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第1話 - あ

2023年11月27日

#恋愛

結城　真矢

サナ

メイコ～

サナ

今度、クラスのみんなで女子会するんだけどさ、来れる？

サナ

今度の土曜日なんだけど

メイコ

その日は、予定があって行けないんだ

メイコ

みんなで楽しんできてよ

サナ

そっか

サナ

また妹ちゃんたちの面倒見ないといけないの？

メイコ

うん

メイコ

ママも、パパも休日出勤だから、私しか面倒見る人いないんだよね

メイコ

一番下はまだ小学１年生になったばかりだし...

サナ

全然、大丈夫だよ

サナ

大変だね...お姉ちゃんは

サナ

みんな女の子だっけ？

メイコ

うん、ほんと、元気でさ...

メイコ

楽しいけど、ケンカもめちゃくちゃ多いから、すごい体力使うんだ...

メイコ

もう、毎日本当に大変だよ

サナ

いつも話聞いてるだけだで、楽しそうだな～って思うけどね

サナ

いざ、ってなるとそうじゃないんだろうね

メイコ

うん、本当にそう

メイコ

最近、全然遊ぶ時間取れてないんだよね

メイコ

妹たちの面倒見るか、バイト行くしかできてないんだ

サナ

そしたら、学校が終わった後の、メイコがバイトない日にでもカフェとか行く？

メイコ

あっ！それいいかも！

サナ

でしょ？

サナ

カフェだったら、ご飯の前のちょっとした時間が空いてても行けるしさ

サナ

ちょうどいいよね

メイコ

ありがとう、気にしてくれて

サナ

いいんだよ～

サナ

そしたら、クラスのみんなに予定聞いてみるね

サナ

メイコはいつが空いてる？

メイコ

私は、次の水曜日が空いてるよ

サナ

おっけー！そしたら、また明日連絡するよ

メイコ

うん、楽しみにしてる

～翌日～

サナ

メイコ～

サナ

水曜日、みんな参加できるって

メイコ

本当！？

メイコ

良かった～

サナ

みんな、メイコが来れる、って知ってすごく嬉しがってたよ

サナ

そういえばさ、メイコって今日着てたトップスって昨日も来てなかった？

メイコ

あ～うん...

メイコ

まあ、今冬だし、そんなに汗もかかないからいいかな、って

サナ

あっ、そうなんだ

サナ

てっきり、貧乏で服が買えないのかな～って思ってさ

サナ

なんか、変な心配しちゃってごめん

メイコ

まあ、欲しい服が買えないのは本当のことだけど

サナ

えっ？そうなんだ

サナ

でも、バイトもしてるんでしょ？

メイコ

してるけど、学費も奨学金と給料からも出してるから、

メイコ

あんまり残らないんだよね

サナ

へ～そうなんだ

サナ

なんか、大変そうだね

サナ

大家族の長女は

サナ

１人っ子だったらよかったのにね

サナ

妹が４人もいて、邪魔だな～とか思ったりしないの？

メイコ

そんなこと、思ったことないよ

メイコ

ケンカも多いけど、私のこと気遣ってくれる時だってあるもん

サナ

そうなんだ

サナ

よくできた妹たちなんだね

サナ

さすが、メイコの妹だよ

メイコ

私にとっては大事な妹なの

メイコ

そんな言い方しないでよ

サナ

ごめんごめん

サナ

別に、悪い意味で言ったわけじゃないからさ

サナ

勘違いさせたなら、ごめんって

サナ

あとさ、よかったら私がもうすでに着なくて、いらない服とかあげようか？

サナ

お金なくて困ってるっぽいし...

メイコ

別に、そこまで困ってるわけじゃないから

メイコ

同じ服を２日連続で着るのって。そんなに変なこと？

メイコ

結構周りの子、やってるじゃん

サナ

まあ、そうだけど...

サナ

メイコの場合は、なんか特別な理由があるのかな～って思っちゃっただけ

メイコ

何？特別な理由、って...

サナ

だから、あれだよ...

サナ

自分の好きなもの買えないほど貧乏なのかも、って...

メイコ

もしかして、私のこと今までそんなふうに見てたの？

メイコ

貧乏な奴で、可哀そうだな、って？

サナ

まあ、正直なところ、そんな感じだね

メイコ

は！？

メイコ

意味わかんないんだけど...

メイコ

サナはいつでも自分の好きなもの買えて、授業料も親が何とかしてくれるかもしれないけど...

メイコ

私は環境が違うんだから、同じことなんてできないの！

サナ

それは、分かってるよ...

サナ

っていうか、私は貧乏とか言わない方がよかったから、わざわざ言葉を濁したのに...

サナ

私に理由をわざわざ言わせたのはメイコでしょ？

サナ

なんでそんなに怒るわけ？

メイコ

だって、最初から言い方がきつかったし、私のこと見下してる感じだったじゃん

メイコ

まさか、気づかなかったの？

サナ

気づかなかったよ

サナ

気がきかなくてごめんね

メイコ

気がきかないとか、そんなレベルじゃなくない？

メイコ

まあ、サナって昔から相手に対して言い方がきつくなったり、そっけなくなることが多いもんね

メイコ

それだから、深い友達とかできないんだよ

サナ

メイコって私の交友関係のこと、詳しく知ってるの？

サナ

何でそんな偉そうなこと言えるわけ？

メイコ

私、昔から周りの雰囲気とか見る力は誰よりもあると思うの

メイコ

サナって、みんなと話すとき、あんまり楽しそうじゃないじゃん

メイコ

本当に、相手のこと信用したりしてないからでしょ？

サナ

そんなことない！

サナ

誰のおかげで水曜日来れると思ってんの？

サナ

コミュ力が高い私のおかげでしょ！？

メイコ

別に、メイコに頼まなくたって、私はみんなと仲良くなれるもん

サナ

へーそうだったんだ

サナ

てっきり、みんなと話せるタイミングが分からなくて、クラスでぼっち極めてんのかと思った

メイコ

私、普通にみんなと話せるけど？

サナ

だって、学校が終わったら速攻で帰ったりするじゃん

メイコ

それは、妹が家で待ってるからだよ

メイコ

親が帰ってくるのが遅いから、遊び相手と、ご飯の用意をしないといけないの

サナ

そうやって、適当に理由作ってるだけでしょ？

サナ

自分が交友関係を作るのが面倒だから、適当に理由作ってるだけなんじゃないの？

メイコ

そんなことないし

メイコ

なんですぐに、そんな風に悪いように考えを転換するわけ？

サナ

そっちだって、私が人のこと見下してる、って決めつけたじゃん

メイコ

それは、決めつけたんじゃなくて本当のことじゃん

メイコ

周りの子だって、そういう目でサナのこと見てると思うよ

メイコ

側で話聞いてると、すごくわがままだな～って思うもん

サナ

そんなこと、言われたことないもん！

メイコ

今まで、周りにいた子が優しかっただけじゃない？

メイコ

きっとそうだよ

サナ

そんなことないし！

サナ

もう、そんなに私のこと嫌いなら、水曜日も来なければいいじゃん

メイコ

そうだね

メイコ

こんな気持ちで行っても楽しめないと思うし

メイコ

私、やっぱり行かない

サナ

どうせ、女子会やるってなってもメイコはおしゃれしようとか思わないんでしょ？

サナ

いつも、服は地味だし...

サナ

正直言って、ダサいよ？

サナ

女子大生のファッションだとは思えない

メイコ

そこまで言わなくたっていいじゃん

メイコ

まあ、いいや

メイコ

もう水曜日の予定はなくなったんだし

サナ

そうだね、じゃ

～次の週末～

サナ

ちょっと、メイコ！

メイコ

え？何？

サナ

あんた、今どこにいるの？

メイコ

今、駅前の美容院だよ

サナ

やっぱり...

サナ

今、そこで美容師として働いてる私のお姉ちゃんが、カットモデルしてくれた大学生の女の子、

サナ

って言って写真送ってきたの

メイコ

これ、メイコでしょ？

メイコ

あっ、今美容院出たところなんだけど、カットしてくれた人、

メイコ

サナのお姉ちゃんだったんだ

メイコ

すごく技術も高くて、ビックリしちゃった

メイコ

まだアシスタントから美容師になって、１年しか経ってないんでしょ？

サナ

うん...そうだよ

メイコ

それでさ、さっきクラスの子たちとばったり会ってさ、

メイコ

これから、みんなで買い物に行くことになった

サナ

え！？待ってよ！

サナ

今日は、クラス会でみんな予定あるはずなんだけど！？

メイコ

あっ、クラス会って今日だったの？

メイコ

会ったのはクラスの全員ではないけど、会った３人はこれから何も予定ないから、

メイコ

どっか遊びに行かない？って誘ってきたの

サナ

何でそんなウソつくの...

メイコ

まあ、私も妹たちがおばあちゃんたちの家から帰ってくる夕方までには、帰らないといけないけど

メイコ

でも、みんなとこうしておしゃれして出かけるの、

メイコ

大学生になってから初めてだからすごい嬉しいな

サナ

人が会う約束してた友達奪って、何が嬉しいの！？

メイコ

奪ったなんて、そんな言い方しないでよ

メイコ

誘ってきたのは、クラスの子たちからなんだもん

サナ

へ！？

メイコ

みんな、サナといると気を遣わないといけないからすごく疲れるんだよね、って言ってたよ

メイコ

やっぱり、サナって周りに対してはすごく自己中なんでしょ？

メイコ

ここだけの話、サナには急に予定入って行けなくなった、って言っちゃおう

メイコ

ってこそこそ話してたし

サナ

は！？

サナ

あっ、今、メッセージで来れない、って連絡来てた...

メイコ

まあ、そういうことだね

メイコ

結局、サナには信頼される友達はいなかった、ってことでしょ

メイコ

残念だったね～

サナ

ひどすぎる！

サナ

そんなことして、何が楽しいの！？

メイコ

別に、楽しんでるわけじゃないよ

メイコ

あっ、でも、ミサコさんにヘアセットしてもらってる時はすごい楽しかったよ

メイコ

無料でメイクもしてもらっちゃった

サナ

え！？無料で！？

サナ

お姉ちゃん、私にはメイクしてくれたことないのに...

サナ

なんでメイコにはすんの...

メイコ

肌もすごいきれいだね、って褒められちゃった

メイコ

どこのスキンケア商品使ってるの？とか、

メイコ

どうやってこんなきれいなコンディション保てるの？とか...

メイコ

別に、そんな特別なこと、してないんだけどね

メイコ

じゃあ、私これからみんなと遊びに行くから、またね

メイコ

学校で

～５分後～

ミサコ

サナ？さっき送ったカットモデルの女の子だけど、

ミサコ

もしかして知ってるの？

サナ

知ってるも何も...学校のクラスの友達だよ

サナ

いつも、地味な服着てて、メイクもそんなにすることないの

ミサコ

へ～もったいない

ミサコ

磨けば輝く宝石！って感じだね！

ミサコ

肌もつやつやでキレイだし、スタイルだっていいから、

ミサコ

スカートもパンツスタイルも似合うだろうし...

ミサコ

羨ましいな～

サナ

でも、どうせこの子、自分ではできないもん

サナ

今日が最初で最後でしょ

ミサコ

いや、このメイコちゃんって子、これからもうちのサロンのモデルをやってもらうことになったよ

サナ

え！？そうなの？

ミサコ

うん

ミサコ

私も美容師になって年数としては浅いし、無料でカットもするから、たまに練習台にさせて、

ミサコ

ってお願いした

ミサコ

すごいいい子だね～快くＯＫしてくれた

サナ

私には、お姉ちゃんメイクなんてしてくれたことなかったじゃん

ミサコ

だって、サナは肌の調子常に悪いから、

ミサコ

私がメイクしてさらに調子悪くなった、とか言われたらいやなんだもん

サナ

えっ、私、そんなにひどい？

ミサコ

酷いでしょ

ミサコ

隠してるつもりかもだけど、隠しきれてないよ？

ミサコ

食生活がひどいせいでしょ

ミサコ

ちょっとは見直しなよ

サナ

私、そんなにやばいかな...

ミサコ

う～ん、ちょっとね...

ミサコ

周りの子も、気づいてるんじゃない？

ミサコ

口に出して言わないだけで

ミサコ

サナもさ、メイコちゃんのこと見習いなよ

ミサコ

そしたら、メイクもきっと映えると思うし

ミサコ

そしたら、私もメイクしてあげるよ

ミサコ

まずは、自分磨きを頑張りな～

～後日談～

メイコ

サナは、自分から企画したクラス会をドタキャンされたことが相当ショックだったらしく、

メイコ

４日間ほど学校を休んでいました

メイコ

私は、ミサコさんのおかげで自分に似合うメイク、ヘアスタイルが分かり、

メイコ

お洒落を楽しみながら充実した楽しい大学生活を送ることができています

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結城　真矢

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