犬本 蒼
……ん…、ぅ…?
どうやら俺はあの後気絶したらしい。気が付くと保健室のベッドに横たわっていた。
あれ、遠くの椅子に黄さんがいる
鬼本 黄
…
…あ、れ…、っ?
黄さん…、何…して
鬼本 黄
グサッ
犬本 蒼
(!?)
何故だ?声が出ない…体も動かない…黄さん…?
なんで…足なんて刺して…
鬼本 黄
グサッ
犬本 蒼
(黄…さん!?)
なんで…皆俺の傍から……離れていくんだよ…っ
なんで…っ!
鬼本 黄
お願いだから泣かないで
鬼本 黄
もう俺の前で泣かないで
鬼本 黄
俺だって泣きたいよ
…なにか、夢を見ていたのかな…何も思い出せない
犬本 蒼
ぅ…、?
鬼本 黄
あ、起きましたか
犬本 蒼
黄さん…?足…
鬼本 黄
?足がどうしたんですか?
犬本 蒼
あ、あれっ?俺、なんで足なんか気にして…?
鬼本 黄
えーと、気にしない方が良いですかね?w蒼さん、あの後気絶してたんですよ?
犬本 蒼
そうなんだ…
今…何時だろ
鬼本 黄
4時です
犬本 蒼
え、あ、ありがとうございます
どうやら声に出てたらしい
鬼本 黄
あの時急に叫んだもんでびっくりしましたよ笑
犬本 蒼
あ、すいません
鬼本 黄
いや別に謝らなくてもいいですけど
鬼本 黄
あ、そうだそうだ。これ、おばさんから貰ったんですけど
そう言って黄さんはポケットから1枚のチケットらしきものを取り出した。どうやら遊園地のチケット?らしい
鬼本 黄
これ遊園地のチケットらしくて、おばさんは若者に渡しておきたいからって貰いました☆
犬本 蒼
凄いね
どうやら見た感じこれは1等券らしい。おばさん凄
鬼本 黄
2人で行けるらしいんで行きません?
ちょっと迷ったが、まぁ遊園地でちょっくら遊んでから死ぬのも悪くないなと、俺は頷いた
鬼本 黄
じゃ、家まで送りますね
前から思ってたけど黄さんって、多分俺より一つ下だよな。なんで三年来てるんだろ
というか一つ下なのに凄い気効くから少し驚いた
鬼本 黄
うーん、もう暗いなぁ
黄さんは帰り道の途中何回も独り言を呟いていた。沈黙は気まずいからかな、と黄さんの独り言を左耳から右耳に流していたら、俺の家に着いた
犬本 蒼
ありがとうございます。ここまで来てくれて
鬼本 黄
あ、ここですか。じゃ、明日ですよ?分かりました?
明日!?
ま、まぁいいけど…俺は「おやすみなさい」と一言言葉を交わして家に帰った