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莉奈
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りりあ@☔🌈💙🤍
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#96猫
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それから、数日が経った。 私は、いつも通りに過ごしていた。 学校へ行って、 帰ってきて、 ご飯を食べて、 お風呂に入って、 眠る。 何も変わっていない。 ……そう思っていた。
母
夕食中、お母さんが言った。
ましろ
母
ましろ
母
お父さんも新聞を見ながら笑う。
父
母
二人が楽しそうに話している。 私は黙ってご飯を食べていた。
母
ましろ
母
ましろ
まただ。 胸の奥が、少しだけざわついた。
ましろ
それ以上、何も言わなかった。 テレビがつく。 しばらくして、お兄ちゃんが映った。
母
お母さんが嬉しそうな声を出す。 お父さんも
父
と笑った。 私は画面を見る。 そこにいるのは、私の大好きなお兄ちゃん。 歌っているときのお兄ちゃんは、いつもより少し遠く見える。 キラキラしていて。 たくさんの人に囲まれていて。 私は、そんなお兄ちゃんを見るのが好きだった。 ……なのに。
母
その一言で、 画面が急に遠くなった。
ましろ
何も言えなかった。
母
お母さんがこちらを見る。
……うん
笑った。 笑えているかは、分からない。 テレビでは、お兄ちゃんが笑っていた。 私はその笑顔を見ながら、 『お兄ちゃんみたいに』 という言葉を頭の中で繰り返していた。
その夜。 自分の部屋に戻ってから、私は机の前に座った。 引き出しを開ける。 中には、昔使っていた小さなノートがあった。 表紙には、子どもの頃の字で、 『うた』 と書いてある。 ページを開く。 そこには、昔書いた歌詞が残っていた。 『いつか、おっきなステージで歌いたい』
ましろ
思わず笑った。 昔の私は、何も知らなかった。 お兄ちゃんと比べられることも。 「お兄ちゃんみたいに」と言われることも。 自分の好きなものまで、誰かと比べられてしまうことも
ましろ
ノートを閉じる。 歌いたい。 本当は、今でも歌いたい。 でも――
ましろ
ぽつり 口に出した瞬間、自分でも嫌になった
ましろ
首を横に振る
ましろ
少し考えて
ましろ
誰かに聞かれるのが怖い。 お母さんに
母
って言われるのが怖い。 誰かに、
誰か
って言われるのが怖い。 だから私は、 ノートをまた引き出しの奥へしまった。
その翌朝。
母
ましろ
鏡を見る。 いつも通りの顔。 いつも通りの制服。 いつも通りの朝。
ましろ
母
玄関を出る。 歩きながら、私は小さく呟いた。
ましろ
誰にも聞こえない声で。
ましろ
そう言ったのに。 胸の奥では、昨日の言葉がまだ消えていなかった。 『お兄ちゃんみたいに』 その言葉は、少しずつ。 少しずつ。 私の中に残っていった。
コメント
1件
莉奈さん、第5話読みました。 「お兄ちゃんみたいに」——その言葉の重みと、「私が歌っても意味ない」って自分を否定するところ、すごく胸が痛みました。昔の「うた」のノートを開くシーンが切なくて。歌いたい気持ちはあるのに、比べられるのが怖いから閉じ込めてしまう。その葛藤がとてもリアルで、ましろの「私は私」って呟きが心に残りました。 伏線の配置も自然で、この後どう動いていくのか気になります。素敵なエピソードをありがとうございます!