな。

ヤハタノヒメ

あ、あの…

善光 優斗

おそるおそるという様子で、天女様が話しかけてきた。しまった。ついうっかりこいつら3匹のペースにハマってた。

善光 優斗

「あぁ…ごめんなさい天女様。せっかく方法話してたのに、遮っちゃって…」

ヤハタノヒメ

いえいえ。…あの…それでその…

善光 優斗

「ええ。羽衣っぽい物、探してきますよ。タオルや帯とかでいいんですか?」

ヤハタノヒメ

…はい。大丈夫だと思うんですけど……もし…もし可能なら、限りなく羽衣に似ている物だとより思い込ませやすいと思うんです。だからその……

善光 優斗

「わかりました。なるべく似たような物探しますね。どんな色とか、長さとか教えてもらっても?」

金満 潤

赤黒くてカリが高くて…

善光 優斗

「金満君チ◯コの話じゃないよ。黙っててねー。」

ヤハタノヒメ

ええと…横がこのくらいの長さで…縦がこのくらいで…

善光 優斗

天女様が手を使って、僕らに説明をしてくれる。なるほど…だいたい横が、天女様が手を目一杯広げた長さで、おおよそ1.5mくらいか?縦は肘から手首ぐらいまでだから…20cmくらいか。

ヤハタノヒメ

向こうが見えちゃうくらい薄くて透明なんです。だから羽衣も、すっごく脆くて…。

金満 潤

薄い…か…。コンドームか?

善光 優斗

「引っ叩くよ。」

ヤハタノヒメ

そんな感じの物を持っていただけたら、ひょっとしたら飛べるかもしれないです…。

善光 優斗

なるほど…。じゃあ目安としては、タオルよりも長くて、なるべく透けている物を探せばいいのか。

善光 優斗

「わかりました。探してみます。」

ヤハタノヒメ

本当に…本当に…!ありがとうございます‼︎

善光 優斗

嬉しそうに泣く天女様。思わずこっちまで嬉しくなっちゃうな。

善光 優斗

「それじゃあ、一旦各々家に帰って良さそうなの探して来ようか。」

絵馬 海龍

えぇ〜〜〜。今からまた家帰ってまた学校来んの?面倒いわ。

木生 葉

おれも以下同文。

善光 優斗

「じゃあどうすんの。」

絵馬 海龍

学校ん中にええ感じのあるやろ!中入ろうぜ!!

木生 葉

はいバーーーカ‼︎‼︎学校ん中入れねえって散々言っただろ。しかもカメラとかメモしてたのお前だろ?頭だいじょーぶですかぁーーー?

絵馬 海龍

チッ…だぁぁぁ。ホンマや…。普通に忘れてたわ。

ヤハタノヒメ

あの…カメラってひょっとして、人や風景を一瞬で描いちゃう道具のことですか…?

善光 優斗

「そうです。概ねそんな感じです。」

ヤハタノヒメ

わぁぁぁ‼︎カメラ!私知ってます!地上ガイドブックに載ってました!これに映らないように気をつけろって!

金満 潤

"カメラ"は無いのに"ガイドブック"はあるんだな。

善光 優斗

「金満君シッ!」

ヤハタノヒメ

あります!カメラに気づかれない方法‼︎

善光 優斗

そういうと天女様は僕の目の前に立った。ちょうど僕と向かい合うようになっている。…ちょっと照れるなぁ。

金満 潤

!?…お前っ…‼︎優斗に何を…

善光 優斗

金満君が言い終える前に天女様は右手で親指と人差し指で輪っかをつくると、中にふぅーっと息を吹いた。

善光 優斗

すると僕の視界がキラキラ光って、僕は思わず目を閉じる。

絵馬 海龍

うおっ⁉︎

木生 葉

善光⁈

金満 潤

…っ!優斗に何したクソ女ぁああああっ‼︎‼︎

ヤハタノヒメ

大丈夫!大丈夫ですって‼︎

善光 優斗

「え?何?僕どうなってんの?」

絵馬 海龍

善光いんの⁈お前今そこ⁈

善光 優斗

「うん…。一歩も動いてない。」

善光 優斗

ゆっくりと僕は目を開くと絵馬君も木生君も信じられないって顔しながらこっちを見てる。珍しく金満君もかなり驚いているようだ。

木生 葉

わかった。善光、お前今、透明。

善光 優斗

「えっ?」

善光 優斗

木生君に言われ、ふと自分の両手を見ると

善光 優斗

「うわすご!ちょっと透けてる!」

善光 優斗

何度か手をグーパーグーパーしてみると、どうやら肉体はあるようだ。だが僕の手のひらを目の前に持ってきてみても、向かいあっている天女様と、驚いたようすのみんながくっきり見えた。すごい…!僕本当に透明なんだ…‼︎

善光 優斗

なんだかガラスに反射したような姿だ。僕は自分が薄っすら見えるけど、みんなの反応からして僕は真っ透明なんだろうな。

金満 潤

優斗!本当に大丈夫か?体に異変はないか?

善光 優斗

「ないよ〜。全然元気〜。」

金満 潤

本当か?…ッチ。あぁクソッ、優斗が見えないから本当に無事かどうか確認出来ない。優斗、ここか?このへんか?大丈夫か?

善光 優斗

「ちょ、やめ、触んないで。ちょ、なんで見えないのにピンポイントに胸とかチ◯コ触ってくんの。」

金満 潤

ハァ…ハァ…!優斗…お前、透明なのをいい事に全裸になったりしてるんじゃないだろうなぁ?えぇ?こんっっっのいやらしいど変態め‼︎今、裸で俺の目の前でオ◯ニーしてるんだろ‼︎⁇こらっ!そんなドスケベなけしからん奴はこの俺が成敗してやる‼︎このっ!このっ‼︎

善光 優斗

「やーめーて!チ◯コ押し当てないで‼︎頭おかしいよ!透明になったからってそんな事するわけないじゃん!」

ヤハタノヒメ

いやあの………ごめんなさい。

善光 優斗

「あっ、いや、天女様。あなたに言ってるじゃなくて…」

木生 葉

天女様オ◯ニーしたのぉっ⁈

善光 優斗

「聞くな!そんな事‼︎」

絵馬 海龍

オイオイほんまに痴女やんけ‼︎あー…なるほど…清純派に見えて意外と性欲強いタイプ…?ふーん、嫌いやないでぇ‼︎

善光 優斗

「黙らっっっしゃいっ‼︎」

ヤハタノヒメ

オ◯ニー?は、ちょっと何かわからないんですけど…その…スッポンポンだったんで…ひゃぁ!恥ずかしいです……。

善光 優斗

「あっ、あの天女様…ちょっと…」

善光 優斗

「おいゴラ金満‼︎いい加減やめろ‼︎チ◯コ擦り付けてくんの‼︎しつこいんじゃっ‼︎とっととしまえ‼︎」

金満 潤

えっ……。…ふぐっ…ふっ…ふふ…ふぅうぇーーーーーん‼︎‼︎うっ、うぅ…うぇーーーーーん‼︎‼︎‼︎

善光 優斗

「天女様、すごいです!これってひょっとして、カメラにも映らないんですか?」

ヤハタノヒメ

はい!ガイドブックに書いてありました!透明になれば大丈夫だと!

善光 優斗

「へぇ〜!すごいなぁ!これなら学校の中に入っても大丈夫そうですね!」

絵馬 海龍

天女様‼︎オレも!オレも透明にして!

木生 葉

あ!おれもおれも!

ヤハタノヒメ

はい!任せてください‼︎

善光 優斗

そう言って天女様は僕と同じように2人の前に立つと、また指で輪っかを作ってふぅーっと息を吹いた。

絵馬 海龍

おぉ!すっげ!

木生 葉

なぁ!今おれ透明?透明?

善光 優斗

なるほど。天女様に透明になる魔法?術?をかけられている人は、周りからこんな風に見えるんだ。2人の周りをキラキラした小さな光が囲うように飛んで瞬く間に消えた。すると、あら不思議。2人は僕とおんなじ半透明に。

木生 葉

これあれか。透明になってる奴同士は半透明でお互い見える感じか。

ヤハタノヒメ

はい。だから透明同士がぶつかったりしませんよ!

絵馬 海龍

はぇ〜すっご!これっていつまで透明なん?一週間くらい続く?オレ女風呂行きたいんやけど。

ヤハタノヒメ

すみません…人間だと一、二時間くらいです。

木生 葉

あー…クッソ、嫌いな奴ボコボコにしてやりたかった…。

善光 優斗

「わかるぅ〜。」

金満 潤

天女!俺も!早く透明にしろ‼︎

ヤハタノヒメ

はい!

善光 優斗

カモンカモンと眼の血管バッキバキに血走らせながら金満君は天女様の前に立った。ガンギマリの眼、ニタニタ笑う口、フーッフーッと漏れる息。少しかがんだ姿勢。本当に全てが気持ち悪い。

ヤハタノヒメ

ふぅーっ…。

善光 優斗

そんな金満君にも天女様は僕らと同じように息を優しく吹きかけると、同じように金満君の周りを小さな光が囲うように飛んで瞬く間に消えてった。

金満 潤

おぉっ‼︎俺は今…透明なんだな…。優斗にも、見えてないんだな…グヘヘ…。

善光 優斗

「僕は透明だから見えてるよ。」

金満 潤

ハァ…!ハァ…!さてと、この透明な体で優斗を存分に犯してやろうか。グヘヘ、優斗驚くだろうなぁ。急に気持ち良くなっちゃって、周りに人がいるのに何度も何度も絶頂するんだ。そして知らぬ間に、優斗の"ナカ"が俺の形に、俺専用のオ◯ホになるんだ!フッフッフッ…グウェッ!ヘッヘッ‼︎

善光 優斗

「天女様すみません。これ透明になってる人間は、殺してもそのまま透明ですか?それともまた元に戻りますか?透明人間の血は透明ですか?」

ヤハタノヒメ

ん〜…わから…ないです…。ごめんなさい、試した事が無いので…。

善光 優斗

「そうですか。いや、こっちこそ物騒な事聞いちゃってごめんなさい。」

金満 潤

ハァ…!ハァ…!優斗ぉ…!ほぉーーーら、いやらしぃいやらしい十匹のイモムシが、優斗のぷっくり膨れる胸の蕾に近づいていくよぉ…。おっとぉ?下の大きい大きいイモムシは、どうやら菊の華の中に入りたいようだなぁ。フッフッフッ…優斗ぉ…見えるか?優斗のナカでこの太い太いイモムシが、ウネウネと優斗の気持ちいいところを突いて突いて突きまくるんだ!ほら、イモムシも、「早く"ナカ"に挿れてーっ!」って。ほら、このイモムシが優斗のナカで暴れまくるぞ〜っ‼︎

善光 優斗

僕は無言で金満君をプールに突き落とした。

ザッパーーーーーン‼︎‼︎

善光 優斗

やっと静かになった。最初からこうしていれば良かった。

善光 優斗

「天女様、重ね重ねすみません。最後にそこの、気を失ってる人にも透明にする術をかけて貰えませんか?」

ヤハタノヒメ

はい!わかりました!では…

善光 優斗

天女様は気絶してプールサイドに倒れている銭場君にも透明にする術をかけた。小さな光の粒が、銭場君の上を円を描くようにくるくる回ってパチンッと消えた。

善光 優斗

僕はしゃがんで透明になった銭場君の体を揺らす。

善光 優斗

「起きて…起きて…銭場君…」

善光 優斗

なかなか起きないなぁ…あっ!そうだ!

善光 優斗

「…あっ!五百円玉落ちてるーっ!」

銭場 守

っ……‼︎

善光 優斗

僕の言葉に銭場君は勢いよく起きた。辺りをキョロキョロしている。

銭場 守

ごっ、五百円が落ちてるって…

善光 優斗

「え?知らなーい。無さそうだよ?夢の話じゃない?」

銭場 守

あ、あぁ…そっか…。夢か……はは。

善光 優斗

まさか起こす為に着いた嘘が、こんなにも銭場君を傷つけるとは思わなかった。ごめんね。銭場君。

銭場 守

っ‼︎ってか善光‼︎お、おま、おおお…お前、かっ…かか体透め………キュ〜〜〜

善光 優斗

「やめて!起きて!気絶しないで!キュ〜〜〜しないで‼︎」

善光 優斗

また気絶して倒れた銭場君の頬を、今度は思いっっっきりビンタする。

バチンッ‼︎

銭場 守

っーーーってぇーー‼︎‼︎

善光 優斗

涙目になりながら頬をさする銭場君。ごめんね、けど僕の手も痛いから…。

善光 優斗

銭場君がまた気絶する前に僕は最初から今に至るまで全部説明した。銭場君は口をポカーンと開けながら聞いているが、時折り驚いているんであろう、目を少し見開いたりしている。

銭場 守

なるほどなぁ…。いやぁしっかしすっげぇなぁ。

ヤハタノヒメ

驚かせて申し訳ありません。

銭場 守

うぉっ!

銭場 守

貴方が…天女様?

ヤハタノヒメ

はい。ヤハタノヒメと申します。

銭場 守

銭場守です。よろしく。

善光 優斗

す、すごいや銭場君…!さっきまで気を失っててダサかったのに、さりげなく自己紹介して、今はまるで仕事のデキる先輩みたいだ…!

銭場 守

他の連中は?

善光 優斗

「絵馬君と木生君?あれ?いない?」

ヤハタノヒメ

お二人なら先に行かれましたわ。

善光 優斗

全然気が付かなかった。いつの間に。

銭場 守

金満は?

善光 優斗

「わかんない。森に帰ったかも。」

銭場 守

そうか。なら俺らも学校ん中入ろうぜ。

善光 優斗

「だね。」

ヤハタノヒメ

お二人とも…!本当にありがとうございます‼︎私はもう少し、この辺りを探してみます!

銭場 守

ハハッ!お気になさらず!美女のお役に立てるなんて、野郎冥利に尽きます。願ったり叶ったりですよ!こっちもなるべく早く戻りますね。女性一人じゃ危ないでしょうし。

ヤハタノヒメ

……っ!はい…!

善光 優斗

せ、せせ銭場君…?なんでサラッとカッコいいセリフ言えるの…?銭場君こんな爽やかな奴だったけ?僕の知らない銭場君がいる…。天女様も、なんか頬赤いし…。え?銭場君意外とモテるの?僕の敵なの?

銭場 守

おーい。善光早く行こうぜ。俺いくら透明でも、やっぱ夜の学校は怖いわ。一緒に行こ。

善光 優斗

あぁ良かった。いつもの銭場君だ。

善光 優斗

「銭場君、怖かったら僕が手繋いであげようか?」

銭場 守

今はまだ大丈夫。もしもん時は抱きつくかも。

善光 優斗

「え〜、そんな事されたら僕銭場君の事好きになっちゃう。」

銭場 守

元からだろ。

善光 優斗

「ハハッ!確かに〜。」

善光 優斗

こうして僕と銭場君も、夜の学校へと入っていった…。

善光 優斗

現代の羽衣伝説【後編】へ!続く‼︎

ザッパーーーーーン‼︎‼︎

金満 潤

待って優斗‼︎俺も行く〜〜〜‼︎‼︎

愛が重いよ、金満君。

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