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ザー.......ザザー.........

梅雨の昼時

下駄箱の前で、君に出会った

(あ.....)

(傘、忘れちゃった)

(雨宿りしなきゃ...)

凛さん

あ、樹君

あれ.......?

もしかして、傘忘れた?

う、うん.......

入る?

え?いいの?

うん

ザザー..........ザー....

タッ...タッ....タッ.......

帰り道、

君との会話は楽しかった

アニメの事

家の事

学校の事

誰よりも弾んだその会話は、

私の心がドキドキした

今日はありがとう

いえいえ

色々話せて楽しかったよ

うん、そうだね

あの、家近いよね

うん

また、話さない?

色々気が合ったし....

............

うん

いいよ

その時、ちょっと面白いことを考えていた

君は、私のことが好きかもしれない

つい、私自身も笑っちゃうような考えだった

でも、その時に気付いちゃった

私が君のことを好きだって

ザー.....ザザー......

私はまた、下駄箱で君を待つ

あれ?

もしかして......

.........ごめん

また忘れちゃった

ザザー......ザー...........

タッ....タッ.....タッ........

また、君と話をした

君との会話は、もっと弾んだ

でも私は、

胸が痛かった

...........

嘘ついて......ごめんなさい........

雨に吸い込まれそうな小さな声で、私は呟いた

何か言った?

ううん、何でもない

謝らなきゃ、ダメなのに......

逃げ出してしまう

自分がわざと傘を忘れたなんて事実に

こんな事はダメだって分かってる

でも、

私は君と一緒にいたいから───

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