wtの薔薇短編集🌹

なかむが泣いたあの日以来、彼は喋りかけてこなくなった

それと共に俺に対するいじめも無くなった

いくら呼びかけたって、彼は振り向くだけで話してはくれない

友情なんてこんなものだ

なのに、何故だろう…

とても心が傷んだ

友情としてでは無い。

恋愛的に、彼のことが好きだ

1人だった俺に、話しかけてくれて、勇気もくれて…。

間違えなく君は俺のヒーローだ

ヒーローだったのに……

信じたくない。

信じられない。

クラスがざわめいている

先生たちも何か話しているようだった

その内容が少し聞こえた

そんなの聞きたくもなかった

気づいた時には教室を飛び出していた

君と初めてあった場所を走り抜け、

階段を駆け上がる

そう。着いたのは屋上

って言っても屋上には行けなくなっていた

彼はここで身を投げたのだろうか

好きだけど嫌いだ

せめて好きって伝えたかったな、w

お前と過ごした時間全部楽しくて

痛さも怖さも吹っ飛んじゃうくらい笑えてたって

彼はまだ、この世にいるのだろうか…

だとしたら、もう一度…

誰かから聞いた情報によると、彼はもうこの世を去ったらしい

自殺の原因は…いじめ。

俺をいじめてたやつらがしたらしい

なかむは俺を庇ったせいであいつらに目をつけられ、

いじめられ、耐えられなくなったのだろう…

それなら、俺を急にいじめなくなった理由や、なかむが話しかけてくれないことも、説明できる気がした。

分かってたんだ

大好きだってこと

もう君の笑顔を見ることは出来ない

もしまた会えたら、

笑顔で名前を、

呼んでくれますか…？

君には届かない。この声は

届けたい。死んでも伝えたい

いつでも俺は君の後を追いかけてやるけど

あいつに…！＿＿＿

《end》