テラーノベル
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どうもリーブです
今作品はミクル様の「1000人記念コンテスト」出展作品です
作品提供が遅れてしまい、申し訳ございません
いつもと違う感じに仕上げてみました
コンテストに出せる程の作品、と言うのには相応しくない作品かと思われますが、
暖かい目で見て下されば幸いです
登場人物.ウォーターチャレンジ
WARNING
本人様とは関係ありません 私の想像で生まれた創作です
一部キャラクターに擬人化、成長表現が含まれます
(中の人がスランプになってしまった為、流れ等がおかしい可能性があります)
それでは
──────今、何時だ……?
その問いが、頭にへばり付いた
僕は近くに置いてある時計を取り、目を落とす
23時
「分」は要らない、それだけで情報は十分だ
僕は両腕を瞼の上に置き、大きく一つため息をついた
ミスターバナナ
何気なく呟いた言葉が、大袈裟に部屋に反響して妙だった
いつもは感じない真夜中の現実に、ぶるっと鳥肌が立つ
ミスターバナナ
遂に、僕は形にしてしまった
僕は9時に布団に入ったのだが、全く眠れない
別に普通に生活して、いつも変わらない日常だったのだが… 今日から夏休みだと言うのに、幸先が悪い。
明日は予定がある、だから早く寝なくては……と思っているが、体は休む事を拒んでいた
僕は、カチコチと正確に時を刻む時計にムカついてしまう
レッドではないが、目を閉じる事すら面倒に感じる
ミスターバナナ
ぼんやりと目を開く
見慣れた部屋の天井と、足で散々蹴り飛ばしてオムライスみたいになった布団が見える
ミスターバナナ
ミスターバナナ
無理矢理だがそう願い、体を横に向ける
何だかパンチが足りないと、手探りで見つけたスマホで「眠れる音楽」と調べ、流した
ここまでするのは初めてだと、僕は思う
目が慣れ切って暗いとも感じない部屋のベットで横になる。 ただただ。
僕はその中で、体が休みを欲するタイミングが来るのを待つ
ミスターバナナ
ミスターバナナ
もちろん、そんな訳はない
そう疑ってしまう程、体が眠りたくないと叫んでいる
…いや、もしかしたら拒んでいるのは「頭」だろうか…?
どちらにせよ、病気かと思える程眠れない事実は変わることは無い。
横になるという赤子でも出来る簡単なことすら諦めて、左手でマットレスをグッと押すと、体を持ち上げた
ミスターバナナ
そう呟くものの、電気をつける体力が戻らず、椅子に座った
椅子に体が沈んで行くのを感じながら、天井を見る
何もない虚空を、じっと見つめる。
____目が慣れ切った暗さは、まるで薄い霧が立ち込めているようだ
何かを行う気力も無く、時が過ぎるのを待つ
意味が無いと思っているが、僕は動く勇気が生まれなかった
ミスターバナナ
ミスターバナナ
そこでようやく頭が元に戻った
ミスターバナナ
ド正論だ、と僕は自分が言ったのに思わず吹き出してしまう
そう理解してしまえばこっちの物だ
ゆっくりと、立ち上がる。散歩にでも行けばいいのではないかと考えたからだ
……その時
バ───王子!!
ミスターバナナ
よく聞こえなかったが、この呼び方は…学校ではなく、今の生活を知らなかったあの頃の呼び方だ
「絶望」というものを他所事だと思っていた、「幸せ」が当たり前だった頃の…僕の呼び名。
____いずれ絶望を痛い程思い知らされるとは、思ってもいなかった、あの頃。
呼んだ声は…「彼女」だろうか
ミスターバナナ
ミスターバナナ
ミスターバナナ
水道管が破裂するみたいに、次から次へと、昔の…記憶が流れ出す
それらは、災害の爪痕の様に、僕の脳内に記憶を焼き付けるように巡っていく
ミスターバナナ
僕は目を閉じ、歯を食いしばって頭を抱えた
まるで頭痛の様な記憶の巡りが収まるのを、待った
数分が経った時、その記憶は、まるで霧が晴れるみたいに…思った倍、一気に苦しみが治まった
ミスターバナナ
嫌な汗が吹き出して、息苦しいと感じる
さっき座面に反射的に頭を預けてしまったが、散歩にでも行こうとしていたのを思い出し、僕は立ち上がる
ミスターバナナ
ミスターバナナ
数時間の事だが、今日の夜はカオスだとクスリ、と笑った
ミスターバナナ
ミスターバナナ
ミスターバナナ
僕はクローゼットの前へ歩み、取ってを掴む
中にあった服を一着手に取ると、パッパと着替えた
ミスターバナナ
一応変な人がいたらあれなので銃を服の内側に隠し持っておく
真夜中だから、昼間の灼熱の暑さは和らいでいるから、無防備に散歩に行ったって大丈夫だ
僕は、玄関の扉を開いた
ミスターバナナ
ミスター赤ちゃん
俺は枕を頭の上に乗っけていた
窓から差し込む月明かりは、俺の部屋をほんの少しだけ幻想的にしてくれている
───寝てたら、感じられねぇよな、こんな事…
この風景を見てれているって事だから…
ミスター赤ちゃん
感覚からすると今は午後11時ってとこか?
俺が眠れてねぇのはちゃんとした背景が……って訳でもねぇ。
レッド達とゲームをした後でも、致死量の宿題をした後でも…何ともない日常を送っただけだ。
おまけに明日は予定があるし…早く寝ねぇと本当にやべぇな
気にしてなかったけど、焦らないとまずい時間が近付いてきたぜ
ミスター赤ちゃん
という事で俺は真似をして丸まった
でんぐり返しみたいに…ってこれダンゴムシじゃねぇか!!
ミスター赤ちゃん
痛みが走る、頭の中に。
俺は防災訓練みたいに頭を守りながら、「記憶」の痛みに耐えた
ミスター赤ちゃん
ミスターブラック
私はベッドに沈みながら鼻からふぅ、と息を漏らす
だが今日は夏休み初日、夜更かしは体に悪いと言うがここまで寝られないならば仕方が───
ミスターブラック
駄目だ、抜け道も塞がれました
大人しく寝た方が身のためだと私は実感した
私だって遅刻するのはごめんです
ミスターブラック
ミスターブラック
じゃあどうするんだ、と問いが生まれるが、寝るのに関しては短慮で構えるしかない
だって、寝れる寝れない…その時の心の持ちようなんて、一番情緒不安定になるからだ
ミスターブラック
私のその言葉が、引き金となった
何でこうなったのかは…二度と分かることは無いでしょう…
バシン!!
ミスターブラック
誰も居ない所を振り払う
腕を…腕を叩かれた、気がしたからだ。
ミスターブラック
ミスターブラック
気付けば私は、汗が全身から噴き出していた
ミスター銀さん
ミスター銀さん
俺はベッドで大の字になりながら首を傾けた
時計は23時を示し、完璧な真夜中。
俺はさっさと寝てしまうタイプなので、課題が差し迫っている時以外は起きていない時間帯だな
ミスター銀さん
記憶を掘り起こすが、俺たちにとって平和な一日だった
おめでたい事に夏休みが始まったし。
証拠に、宿題の一覧表が時計の横に貼られていた
……夜中まで目を覚ましている理由は無いのだ
なのに─── 単純に、寝られない
ミスター銀さん
ミスター銀さん
以前、考え事で眠れなくなってしまった事はある
でも今日は、横になってクーラーの涼しい空気を浴びていただけだ。
____眠れない自分が怖い
ミスター銀さん
ミスター銀さん
前言撤回、どんな人が聞いても意味不明なことを言ってしまった
夜の空気は人を良い意味でも悪い意味でも変えるな…
その時、だった
ミスター銀さん
特大の痛みが体を伝った
…明確には…精神の「痛み」が強いと思う
___昔の記憶が顕となって、俺を蝕んで行く。
俺は髪をグシャッと掴んで、冷や汗をかいた
ミスター銀さん
ミスターマネー
ミスターマネー
俺は段々とイライラを募らせながら、頭上で手の平を交差させ、枕代わりに頭の下に置いた
こんなに眠れないのは久しぶりだ
明日は予定で日が埋まっているんだが…あれこれ考えても空回りするだけだ。
ミスターマネー
ミスターマネー
ミスターマネー
今日を思い返すが、いつもと同じ日常しか浮かんで来なかった
夏休み初日、期待以上の日差しが照りつけて熱中症に気を付けろ、だの外出を控えろ、だの鬱陶しい程ニュースで伝えられたものだ
____ともかく、俺の変わりない日常だった。
…………だが
ミスターマネー
ミスターマネー
ミスターマネー
ボーッと宙を見つめながら呟く
いや、何故何もしていないのに疲れているんだ、と口角を少し上げて、フッ、と微笑んだ
グシャッと足で布団を蹴った、その時だった
ミスターマネー
俺は思わず目を強く瞑る
どんどん脳に広がる過去の「記憶」に、棘を飲み込んで歯を食いしばった
───こんなの夢で見ることすら望まないのに……空気を読まないにも程があるだろう。
単刀直入に言って、最悪だ
ミスターマネー
『───寝れねぇ……』
夜が深まった時間に、俺は寝れなくて目を開けた
時計がある方へ目をやると、夜中の11時を指していた
この時間は起きているとするなら兄貴とゲームか、提出期限が迫っている時にやっている位なんだけど…
今日はどちらにも当てはまらない。
もう……兄貴は寝ちまったか?
ミスターレッド
起きてた。
俺は少し安心する。
兄貴の方に体を向けると、あっちもこちらに体を向けた
兄貴がいつもの怠ける形に入っているので、俺から口を開いた
ミスターブルー
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターブルー
ミスターブルー
俺は兄貴に顔を向けたまま首を傾げた
小さめな机を挟んで向かい側のベッドから「へっ、」と聞き馴染みのある笑い声が聞こえる
…寝れねぇのに兄貴は心配してねぇのかな…
ま、そんな性格の人だしな。
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターブルー
まさか兄貴……忘れてんじゃねぇよな?
これがなさったら間違いなくゲーム機に手を伸ばしてたぜ
ミスターブルー
ミスターブルー
ミスターレッド
ミスターブルー
俺は呆れてため息をついた
兄貴はぐるっと体を反転させて正面を向いた
つられて俺も天井を見た。
消えたライトが埋まっているだけの天井をじっと見つめて、柔らかい息を付く
体の芯へと伝わる…真夜中の雰囲気が、俺は少し怖かった
服が少し乱れた…その時だった
ミスターレッド
ミスターブルー
何か脳にある蓋が開いた気がした
その蓋は───一番開いて欲しくなかった、昔の記憶の蓋だ。
不思議な事に、兄貴も同じ時に開いたのだろうか、同時に顔が歪んだ
思い出すのに覚悟が必要なものが不意に出され、俺は混乱を繰り返した
記憶が…再び、あの頃のように……
ミスターブルー
ミスターブルー
ミスターレッド
俺達は唸るように呟きながら、目を瞑った。
夜の風が、軽く結んだ僕の髪を揺らす
眠れない現実にいたたまれなくなって散歩に出たという訳だ。
案の定外はほぼ誰もいなく、まるで町を貸切にしたかのようだ
街灯が目立つ歩道を、僕は一人歩く
サングラスがよく光を受け止めて輝いていた。
ミスターバナナ
ミスターバナナ
風が揺れ、先に続く道を示す
ミスターバナナ
僕は足を踏み出す。
その時、ほんの───少しだけ感じた。
心細い____と。
だが、その些細な気付きはいつの間にか吹き飛ばされていた。
ミスターバナナ
ミスターバナナ
ふと周りを見渡すと、僕は橋の上に立っていた。
無意識にここまで来ていたのかと、笑った
足もちょっと疲れの音を上げている
ミスターバナナ
僕は橋の手すりに両腕を腕組みをして乗せた
下には星々と夜の暗さを映す川。 上には……
ミスターバナナ
チカリ──────丁度星が光った。
あまたなる星の数々、絵や写真に入らない、本物の輝き。
ミスターバナナ
ミスターバナナ
僕は星を線つなぎをするように星から星へと視線を移す
まさか……こんな一人時間が作れなんて、思いもしなかった
いつもの冷静な勘が、戻って行く
その際、先程は深くまで答えを出さなかった「問い」が頭に蘇った
僕は言う。
ミスターバナナ
今夜は過去が思い出される特別な日なのだろうか。
それを思い出す為に眠れなくなっていた……?
否、そんな日は聞いた事はないし、こんな予兆もなく来るものなのだろうか?
正直、考えた所で無駄そうだが、たまには…………
面白いかもな。
ミスターバナナ
ミスターバナナ
ミスターバナナ
僕の声のトーンはグン、と落ちる
ミスターバナナ
僕らの心には傷がある。
それも、絆創膏で治る擦り傷程度のものではない。
かと言って、包帯を巻いたり、薬を使ったりしても治らない。
心の中心部───「芯」に、焼き付くように残されている、大きくて二度と治療出来ない「古傷」
全て、過去の出来事から出来た傷。
傷に対応する記憶は____
思い出すのに”苦戦”する。
ミスターバナナ
僕以外思い出していないことを想い、空に向かって手を伸ばす
抱きしめられないけれど、抱きしめたくなった
ピロリンッ♩
ミスターバナナ
スマホを開くと、ホーム画面が23時30分を映していた
着信は……「3年B組 クラスライン」
ミスターバナナ
ラインを開いて、クラスラインを開く
送った人の名前は…「すまない先生」
メッセージの内容は、こうだった。
すまない先生 『こんな真夜中にラインしちゃってすまない、誰か起きていたら学校に集まってくれ!無理しなくていいからね!』
ミスターバナナ
ミスターバナナ
とりあえず行ってみようと、僕は来た道を引き返した
コメント
6件
うわはぁ!最初バナナしかおらんかったけバナナだけかと思ったら皆でてきそう!マジで嬉しい! 続きどうなるんや!?気になる!すまない先生もつらい過去を思い出したんかな…
うお!?めっちゃ神作の匂いがぷんぷんするぜぇ!!←このネタわかる人いないだろ ほんとに続きが楽しみ! どうなるんだろう??