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――――嬉し恥ずかし金曜日。今日は待ちに待った優華のデートの日。
和彦さんはあたしをどんな気持ちで誘ったのかぁ。同じ気持ちだったら嬉しいな……
リムジンがお迎えに来るのかとおしゃれに気合いの入る優華。 でも焼き肉なので淡い色の洋服は避け紺色のワンピースにした。色はシックだが、ノースリーブで深めのブイネック、広がるフレアーがオンナ度UP。とても綺麗なデザインだ。靴はベージュのパンプス。髪は下ろす。トワレは控えめに。
約束の時刻は午前10時。
ソワソワ、ドキドキ……。9時半にはすっかり用意が整い、優華はソファーにもたれボーっとしている。 浮かぶは和彦の切れ長の瞳……。
笑うと意外にも子どもっぽい顔になる。華やかな茶色い髪の毛はセンターパーツで洗練されたスタイル。見た目とあり過ぎるギャップ……。誠実さ。和彦さんて、なんてクールでセクシーなんだろう
優華
スウィートなため息をつく優華。
10時前に電話が鳴った。
優華
呼吸をなんとか整え、おしとやかに電話に出た。
優華
和彦
優華
和彦
優華
エレガントなベージュのミニトートをサッと手にし、満面の笑みで玄関の鍵を掛け、スカートの裾を気にしながら階段をお姫様気分で下りた。
優華
そこにリムジンはなかった。 スーツ姿ではない和彦が立っている。黒のサマーニットに濃紺のデニムパンツ。足元は黒いスニーカーだ。
そして、彼の後ろには高級セダンが。
キャ♡車の中でも二人きりなのね、嬉しい!
和彦
優華
言い当てられ、なんだか優華はくすぐったい気持ち。
和彦
あ、前回のパーセンテージにもプライベートが何パーセントかは入ってたのかな?
優華
和彦
ちょっぴりしどろもどろになる和彦。 慌てるように
和彦
と言う。
優華
ニッコニコの優華。
助手席のドアを開け、優華が車に乗り込むと
和彦
と穏やかに訊く和彦。
優華
和彦がそっとドアを閉めた。
和彦
優華
あ、この間と同じ香りがする……。やっぱり車の芳香剤じゃなく、この凄く刺激的な香りのもとは和彦さんね
エッチな妄想が浮かんじゃう。大人の女ですもの。
和彦がハンドルを右に切り、車が発車した。
たくましい前腕! 和彦さんってスマートなのに
和彦
柔らかな表情の和彦。
優華
見慣れた景色が遠ざかって行く毎に景色が輝きを増す。
信号待ち。
なんだかこの胸のドキドキ音が和彦さんに聴かれちゃいそう
和彦
優華
まさか「ドキドキ音がするよ」とか言わないわよね
ドキドキの絶頂に達しちゃってる優華が胸を押さえつつ返事をした。
和彦が優華の目を見て言う。
和彦
優華
レディーな対応を必死でやってのけた優華だが、心の中ではそこいら中を駆け回り悦んでいる。
信号が青に変わった。
和彦は照れた顔をしている。
和彦
優華
和彦
流れ行く風景にほんわかとした光がさして見える。ちなみに今日のお天気は曇りだ。今の優華には灰色の空すら虹色。
和彦
明るく微笑む和彦。
優華
大胆にも意味深発言をする優華。
和彦
和彦のおでこに汗がにじんでいる。
優華
和彦は落ち着きを取り戻し
和彦
と答えた。
和彦
優華
和彦
お店の看板娘としてではなく、一人の女性として見て欲しいわ……
優華を甘い悩ましさが襲う。
優華
でも和彦に褒められて嬉しい。優華はそう返した。
その後は静かに、車の窓から黙って街並みを眺めていた優華。
それは束の間で
優華
と教えたり
優華
などと様々な発見を優華は和彦に伝えた。
その度に和彦は、大らかな、ゆったりとしたムードで優華の言葉を受け止め返事をするのであった。
優華
和彦
ふと優華が車の時計に目をやると10時20分。 その時、フロントガラスに点、点、と雨粒が落ちて来始めた。
和彦
優華
ひと言だけ優華が言う。
直後二人は笑った。
優華が時家から帰る雨の途中、和彦がずぶ濡れになりつつ「あげる」と優華に傘を渡したことを、和彦も瞬時に想い出したらしい。
優華
笑顔の続きにもう一度お礼を言う優華。
和彦
優華
『焼き肉の閃光』この店は東京で有名な美味しいと言われる焼き肉店だ。優華はテレビでしか見たことがない。 優華にはとても手の届かないお値段のする焼き肉が提供される店だ。
和彦
車を駐車した和彦が優華のほうを向いた。
優華は1回1回和彦と目が合う度にときめいてしまう。
優華
もじもじ。
和彦はとても優しい。
***
和室で完全個室のお部屋。
――――ジュージューお肉が網の上で焼けて行っている。 お肉を焼いては優華の小皿へと装う和彦。
優華
和彦
優華は実家にいる頃、家族でよく焼き肉をしていた。でも焼き肉店へ出向くことなんてあんまりないので、お肉の部位の名前などほとんど知らないし、運ばれて来てもそれがなんなのかわからない。 しかし食い意地いっぱい夢いっぱいの優華はお肉ならなんでも良い、というのが正直なところだ。
優華
和彦
優華
和彦
優華
和彦
優華
あ
と優華は思った。 自分の和彦への恋慕を伝えたい。お肉のことばかり話している場合ではない。折角のチャンスだもの。
和彦
優華
と言った直後優華は
優華
いたたまれずしょんぼりした。
それを聴き、和彦は
和彦
と一度うつむいた。
そして、顔を上げ……
和彦
はっきりそう言った。
あまりにも鮮やかな告白がにわかに信じられず優華は、なんたることか
優華
と尋ねたのである。
こんな鈍い女に笑ったりもせず
和彦
と和彦は言った。