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教師

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教師

6 - 愛情 中

♥

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2024年03月02日

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一ノ瀬

僕は…母親が嫌いです…でも
嫌いじゃないんです…

彼の言葉一つ一つに今までの重りがくっついているのを感じる。

一ノ瀬

ご飯も作ってくれるし…
暴力もない…けど
勉強だけ…勉強だけが
苦しいんです。

勉強だけ、まるで他は幸せであるように。

一ノ瀬

塾は平日で6時から10時…
平日でも最低5時間…
多くて10時間…ほぼ毎日
耐えてきました…けど…
もう…限界なんです……

彼の想像以上の苦労に憤りを隠せなかった。

彼の母親は何を考えているのだろうか

黄野

……睡眠時間、平均どのくらいだ

一ノ瀬

…3か4……

黄野

…オール、連続何回

一ノ瀬

…5…

黄野

…それは何だ、家でも自習か何か
してるのか

一ノ瀬

そうです…じゃないと…
怒られちゃう…

彼の声が小さくなっていく。

黄野

お前の母親はお前が今この状況
の中、何か言ってたか。
まさか…この自習道具も
母親が持ってきたんじゃ
ないだろうな?

一ノ瀬

…そうです…母が持ってきました

黄野

……

自分の子供にここまでする親は初めて見た。本当に死んでしまう。

……変えなければいけない

黄野

お前も、お前の母親もな。

一ノ瀬

……ぇ?

黄野

一ノ瀬、今日はもう勉強するな。寝ろ

一ノ瀬

で、でも────

黄野

勉強のし過ぎは良くない。
頭に入らなくなっていくからな。
効率が悪いんだ。

一ノ瀬

…それじゃあ…俺の……努力…は

黄野

確かにお前はよく頑張ってる。
でも、それは母親に強要されていた
んだろ?

一ノ瀬

……

黄野

偉いな、一ノ瀬…

そう言って頭を撫でる。

一ノ瀬

……ッ…俺…

黄野

でも、親に言われたことだけを
やるなんてつまらないだろ。
勉強をするななんて言わない。
楽しいこと見つけよう?

一ノ瀬

でも俺…楽しいことなんて…

黄野

これから見つけようよ、
受験終わってからでもいい。
少しくらい羽伸ばそうな

一ノ瀬

……

彼の目からは無数の水滴が落ちる。

これが今まで貯めてきた辛さの半分以下であることは容易に理解できる。

黄野

受験、辛いだろうけど
今のお前なら行ける。
沢山知識を費やしたんだろう?
もしお前が受かったのならお前の
お願いひとつだけ聞いてやるよ

一ノ瀬

……!本当ですか…?

黄野

……他の誰よりも努力したお前は
強い。それは今までの成績を見たら
分かるはずだ。

一ノ瀬

…努力…

黄野

あぁ。…突然だが
お前の母親と話をしたい。
明日は学校来れないだろうから
その日の放課後、お前の母親と
話をする。

一ノ瀬

…もしかしたら……行けって
言われるかも…しれません

黄野

…ほんとかよ

一ノ瀬

はい…

黄野

一ノ瀬、今お母さんどこにいる?

一ノ瀬

……分かりませんけど…
多分お家……です

黄野

もう病院にはいないか

一ノ瀬

えぇ…恐らく

黄野

……わかった。
いずれにせよ俺にはお前を休ませて
あげられるような権力はない。
もし明日来たとしてもお前の母親
とは話をする。いいな。

一ノ瀬

…はい、

黄野

今まで、気づけなくてごめんな…

一ノ瀬

……俺こそ…迷惑かけて
ごめんなさい…っ、

再び、呻き声をあげて 泣く彼

黄野

…紫稲、お前明日の放課後
空いてるか?

一ノ瀬

…ぇ、…紫…稲?

紫稲

…あぁ

黄野

ならお前も来てくれないか

紫稲

…構わん

一ノ瀬

…?

紫稲

……黄野先生かなりお怒りだからな。

一ノ瀬

……怒ってる……?

紫稲

お前の母親に、な。

一ノ瀬

俺の…母さんに……?

紫稲

お前をここまで苦しめたことに
関してだ。

彼らの会話を横目に検査結果を眺めていた。

…にしてもほんとに低いな

黄野

お邪魔して悪かったな。俺らは
そろそろ。ゆっくり休んでくれ

一ノ瀬

…!…はい!

黄野

……wおやすみなさい

その言葉を後に 病室を出る

黄野

…紫稲

紫稲

なんだ

黄野

どう思う?……一ノ瀬

紫稲

……さぁねぇ

黄野

廊下に響く2人分の足音

黄野

明日はどんな日になるかなぁ〜

紫稲

……

クラスの皆は一ノ瀬がいないことにびっくりしていた。

村上

え、一ノ瀬…まじか大丈夫かな?

井上

…心配だな

みんなが心配する反面 俺はほっとしていた。

黄野

……

…良かった…

黄野

はーい!それじゃあ学活始めるぞー!

肺に空気を入れて 大きな声で言った。

一日が終わり

俺にとって今日最大の難所

けれど、その前にひとつ。

黄野

……中山先生

中山

ん、どうしましたー!

プロテインをシャカシャカやっている 体育館の先生に声をかける。

黄野

……えっと……紫稲先生は
どちらにいるかご存知ですか?

中山

紫稲さんなら昇降口で
保護者と話してましたよ?

黄野

…誰の親か分かります?

佐々木

紫稲さんの横に秀太くんいたんで
一ノ瀬さんじゃないですか?…と
横から失礼しました。

黄野

ッ!ほんとですか……!?

佐々木

え?えぇ…

中山

あれ?一ノ瀬の担任って…

佐々木

紫稲さんじゃないんですか?

中山

いいや、確か黄野先生…

佐々木

嘘!?

中山

いえ!嘘ではありません!
多分!絶対!おそらく!
でも5組で話してましたね!
分かりません!

佐々木

保険多いですね。
アヒルもにっこりですね…って
黄野先生いなくなってる…

中山

いいですね〜!愛だ、愛

佐々木

あれ…かまじ

一ノ瀬

っ!黄野先生…!

廊下の奥、彼らがいた。

一ノ瀬の母

あぁ…こんにちは、先生

黄野

すみません、お呼び出ししてしまい…

一ノ瀬の母

いえいえ、先日は
すみませんでした…秀太が
ご迷惑をおかけしたみたいで…

黄野

……っ、

"ご迷惑"……?

それは貴様のせいでは無いのか、 そんな思いを殺して平然を装う。

黄野

いえいえ…とんでもないです。
それでは教室に。

一ノ瀬の母

……はい、わかりました。

紫稲

それでは…私はこれで。

一ノ瀬の母

ありがとうございました。

一ノ瀬

あのっ、紫稲先生!

彼が唐突にスマイルを呼び止める。

黄野

……?

紫稲

…なんだ

一ノ瀬の母

秀太、先生もお忙しいのよ

一ノ瀬

…良ければ…先生も

一ノ瀬の母

何を言ってるのよ……?

黄野

どうしてまた…

一ノ瀬

…ダメ…ですか?

紫稲

……

彼がこちらを見る。

1つ、頷けば

紫稲

…俺は構わないが…
お母さんや黄野先生は。

黄野

…まぁ…私も大丈夫ですけど

そして、3つ視線を母親に。

一ノ瀬の母

……先生が大丈夫なら
いいんじゃない。

一ノ瀬

…うん

明らかに嫌そうな顔をする母親。

紫稲

……

彼は、その顔を見逃さなかった。

4つの机を2.2で分けて対面式にして座る。

黄野

それでは、ちょっとお話させて
いただきますね。

一ノ瀬の母

はい、…まさかまた秀太が…

黄野

まぁ…まず最初に秀太、
体調大丈夫か?

一ノ瀬

はい、大丈夫です

黄野

…それなら良かったよ

幼い彼の目をじっと見る

黄野

それでですね、最近秀太くん
授業中にウトウトすることが
多くて。

一ノ瀬の母

はぁ…

きっと自分の息子を睨む母親。

一ノ瀬

っ、

黄野

ご家庭の方での生活習慣について
お聞きしたいんですけど…
習い事とかってされてます?

一ノ瀬の母

塾に行かせています

黄野

それはだいたい何時ほどですか?

一ノ瀬の母

平日は6時から10時までと
平日はだいたい6か7時間
くらいですかね。

黄野

…そうですか。
睡眠時間は?

一ノ瀬の母

…どんくらいなの?

秀太に尋ねると

一ノ瀬

3くらい…

一ノ瀬の母

3時間?

一ノ瀬

……う…ん

一ノ瀬の母

らしいです。

黄野

…っ!?

紫稲

…!

目の前の母親は何を思っているのか

黄野

…恐縮ですが…
彼くらいの年齢の生徒の
睡眠時間の平均いくつくらいか
ご存知ですか?

一ノ瀬の母

さぁ…分かりません…

黄野

だいたい6時間くらいが
いいんですよ。

一ノ瀬の母

…そうなんですね

黄野

彼はその半分しか寝れていない
ということになります

一ノ瀬の母

そうなんですね。

彼女からの言葉を待つ。

けれどでてきた言葉は

一ノ瀬の母

……それで?

黄野

え……?

一ノ瀬の母

はい?

それで、の3文字だった。

普通もっと寝かせなきゃとか 焦りを見せてもおかしくないと思うのに。

黄野

…その…それが原因で
彼は倒れたんですよ。昨日。

一ノ瀬の母

はい。

黄野

塾を休めたりとかはしないんですか?

一ノ瀬の母

しませんよ?

黄野

……

明らかにおかしい。

なぜだ?

黄野

そうですか。では単刀直入に言います

「貴方は息子さんを何だと思っていますか?」

一ノ瀬の母

まあ、息子は息子ですよ?

黄野

彼が倒れるまで頑張っていたのに
休ませないで成績を責めるのは
如何なものかと思いますよ。

一ノ瀬の母

…そうですか

黄野

母親なら息子の体調を
第1に考えるべきだと
思いますが…お父さんは何か
言わないんですか?

一ノ瀬の母

父親は私にも息子にも
口出ししません。

黄野

…そうですか。

先程から彼はボールペンを指導計画帳に叩きつけている。

ずっと怒りを押えているように。

黄野

すみませんが、貴方は秀太くんに
無理させすぎです。

一ノ瀬の母

子供だから大丈夫でしょう?

彼女の隣の生徒はとても悲しそうにその話を聞いている。

黄野

反対でしょう。子供はまだ完全に
体ができていないんですよ?
今無理して体の重要な部分が
壊れたりしたら将来はないんですよ?

一ノ瀬の母

ただの教師がそこまで言うとは…
母親は私!私が全て決めるんです

黄野

彼はあなたのじゃない…たとえ
貴方が産んだとしても…
彼は彼自身のものだ。

おーおー…ヒートアップしてきたな

一ノ瀬の母

ただの熱血教師が何を偉そうに…
あんたはただ勉強を
教えればいいの!

…?

黄野

教師には生徒を守る役目があります。
本人の命を守るためなら親
であろうと私は正しいことを
申し上げるまでです

母親の手がバッグに突っ込まれてガサガサといっている。

隙間から見えた輝かしいもの。

紫稲

ッ…!

…包丁か

だから3人きりにさせないように

一ノ瀬

……っ

お前は俺を呼び止めたんだな

彼を見れば俺の視線の行方に気づいていたのか申し訳なさそうに下を向く。

俺が気づいていることにも 気づいたのか?

紫稲

……

一ノ瀬の母

私は秀太の母親…この子には
将来いい大人になって欲しいの!

紫稲

すみません、

俺自身の言葉に2人が黙り込む。

黄野

……っ?

一ノ瀬の母

…なんです

一ノ瀬

紫稲

一ノ瀬、ちょっといいか?

一ノ瀬

…はい…

黄野の隣に行くよう促す。

もう彼女の手には包丁が握られていて いつ刺されてもおかしくない。

ならば、先手必勝。

黄野

…?紫稲…先生?

一ノ瀬の母

…なんですか、さっきから

生徒が座っていた椅子の近くに周り座っている彼女の右腕を高く振り上げて。

一ノ瀬の母

ッ!!ちょっと!

黄野

ッ!紫稲!?

肘の間接を反対の方へ力を加えれば

一ノ瀬の母

いっ!

黄野

っは…?

銀色の刃は彼女の腕から落ちていった。

全く気づかなかった。

黄野

…は?

かわいた音がカランとなる。

一ノ瀬

紫稲先生っ!

紫稲

…一ノ瀬さん、これはなんですか?

床には輝く調理用の包丁。

一ノ瀬の母

…何よ、何よ何よ何よ!!!!
秀太は…秀太は私のものよ…!!!!

黄野

ッ!離れろ紫稲!

紫稲

ッ──!

彼女が彼に殴りかかった時、彼は避けた。

その瞬間によろめいた彼を通り過ぎ

素早く拾った母親は

その包丁を彼に向けて伸ばした。

紫稲

っ──!

黄野

紫稲!

幸い、彼は母親が刺そうとしていたことに気づいていたらしく、包丁は紫稲の左の腹を傷つけただけで済んでいた。

一ノ瀬

先生ッ!

黄野

ッ!貴様…!

怒りに身を任せて 机を母親に投付ける。

相手は包丁を持ってるとは言えど女性なので簡単に潰れる。

二つ、三つと机を投げてしまえば、机と机に挟まれて動けなくなっていた。

黄野

一ノ瀬!先生呼んでこい!

一ノ瀬

っ、わ、わかりました…… っ!

紫稲

い"…ッ…

一ノ瀬の母

秀太…!秀太!!!行かないで…
行かないで…!!

動けない彼女は必死に生徒の名前を呼ぶも生徒は無視して走っていた。

血を流す彼の目の前にたち、母親を見据えた。

ずっと唸りながら腹を押えている。

紫稲

……ッ…

黄野

大丈夫か…

紫稲

…うん…多分

一ノ瀬の母

秀太…!秀太!

母親はずっと彼の名前を呼んでいる。

黄野

…なんだ…?

あんなに苦しめていたのに 今更呼んだって…。

一ノ瀬

呼んで来ました…!

佐々木

えぇっ!?な、なにこれ…

中山

包丁持ってるぞ、

鈴木

と、とにかく警察を…

中山

まず包丁を取り上げろ!

男性教員たちが母親を処理している間

一ノ瀬

っ、ごめんなさい…ごめんなさい…
俺のせいで…

紫稲に向かって謝り続けていた。

黄野

…お前…大丈夫か……?

紫稲

…あぁ。でもあいつは……
俺を刺した…からこれで
警察行きだろうな。…警察の人に
今まであったこと話すんだぞ。

一ノ瀬

っ…… はい、

市川

紫稲先生、大丈夫ですか…!?

かすった…?いや、この血の量で かすったは違うか… 抉ったの方が正しいか?

刺されたよりは少ないだろうけど かすったよりは多いよな。

紫稲

…い"ッ…!

市川

我慢してください…!

紫稲

ち、ちょっと…それで何を…

市川

え、ガーゼで塞ぐんです

紫稲

え、あ、あの…痛い
じゃないですか…それ

市川

そうですね、直接触れるので
痛いと思います

紫稲

あの、そんな大したことでは無いので
放置してても大丈夫ですよ

注射も嫌がるガキみたいなやつなので 必死になにか訴えてる。その間にも血は流れている。

黄野

うるせぇ喋んな。大人しくしろ

耳元で囁けば

紫稲

……

ピタリと大人しくなる。

市川

はい、ちょっと痛みますよ…

紫稲

ぐぎきぃ……

黄野

え、ポケモン…?

一ノ瀬

せ、先生…

一ノ瀬の母

秀太…!秀太!

一ノ瀬

黄野

……

教員たちが抑えている中、秀太の方を向き、名前を呼ぶ母親。

一ノ瀬

俺を苦しめた挙句…
先生を傷つけて…

「お前なんか親じゃないッ!大っ嫌いだ!」

一ノ瀬の母

ッ─────

黄野

あーらら…… w

紫稲

いったいッ…!死ぬ…俺!死…

一ノ瀬

先生…

一ノ瀬の母

…ごめんね…秀ちゃん…

一ノ瀬

っ────

黄野

秀ちゃん…?

一ノ瀬

一ノ瀬の母

ごめん…ね…

そう言って大粒の涙を流し。

鈴木

こっちです…!

警察

…!これは…

中山

よかった…!

警察

お前は犯人の方を。

警察

わかりました

数人の警察官が教室に駆けつけて動き始める。

警察

大丈夫ですか、

紫稲

えぇ。

スマイルはいや、大丈夫じゃないっすという感じを醸し出している。

ずっとワイシャツを握って 腹を抱え込んでいる。

黄野

……ほんとですか?

紫稲

……

警察

とにかく救急を呼びましょう

そう言って去っていった。

紫稲

え…

黄野

そりゃ、その怪我じゃ…

市川

紫稲先生!痛いのは
変わりませんから逃げようなんて
考えないでくださいね!

紫稲

……はい

一ノ瀬

……

黄野

…一ノ瀬…

彼は連行される母親を見ていた。

紫稲

…一ノ瀬…

一ノ瀬

……!…はい

彼の声にハッとして目を向けた。

紫稲

お前は…親とはぐれたいか

市川

先生…あんまり話すと…

黄野

紫稲

どっちだ…

一ノ瀬

…はい、関係を絶ちたいです

彼は悲しそうに言った。

紫稲

…そうか

黄野

……

警察

だな、あの方に話を聞ければ…

そう言ってスマイルの方を見る警察官

紫稲

…俺か?

警察

怪我酷いからな…

紫稲

…対して酷くないっすよ

少し声を大きくして言った。

警察

ッ!すみません、聞こえて…

黄野

バカ、安静に…

紫稲

彼も殺されそうになったんです。
その時に運良く机が引っかかって。

警察

……!本当か?僕…

一ノ瀬

…!

証言した本人は床を見つめていた。

一ノ瀬

…はい、

警察

何だと…

警察

息子を殺そうと…?

一ノ瀬

バッグの中に…包丁が入ってて…
それを見つけた先生が助けて
くれたんです

2人の警官が顔を見合わせる。

黄野

……

嘘の証言は2人の正義の味方を 信じ込ませる。

しかしこれは立派な犯罪。

けど、俺も否定はしない。

警察

すみません、あなたもその場に
いらっしゃいましたよね?

黄野

えぇ。

警察

2人の言っていることと
貴方が覚えていることに
間違っているところは
ありませんか?他に付け足しとか…

黄野

二人の言った通りです。
最初に彼が襲われて…
その後にこの子がって感じです

警察

…そう…ですか…お兄さん、怪我は?

黄野

あぁ、俺は大丈夫です

警察

そうですか、

これで俺も犯罪者。

母親は秀太を殺そうとはしていない。けれど、もし釈放された時秀太は再び苦痛に呑まれる。

彼は施設で暮らすことになるだろう。

だから彼はこうして彼と母親を引き剥がすために証言をしたのだろう。

紫稲

っ、げほッ…

黄野

……!スマ…ッ……

市川

ほら、無理して話すから…!

一ノ瀬

先生…死なないですよね…?

市川

大丈夫だとは思う…けど…
血がこれ以上流れると…

救急隊員

怪我人は…!?

黄野

あ、ここです

救急隊員

…すぐに止血しろ、

救急隊員

とにかく救急車に乗せます。
近くのーー病院に搬送可能なので
そちらに

紫稲

ッ…!

救急隊員

大丈夫ですか?

彼は苦しそうな顔のまま 担架に乗せられて行った。

一ノ瀬

…紫稲先生……

黄野

……とにかく俺は
ーー病院に向かうよ。

警察

名前教えてくれるかな?

近くで見ていた警察官が一ノ瀬に言った。

一ノ瀬

あ、…えっと…一ノ瀬秀太です

警察

お母さんの名前は?

一ノ瀬

一ノ瀬…香澄

警察

じゃあ…秀太くん……
1度警察署に…

一ノ瀬

あの…!

警察

どうしたの?

一ノ瀬

…俺も病院に行っていいですか…?

警察

…どこか具合が悪いの?

一ノ瀬

いや…紫稲先生の所に
行きたくて……

黄野

…さっき運ばれた人です

彼の言葉に説明を加える。

警察

……それは…

一ノ瀬

俺のせいなんです…
誰かがけがするかもしれないと
わかってたのに…紫稲先生を
呼び止めて…それで…

彼の手が震える。

警察

…わかった…

黄野

一ノ瀬……

一ノ瀬

俺も一緒に行かせてください…

黄野

……

警察

いいだろう、けど警察官1人だけ
つかせてもらうけど大丈夫?

一ノ瀬

はい、大丈夫です。
ワガママ言ってすみません…

警察

…いいや、わがままじゃない。
先生なんだよね?

一ノ瀬

そうです

警察

……wそうか、じゃあ行こう。
パトカーで行くことになるけど…
先生はどうされますか?
一緒に……

黄野

…うーん…

警察

…まぁ…その…手錠なければ
大丈夫…ですよ

一ノ瀬

なんか悪いことしたんですか!?

黄野

いやいやいやいや!?
してないよ!?

一ノ瀬

…なら…

黄野

えーっとね〜……大人の
事情…?

一ノ瀬

……?

頭いいけど…こういうところは疎いんだよな…

俺が乗りたくないのは 俺の顔面のせいなんだよなぁ

黄野

じ、じゃあいいですか……

警察

あ、あの…顔がすっごい
歪んでますけど

一ノ瀬

……???

黄野

はは…

警察

教師って凄いですね…

一ノ瀬

…?なんでダメなんですか?

黄野

…ま、まぁいずれわかるさ

一ノ瀬

……?

でも…憎めない可愛さがあるんだよなぁ

黄野

紫稲先生…心配だな

一ノ瀬

…すごく。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

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あくまでフィクションなので絶対彼の生活真似しないでください

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