ひろし視点だわよ! 1回しかラブ子出てきません!
……我ながら、ほんとになさけねぇ。
最近はラブ子の前で平気なふりをするだけで精一杯だ。 胸の奥は重くて、息を吸うたびにじんわり痛い。
ラブ子
あの名前を聞くだけで心がざわつく。
ひとし。 同い年で、人気者で、おしゃれで。 ラブ子が気になって仕方ない相手。
--勝ち目なんか最初からねぇ。
そう分かってるのに、気づけば家で一人考えていた。
野原ひろし
思った瞬間、胸がズキンと傷んだ。
俺が……そんなこと考えるなんて。
ふざけんなよ、 ともう1人の俺が言う。 でも、苦しい方の俺は押し返す。
野原ひろし
夕飯の準備をする手がふと止まる。
ひとし、か。 同い年なら、学校が同じ。 なら、アドバイスのフリして距離をとらせれたり……?
野原ひろし
いや、それは最低だ。 そんなこと言ってラブ子傷つけたらどうすんだ。
でも、別の案が浮かぶ。
野原ひろし
いや、それもひどい。 親じゃねぇんだぞ俺。
さらに、心の奥のダメな部分が囁く。
野原ひろし
野原ひろし
自分で言って、自分に吐き気がした。
ひろしはテーブルに両肘をつき、 額を押さえる。
野原ひろし
どれだけ考えても、出てくるのは 情けない嫉妬ばかりだ。
でも、それでも思ってしまう。
野原ひろし
それなのに、 その笑顔が自分以外の誰かに向けられていくのが怖くてたまらない。
野原ひろし
誰にも届かない弱音を、静かな部屋に落とす。
明日もまた、平気なふりをして公園に行くんだろう。
ラブ子の隣に座って、 笑って、相談に乗るふりをして。
本当は-- ひとしの話なんて聞きたくないのに。
コメント
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いい話やな(?