美香
ねぇ、本当に行くの?
辞めようよ……。

A子
大丈夫だって!
きっと楽しくなるよ

美香
そ、そうかな……

B子
あ、ほら!
着いたよ!

A子
おぉ〜雰囲気ヤバw
美香もこっちに来なよ

美香
や、やっぱり無理!
行きたくないよ……

B子
何言ってんの
私たち親友でしょ
せっかくA子が車貸して運転してくれたんだよ?
恩を仇で返す
なんて無いよね〜?

美香
そうだよね…分かった
頑張ってみるね

A子
それな〜
さ、入ろ?

B子
………っと
2人とも気をつけて
入口ガラス割れてるから危ないかも

A子
中めっちゃ暗いね
美香ぁ懐中電灯か
何か持ってきた?

美香
あ、ごめん
持ってない

B子
私2個持ってるよ

A子
さすが、B子!
1つ貸して〜

B子
はい、これで
もっと先に進めるね

美香
…………

A子
そういえばここって
何かあったの?
心霊スポットなんでしょ

美香
…確かに

B子
あー何か親友だと思ってた友達に裏切られた
幽霊が迷い込んでる
らしいよ。

A子
えー何それ可哀想

B子
騙された方が悪いでしょ
それくらい分かれよw

B子
さ、沢山の部屋が
見えてきたよ〜
ホテルだったのかな?

A子
うぁぁー
閉じ込められたら
終わりだね

B子
ほら、美香先入って
懐中電灯貸したげる
はい、どーぞ!

美香
あ、ありがとう

美香
(…流石にここで
私が進まないと
2人に見離されちゃう)

A子
お、いいね〜♪
勇気ある!!

B子
さすがうちらの
親友だよねー

美香
あ、ありがとう!

美香
(1歩ずつ慎重に…)

美香
え?

美香
え?え?
な、なんで…!

美香
い、嫌だ怖い!
お願い開けて!

A子
あははははっ!
何引っかかってんの
マジで笑えるんだけど〜

B子
冗談でしょ?
騙されるのも
ほどほどにね〜w

美香
な、なんでこんな……

A子
え〜?wだって
美香っていつも
のろいじゃん?

A子
どんな事でもいつも
ビリだしさ〜

B子
見ててイラつくよねw

A子
ほんと、ストレスの塊なんだから、そこで少しくらい反省しててよ。

美香
す、少しって
どのくらい?

B子
んー、死ぬまでとか?w

A子
噂の幽霊と
お揃いじゃーん
マジ運命感じるわw

B子
そんじゃ
A子の車で送って
もらうとしますか〜

A子
了解しましたぁ!
じゃ美香いつかどこかでまた会おうね〜

美香
え、ま、待ってよ!
私の事、車に乗せて
もらわなくていいから

美香
…せめて鍵だけ開けて!

美香
お願いします
お願いします

A子
じゃあ最後に
事実教えてあげるわ

美香
…事実?

B子
実はねサークルの皆、美香の事嫌ってるんだよ〜?

B子
近づきたくもないってね

B子
(まぁ、嘘だけど)

美香
………うっ
うぇぇぇん

A子
うーわ、遂に泣き出した
B子、早く抜け出さないとそろそろ深夜だよ。

B子
うわぁ、ほんとだ
行こ行こー

A子
美香、今まで親友で
ありがとぉ

B子
うん、付き合ってあげただけ感謝しててね

美香
う、暗いよ怖いよ
お母さん……

美香
クラスのみんなに
嫌われてたなんて……

美香
……まぁ仕方ないよね
私がマイペース
なのは事実だし。

美香
頑張ってきたんだけどな……えへへ…

美香
…………

美香
え、な、何?

美香
A子?戻ってきてくれたの?
それともB子?

美香
ドアが勝手に開いて…?

美香
え、まさか噂は
本当だったの?幽霊!?

美香
い、嫌だ
死にたくない

美香
お願い助けて

幽霊
…………

よく見ると白いワンピースを着た長い髪の女が
目の前に立っていた。
美香
………!

美香
あ……ぁぁ…

幽霊
…………

美香
い、いやぁぁぁ!

美香
ま、待って!
痛い、痛い…!

美香
ねぇ、お願い!
その手を離して!

美香
私はまだ生きていたい!
…殺されたくないよ

美香
あれ、ここ……

美香
建物の入口…

美香
私の事、
助けてくれたの…?

幽霊
…………

美香
……そうなんだ
ありがとう…ございます

美香
(なんか、少しだけ
安心したかも……)

幽霊
…………チャリン

美香
……鈴?
か、可愛い…

幽霊
……チャリンチャリン

美香
お気に入りなの…かな?
鈴って綺麗ですよね…。

美香
私も好きです。

美香
へぇ、鈴が2つも
あるんですね……

幽霊
…………

美香
………え、私に?

幽霊
………コクリ

美香
あ、ありがとう……

美香
……あっ!
そういえば今何時だろう

美香
早く帰らなきゃ!

美香
あ、でもA子とB子には
置いていかれちゃった…

幽霊
………………!

美香
…………!

美香
んー!んー!

幽霊
…………さよなら

美香
…………

美香
(……ハッ!)

美香
今、私、夢見て…?

美香
あれ、なんで私は
ベッドの上で寝てるの?
確か昨日は………

美香
……夢じゃないんだ

美香
あれ…手に何か…

美香
こ、これはあの子の…

美香
……………

美香
きっと大切な物の
ような気がする…

美香
かばんにつけておこう

美香はなんとなく
昨日行った心霊スポットに
引きつけられた気がした
美香
…車で行ってみようかな

美香はかばんを持って
エンジンをかけて昨夜の
心霊スポットまで車を走らせた
美香
……着いた

昨夜の暗くて怖いような
感じはなくなり、どこか寂しい感じがしていた。
美香
(…あの女の人いるかな)

美香
「あ、あの!
誰かいますか!」

美香
…………

美香
(…でもどことなく
気配がする)

美香
あの、私昨日おじゃました美香です!!

美香
あの…送って…
くれたんですよね……?

美香
凄い助かりました
ほんとにありがとう
ございました

幽霊
………………

美香
…A子もB子も亡くなってしまったらしいんです。

美香
でも素直に悲しめないというか…複雑な心境です。

美香
こ、こんな親友
最低ですよね!

幽霊
………………

美香
え、えっと
お礼を言いに来ただけだったので…失礼します

美香
本当にありがとう
ございました

幽霊
…………チャリン

美香
…………!

車に戻ろうとした時
自分のかばんの鈴とは違う鈴がなった気がした
美香
……バイバイ

幽霊
…………バイバイ
