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駅から出ているバスに乗って十数分。
トンネルを何本か越えた辺りで不安になり始めたが、いざ目的のバス停で降りてさらに不安になった。
一里之
要
同行者の要も若干不安そうではある。
一里之
要
要
一里之
一里之
こうして、千早の店まで2人が向かっているのには理由があった。
要
要
一里之
要
要
一里之
一里之
一里之
要
要
一里之
山道を歩くことしばらく、集落らしきものが目の前に広がる。
一里之
一里之
要
要
一里之
一里之
呪い――そんなもの世の中にあるわけがない。
多くの人はそう思うかもしれないが、いざ自分が当事者になると、あまり良い気分ではない。
警察に相談するわけにもいかず、かと言って自分達で抱え込んでいるだけなのは気味が悪い。
だからこうして、千早を頼ることにしたわけだ。
この時の一里之達は、千早が【いわく】の査定を生業としていることを知らない。
もしかすると【いわく】が千早の元へと集まるような力が働いていたのかもしれない。
一里之
集落の中を進み、公民館らしき建物の近くで立ち止まった。
要
要
店の外観は、決して良いものではなかった。
千早には申し訳ないが、手入れの行き届いたお化け屋敷――という表現がしっくり来た。
一里之
店の引き戸を開けると、薄暗い店内へと声をかける。
要
店の中に入ってみると、実に気味の悪いものが陳列されていた。
【所有者がことごとく病で倒れたデスマスク】
【夜中にちょっとだけ動く日本人形】
お世辞にもセンスが良いとは言えないものが並んでいた。
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どうやら、先客がいたらしく、カウンターの近くに座っていた男が振り返った。
一里之
思わず会釈をする一里之。
千早
千早が言うと、男は椅子から立ち上がり、嬉しそうに握手を求めて来た。
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やたらとフレンドリーな男と握手を交わす一里之と要。
千早
千早
一里之
斑目
千早
千早
一里之は要と目を合わせてから切り出す。
一里之
要
要
その声を聞いたからなのか、店の奥から黒猫が姿を現す。
猫はカウンターへと飛び乗ると、千早に向かってニャーと鳴いた。
要
千早
千早
紹介をされたチョピは、やや誇らしげに一里之達のほうに向かって鳴くと、もう一度千早のほうを向いて鳴く。
千早
千早
一里之
一里之は今の状況を簡単に説明する。
千早
一里之
要
千早
斑目
千早
斑目
千早
千早としては斑目なる刑事を追い払ってしまいたかったのであろう。
しかし、それはあえなく失敗したようだ。
千早
千早
千早
そう言って店の奥に消えた千早。
要
一里之
しばらくすると千早がお茶を淹れてくれて、カウンターの上に湯呑み茶碗が並べられる。
千早
一里之
一里之はリュックの中から原稿を取り出す。
そのまま入れるわけにもいかなかったから、A4サイズのクリアケースに、半分折りの原稿用紙を入れて持ってきた。
千早
千早は視線を落とすと、その長い髪を後ろに束ねてゴムで結ぶ。
その仕草が、なんだかとても妖艶に見えてしまい、一里之は思わずドキリとする。
要
要
千早
呪いの原稿は、読んだ者に呪いをかける。
すなわち、これを読んだ千早にも呪いがかかるというわけだが、彼女は怖気付くどころか、薄らと笑みを浮かべて口を開いた。
千早
千早の近くにいたチョピが、なんだか誇らしげに、短くニャッと鳴いたのであった。