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君といられる最後の夏

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君といられる最後の夏

2 - 感情。

♥

43

2020年03月13日

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放課後になり、

裏庭に向かうと彼女がいた。

...なに?

結月

っ...

結月

流涙と仲良いの?

彼女はそう聞いてきた。

僕はめんどくさい事に絡まれたくなかったから

手短に答えた。

友達って訳ではない

結月

じゃあなんで一緒にいたの?

図書館に付き合ってって言われたから

結月

......

結月

流涙、なんか言ってなかった...?

声のトーンが急に落ちる。

(昨日のことは、言わない方がいいか)

特に何も

結月

あの後も?

うん

結月

.........

...そんなに気になるなら本人に聞きなよ

ガサッ─

......

結月

ごめん、ありがと

タッタッタッ─

...............

流涙

流涙

ビクッ......

流涙

バレてた、?

、僕にはね

流涙

2人でどこか行っちゃったから

流涙

何か言われてないか心配で...

流涙が気にすることじゃないよ

流涙

ありがとう、

あ、そうだ

流涙

え?

昨日さ スマホと本忘れてたよな?

流涙

へっ、あっ、えっ?!

流涙

ほんとだっ!w

気づいてなかったの?

流涙

うんっw

はい

流涙

ありがとう!

流涙

それでっ、さ...

何?

流涙

あのさ...

うん...

流涙

ん~やっぱなんでもない!

流涙

じゃあね!

タッタッタッ─

彼女はいつもと一緒だった

月宮 流涙 を演じていた。

本当の彼女はいつ...

(いや、考えるのはやめよう...)

僕は教室へ戻った

ガラッ─

教室を開けても誰もいなかった。

きっと...

今日は流涙も帰っただろう。

そう、思ってた時

ガラッ─

いきなり大きな音で教室の扉が開いた。

反射的に振り向くと、

そこにはクリーム色の髪を2つに結んだ女子がいた。

顔を真っ赤にして教室に入ってくる姿を見て

自分に用があると察した。

琴音

木下くんっ!//

...はい

琴音

隣のクラスの...

琴音

佐藤 琴音です...//

............

琴音

初対面でなんだコイツって思ったと思うんだけど...

うん、

琴音

すっ、好きですっ!//

...え?

予想外の言葉に僕は驚いた。

質問を重ねようと思ったが、彼女は続けた。

琴音

1年生の頃...

琴音

木下くんの書いていた絵...屋上で、

あっ、あぁ...

僕はすぐに納得した。

きっとあの人だろう...

僕は友達もいなくて、

することもなかったから、

昼休みはよく屋上で絵を書いていた。

だけどある日。

ガチャ─

クリーム色の髪を2つに結んだ女子が来た。

琴音

ひゃっ、あっ...すいません...

彼女は驚いて扉を閉めようとするが

僕はすかさず声をかけた

別に気にしないけど

琴音

...本当?

同じ1年だし

琴音

ありがとうっ(*ˊ꒳ˋ*)

彼女は顔を明るく見せた。

琴音

何書いてるのっ?

彼女の言葉一つ一つがふわふわしていた。

琴音

空かぁ...

琴音

空っていっぱいかけるよねっ?

え?

琴音

だってさ~

琴音

星空 朝空 夕空...あとは~

彼女はさっきと人が変わったように話した。

よく知ってるね

琴音

空が好きなんだ。

琴音

なんにも考えずに悠々と見てれるからさっ

そう言って彼女は寝っ転がった。

よく来るの?

琴音

時々ね。

彼女は目を瞑って答えた。

琴音

"木下 蓮"って言うんだ

え?

琴音

絵の隅っこに書いてあるっ!

彼女はそう言って指を指した。

琴音

蓮くんの名前はいいねぇ~

なんで?

疑問に思って聞いても

彼女は答えなかった。

琴音

なんでだろうね。

なにそれw

彼女とは1年間よく話していた。

だけどある日

突然来なくなった。

琴音

私っ、

琴音

蓮くんの書く絵が好きで...

琴音

ずっと蓮くんの傍で見ていたいのっ!//

琴音

よかったら、

琴音

友達から...//

そう言って彼女は手を差し出してきた。

僕は少し迷った。

だけど答えには迷わなかった。

君とは話が合うし、

一緒にいて楽しいよ。

琴音

えっ//

友達で良かったら

そう言って彼女の手を握った。

琴音

本当にっ?

琴音

ありがとう( ・ᴗ・̥ )

どういたしまして

これが悲劇の発端だったと、

この時の僕は気づいていなかった

琴音

ねぇ、よかったら一緒に帰らない?

え...

前にいるのは彼女なはずなのに

僕の目の前にいるのは

流涙の姿だった。

琴音

蓮くん、?

あっ、え...ごめん、

でも、そんなことが幻覚だとすぐに気づいた。

彼女とはさっき別れたから

...ごめん

琴音

へ?

今日は、帰れない

じゃあ

タッタッタッ─

琴音

蓮くん...

流涙!

タッタッタッ─

僕は無我夢中で公園へ走った。

流涙

木下くん...?

はぁはぁ...

流涙

どっ、どうしたの?!

......言いかけたこと、

教えろよ

流涙

っ...

流涙

ごめん、忘れて?w

彼女は無邪気そうに笑った。

なんで?

流涙

しょうもないことだからさ!w

...なんか、

隠してる?

流涙

っ...!

......

流涙

あ~あ、

流涙

なんで、木下くんには気づかれちゃうんだろ...

彼女は切なそうに笑った。

わかるよ

流涙

え...?

ずっと見てきたから

流涙

...//

彼女の顔は一気に赤く染った。

僕は言葉を思い返し、混乱した。

あっ、やっ...違っ...//

戸惑った言葉の返答に、

彼女は頬をふくらませた。

流涙

嘘なのっ?

...からかってる?//

僕は疑問に疑問を重ねた。

流涙

.........

流涙

あのね

...うん

彼女は急に顔色を変えて話し始めた。

流涙

今日、女の子に告白された...?

意外な質問に言葉が詰まった。

え...

流涙

ことちゃんがね、

流涙

昨日相談してきたんだ...

.........

僕は流涙の言葉に返答出来なかった。

流涙

どうやって話しかけようって

流涙

私の事覚えてるかなって...

流涙

ずっと話を聞いてたんだ。

流涙

...それでね、

うん

彼女はまた顔を赤くしてこちらを見た。

流涙

ちょっと...嫉妬してた、//

...えっ//

考えてもなかった言葉に

お互い頬が熱くなった。

流涙

だから、放課後ね...

流涙

一緒に帰ろって誘って告白の邪魔...しようとした、

...ふ~ん

流涙

なにっ!

流涙

人がせっかく真面目に話してるのにっ!//

わかってるよ...

...ただ

流涙

ただ...?

嫉妬してくれたんだぁって...

流涙

...もぅ、//

なぁ、流涙

流涙

...ん?

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