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あの日だって…

娘(優愛)

お母さん!

娘(優愛)

今度の日曜日に授業参観があるんだけど…

その日は無理

仕事があるから

娘(優愛)

そっ…か…、

娘(優愛)

分かった!

娘(優愛)

今度また、仕事が無かったら授業参観見に来てね!

うん

娘(優愛)

……

今思い返せば、

娘は明るく振舞っていたけれど

どこか寂しそうな声だった。

明日から3日間仕事で居ないから

ご飯は自分で作って食べてね

娘(優愛)

(ぇ…、明日って………)

娘(優愛)

……うん!

娘(優愛)

お仕事頑張ってね

うん

娘の誕生日が明日だったのに

私はプレゼントも祝福の言葉もあげられなかった。

娘(優愛)

お母さん…、具合悪い…。

えぇ、?

だけど私もう仕事に行かなきゃだから…

足元はフラつくの?

娘(優愛)

ちょっとだけ…

娘(優愛)

熱は微熱だった…

じゃあ大丈夫ね

学校行きなさい?

私も何かしてあげれる訳じゃないし

具合悪かったら保健室で休んでなさい

娘(優愛)

でも…、ほんとに辛くて……

甘えないで

微熱程度なら大丈夫でしょ?

だから行きなさい

娘(優愛)

……、そうだね…

娘(優愛)

私の考えが甘かったよ

娘(優愛)

準備してくるね

うん

じゃ、私は仕事行くから

行ってきます

娘(優愛)

行ってらっしゃい

娘(優愛)

………

なぜ休ませなかったのだろう

娘の顔色は悪かったのに

保健室で休んでればいいなんて、

あの夜が娘と最期の会話だなんて…、

娘(優愛)

(お母さんまだかな…、)

娘(優愛)

(晩御飯作ったから食べてもらいたいのにな…)

ガチャ…__

娘(優愛)

娘(優愛)

お母さんお帰り!

娘(優愛)

あのね、今日私が晩御飯作ったから…__

もう、すぐ出るから

物を取りに来ただけなの

晩御飯なんか食べてられないの

娘(優愛)

で、でもね…

娘(優愛)

出来たてが1番美味しいと思うんだ…

娘(優愛)

だから…__!!

ッ!!

うるさい!!

甘えないでよ!!

無理なもんは無理だから!

娘(優愛)

…!!私は…ずっとずっと我慢してきた…

娘(優愛)

お母さん、お父さんが出てってから変になった…。

娘(優愛)

前みたいな優しいお母さんに戻ってよ…!!!

知らない…

そんなの…

娘(優愛)

私がどんだけ辛い思いをしてきたか分かんない癖に!

プツッ…

私は貴女みたいなわからず屋な子を産んだ覚えなんかない

あんたなんか…

存在してないの

だから今すぐ消えてよ!!

感情に任せて溢れ出た言葉

………

後輩

先輩!!!!

何?

後輩

今電話があって…、

『娘さんが飛び降りて救急搬送されたって…』

………え…?

衝撃だった。

あの子が死ぬはずないなんて、

その時は思ってた。

び…病院は何処なの…?

後輩

○△病院です。

私行ってくるから、

上の方には代わりに説明お願い…!!

後輩

はい‼️

ッ!!

(お願い…、生きてて…)

ハァ…ハァッ…

あ、あの!

看護師

はい?

娘の…優愛は何処に?!

看護師

優愛さんですか…?

看護師

それならまだ手術中ですが…、

何処ですか?!

看護師

真っ直ぐ行って突き当たりを右です。

ありがとうございました…ペコ

看護師

いえいえ

……

カチッ

!!

先生!!

優愛は…、優愛はどうなったんですか?!

医者

優愛さんのお母様ですか?

そうです‼️

医者

……

医者

大変申し訳にくいのですが…、

医者

私達も最善を尽くしました。

医者

ですが、優愛さんは先程

息を引き取りました。

1番聞きたくなかった言葉、望んでいなかった言葉を

医者から受け取った私は、

膝から崩れ落ち、今までに無い程

涙を出し続けた。

うッ…

医者

お母様、最期に

医者

優愛さんにお顔を見せて上げてください。

はい…

娘(優愛)

………

そこには、青白い顔をした娘が横になっていた。

優愛…、

ごめんなさい…

私があんな事言ったから…ッ

娘(優愛)

ううん…、

娘(優愛)

お母さんも辛かったのに

娘(優愛)

それを私も分かってなかったから、

娘(優愛)

大好きだよ

娘(優愛)

お母さん、じゃあね…

え…?

そこには、相変わらず横になっている娘が居た。

霊体になった娘が、最期のお別れをしに来たんだと思うと

また目から涙が零れ出した。

私は、感情に任せて放ってしまった、

その言葉が故に…__

人に死への道を切り開かせてしまうのだと、

そう思った。

―[END]―

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