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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

太古の昔から、人類は知性を持ち文明を発達させてきた

しかし何度も核戦争で滅び、その度に文明の痕跡は残らなかった

それでも、この世界の何処かにある図書館には

核戦争で滅びる以前からのすべての本が

所蔵されているという

ビブリア

この世にある全ての本が所蔵されてる…ね

この図書館について書かれた本を読みながら、ビブリアは一人溜息をつく

この世の全ての本が所蔵されている、なんて結構な事のように書かれているが、実際ただの記録室程度の存在なのだ

ビブリア

別に、ここまでの事はしてないのにな

長い黒髪をなびかせながら、ビブリアは本を元の位置に戻した

エイレーン

相変わらず本好きだな、ビブリア

ビブリア

久しぶりね、エイレーン

ビブリアは、図書館のもう一人の住人にそう声をかけた

この図書館は凄く広いから、会うことはあまり無い

ビブリア

で、なんの用?

エイレーン

別に、お前を見掛けたから声を掛けてやっただけ

ビブリア

そう……本好きにでもなったかと思ったわ

エイレーン

本読むくらいなら、死んだ方がマシだね

ビブリア

あらそう、酷いこと言うのね

エイレーン

自分の趣味を他人に押し付けるお前よりかはマシだよ…ってやめろよ痛いだろ!

ビブリアの手がいつの間にか赤色のスライムで出来ているかの様になり、口のように空いた部分から塩酸をエイレーンにかけた

ビブリア

次私の事を悪く言ったら全身溶かしてあげるわ

ビブリア

覚悟しなさいね

ビブリアは、外見は黒髪の美人だが実際は図書館を守る為に作られた赤いスライムの様な生物だ

もし、図書館に悪意を持った侵入者が入ってきた場合

口のような所から塩酸を吐き出して溶かして殺す

そんなことをしたら本も壊れてしまうと思うかもしれない

しかし、ビブリアの能力の修繕で本は治すことが出来る

エイレーン

はいはい、悪かったよ

エイレーンは溶けた部分を押さえながらビブリアに言う

手を離した時には、溶けた部分は回復していた

エイレーンは、二世紀頃に図書館に迷い込んできたギリシャの無産市民だ

最初は侵入者と思われてビブリアに殺されかけたが、事情を説明すると助けてくれると言ってくれた

ビブリアは人間はあまり好きではないらしいから、何故助けたのか分からない

そして、ビブリアはエイレーンの話を書いた

ビブリアの書いた話の設定は図書館内でのみ適用される

ビブリアの書いたエイレーンは、どんな傷からも再生して絶対に死ぬ事の無い不老不死の青年だった

ある意味呪いのようなものだが、ビブリアはこれ以外の助け方が分からなかったのだ

ビブリア

全く…言動には気をつけなさいね

エイレーン

お前本当に殺しやりそうだからな

ビブリア

全く…言ったそばから

エイレーン

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ビブリア

五月蝿いわね、怪物

出会う度に口喧嘩を繰り返す

二人の住人の、日常だ

図書館魔人と不死身の怪物

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