浅倉先生と樋越くん

俺は不良が嫌いやった

自分に酔ってイキる奴が偉そうにしてるのが気に入らんから

俺も見た目はチャラかったけどあんなアホなことはしてない

自分で言うが真面目な方やと思う

親の都合で連れてこられた不良の多い街

まともなやつの方が珍しいぐらいのアホな連中がおる

学校も、どこにでもおる不良

見た目がこんなんやから俺も不良やと思われる

そのおかげで不良に絡まれることはあんまりなかった

ただあんな連中と同じにされるんは嫌や

ここは俺の休憩場所

誰も通らんから安心安全や

何気ない日常、突然として出会った風真

そこら辺の不良とは少し違った変なやつ

これが俺の第一印象やった

見た感じ、あんまり悪そうな奴ではない

でも印象が変わったんは次の日

俺が初めて人を好きになった瞬間

誰も通らんいつもの場所が何故か騒がしかった

何があるんだと覗いたそこには、信じ難い光景があった

目の前には、猫を虐める奴と

それを止める風真の姿が

途中から来たやつも殴り合いに参加して、風真はどんどんボロボロになっていった

猫1匹のために、不良のくせに

守るために拳を振るうあいつは、かっこよく見えた

そしてしばらくして2人は去っていった