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あ ~ ぁ、ジミナ とのご飯キャンセルになっちゃった.
今日食べに行くつもりでバイト先に行ったのになぁ~
𝗧𝗛 .
適当な物でも買おうかと思ってコンビニに来てみたものの、特に食べたい物も思いつかず ボーっとしていた.
今日は、いいかな.
家に帰ってデリバリーでも何でもすればいいだろう. そう思ってコンビニを通り過ぎた時
𝗧𝗛 .
コンビニ前は車1台しか通れないような一方通行の道. その道の隅で一瞬〝彼奴〟に似た人を見たような気がした.
【🚙 プップーッ !!】
𝗧𝗛 .
道の真ん中ら辺で立ち止まっていた僕に、後ろから来ていた車がクラクションを鳴らした.
慌ててコンビニ前に戻ると、 さっきの人はもぅ何処にも居なかった.
𝗧𝗛 .
たった一瞬. 本人かも分からないような感じだったのに
胸が激しく波打ち、膝が震えてる. まるで自分に警告しているような、嫌な動悸.
もぅ吹っ切れたつもりだったのに.
あの頃と何も変わっていないってことなのかな.
𝗧𝗛 .
今は何も考えず、 早く家に帰ろう.
僕の止まっていた足は再び家に向かって進み出した.
➥アパート前
店はコンビニ1つしか無い住宅街にあるアパート、オレンジ色の光で建物や坂道を照らす街灯.
1歩1歩いつもよりゆっくりな足取りのまま、白い息を吐きつつ冷えた手をポケットの中に入れた.
𝗧𝗛 .
緩い坂道の途中、 横に建つ壁は薄汚れ年季の入ったアパート.
3段の階段と小さな駐車場、隣に付いた硝子扉.
今日はもぅお風呂入ったら直ぐ寝よu
【ダッ】
「ヒョン !!」
背後で静かな夜の住宅街に響く男の声
見てはいけない、 そう何処かで思いつつも恐る恐る振り返ると
そこには居るはずがない. 居てはいけない彼奴が息を切らしながら肩から大きなレザーのボストンバッグを下げて道の真ん中に立っていた.
さっきより激しく中から飛び出そうなほど強く心臓が鼓動し始める.
現実なのか
夢なのか
時間が止まったまま 関係は変化した 僕らの間を秋の冷たい風が通り抜ける
1年間
苦労して固めた思いが
こんなにも一瞬で揺らぐはずかない.
絶対に.
落ち着かない気分を掻き立てられ、 足は化石になったように脳の指示では動かなかった.
そんな僕の混乱を解いたのは 彼奴が1歩踏み出した時だった.
𝗝𝗞 .
𝗧𝗛 .
混乱が解けると、自分でも分からない恐怖を感じた.
急いでアパートの扉を開け、中の階段を駆け上がる.
【ダッ】
𝗝𝗞 .
【タッタッタッ】
𝗝𝗞 .
【🚪 バタンッ】
𝗧𝗛 .
後を追って来る彼奴からギリギリで逃げ切り、勢いよく閉めたドアの音がロック音をかき消した.
息が上がり思うように酸素が吸えない. 部屋に着いた瞬間足の力が抜けてそのまま僕はドアに背を付け地面に座った.
𝗝𝗞 .
𝗝𝗞 .
𝗝𝗞 .
𝗝𝗞 .
ドア越しに僕を呼び続ける小さな掠れた声
𝗧𝗛 .
やめて、 その声で呼ぶな.
頼むから、僕の名前を声に出さないで.
耳を両手で力強く塞いでも聞こえてくる声にも我慢の限界.
呼ぶな
𝗝𝗞 .
呼ぶな
𝗝𝗞 .
𝗧𝗛 .
怒りと苛立ちが含んだ声で叫ぶと、 何も聞こえなくなった.
ただただ、僕の鼓動だけ耳に響いて 目から溢れる理由も分からない涙の粒を袖で拭い続けて
静かな夜がそのまま明けた.
𝗧𝗛 .
昨日あのまま寝ちゃったのか.
𝗧𝗛 .
3角座りしたまま固い玄関のタイル上で座ってたせいで立った途端おしりの骨からは痛みを、足からは痺れを感じた.
𝗧𝗛 .
𝗧𝗛 .
【ドサッ】
ソファーに向かって昨日使っていたバッグを放り投げ、ジャケットを背もたれに掛けた.
𝗧𝗛 .
昨夜の出来事は現実なのだろうか
パンパン に腫れ浮腫んだ目元を閉じて、昨夜数分の出来事が脳裏に浮かぶ.
...まだ名前を呼ばれているような気がする.
あの声を聞いたのは1年ぶり、か. あのに、あまり懐かしくは感じなかった.
𝗧𝗛 .
𝗧𝗛 .
うるさいって言ったらピタッと何も聞こえなくなったよな.
𝗧𝗛 .
𝗧𝗛 .
【スタスタッ】
𝗧𝗛 .
違う、気になるわけじゃない.
ただ、外出する時出会したら嫌だから確認しておくだけ.
【🚪 バタンッ】
夜が明けたばかりで、遠くでは霧がかかって見える早朝. 澄んだ空は冷気とともに輝いて見えた
あれを確認するまでは.
𝗧𝗛 .
約178cm程の男が、 黒のカーゴパンツ、ジャケット、ゴツめのブーツ、全身ブラックで統一したコーデでアパート前階段隅で丸くなっている.
1段目にカバンを置き、両足で挟み 寒かったのかフードを被って腕を組み座っている.
10月下旬、 今年は冷えるっていうのに 一体何をしてるんだろうか.
𝗧𝗛 .
いきなりソウル来て、野宿って 何をしに来たんだよ本当.
呆れつつも、あのまま放置して良いものかと声をかけとくか迷っていると
𝗧𝗛 .
早起きで有名の、お隣に住むおばさんが掃き掃除を止めてほうき片手に小声で話しかけて来た.
𝗧𝗛 .
𝗧𝗛 .
眉をひそめ、鋭い目つきで彼奴を顎で指した. 警戒されても仕方ない. 逆に警戒しない人なんて居ないだろ. 全身真っ黒な上、早朝から階段に座ってるなんて
不審者要素だらけだし.
𝗧𝗛 .
𝗧𝗛 .
結局こうなるのか.
【ドンッ】
立ったまま後ろから肩をひと叩きすると、首がガクッと前に倒れ 目を覚ました様子だった.
𝗝𝗞 .
𝗧𝗛 .
一言言い終えた僕は、 カーディガン1枚羽織っただけで肌寒くて両腕を擦りながらアパートの中に入ろうとした
𝗝𝗞 .
𝗧𝗛 .
呼び止められその場で立ち止まった僕だったけど どんだけ呼ばれても振り返る気は無い.
無視し続ければ、そのうち勝手に諦めるだろ
𝗝𝗞 .
話は聞こうと思った.
だけど、 時間が経つに連れ「意味があるのか」「聞いて何が変わる」そう頭の中に言葉が並んだ.
意味無いよな.聞いたところで
ヒョン と呼ぶ声を無視して階段を1段上がった
【パシッ】
後ろから手首を強く捕まれ離そうとしない. 自分より強い力だからか引っ張ってもビクともしない.
𝗧𝗛 .
𝗝𝗞 .
力が弱まることも、 離す気配も無ければ 「嫌だ」とか「離さない」なんて返事もしない.
だんだん何がしたいのかと そんなもどかしさに腹が立ってくる.
𝗧𝗛 .
𝗝𝗞 .
𝗧𝗛 .
その一言が僕にとって、どれだけの重みがあるか どれだけの月日を過ごしたか それを グカ は分かってない.
胸の奥が熱くなるのを僕は必死に勘違いだと言い聞かせた.
傷は癒えないと.
𝗧𝗛 .
𝗝𝗞 .
𝗝𝗞 .
𝗝𝗞 .
𝗝𝗞 .
𝗧𝗛 .
𝗝𝗞 .
𝗧𝗛 .
𝗧𝗛 .
終わった関係に変化なんて要らない. そんな物、傷を増やすことになるだけだ.
考えもしなかった. テヒョニヒョン から「意味があるのか」なんて言葉を言われるなんて.
想像していた以上に、 テヒョニヒョン と僕の関係は...悪くなっていた.
体の一部を切り落とされたような 心に耐えきれない痛みを感じた.
後悔と、愛する人からの言葉.
唇を食いしばり、痛みに耐えても 愛して、恋焦がれ漸く会えた ヒョン の背中を見上げた時 高い壁が見えた.
その瞬間、 目が焼けるほど熱くなり、両目から雫が落ち頬を伝った.
𝗝𝗞 .
𝗝𝗞 .
𝗝𝗞 .
𝗝𝗞 .
𝗧𝗛 .
𝗝𝗞 .
やっと振り返ってくれた テヒョニヒョン の顔は朝日に照らされ 腫れたように見える目と、初めて見る悲痛な表情で
見たら、 何も言えなくなってしまった.
𝗝𝗞 .
ヒョン がアパートに消えていく後ろ姿を涙を流しながら見つめた.
𝙏𝙤 𝙗𝙚 𝙘𝙤𝙣𝙩𝙞𝙣𝙪𝙚𝙙 ⇢⇢