侍女
侍女
緑色
侍女
緑色
緑色
侍女
緑色
緑色
侍女
俺は『緑』として転生した
緑色
まだ10にも満たないガキだけど 中が俺だから大抵の事は自分でやれる
これが現実だと分かった時 特性を『キュート』全振りにした 馬鹿な自分をブン殴りたくもなった
緑色
でも、今のところ問題は無い
むしろ良い生活を送れている
侍女
緑色
父
母
緑色
父も母もこんな感じで 俺にものすごく甘い
特性のおかげなのかもしれないと 考えると少し複雑だけど……
緑色
母
父
そう言って朗らかに笑う父と母が なんだかんだで好きだった
好きだった……のに…
目を覚ますと 俺はまた見知らぬ場所にいた
緑色
辺りを見回す
薄暗い地面の至る所に血痕 少し距離をあけて同じように 眠っている人達
緑色
緑色
まごうことなき現実
夢と現実の狭間のような あの場所ではなかった
むしろ…
緑色
酒臭い男
緑色
酒臭い男
緑色
こっちに来てから初めて怒鳴られた
甘やかされていた俺にとって それは簡単に恐怖への燃料になった
緑色
酒臭い男
ゴロリと寝返りを打った男の睡眠を 邪魔しないようにそっとその場を去った
空は曇っていて 今にも雨が降り出しそうだった
緑色
なにぶん寝ていたところを 連れ出された所為で靴なんて無い
小石が足の裏に小さな傷を作っていく
緑色
緑色
緑色
何とか生きよう
そう決意してからが長かった
“昔”の感覚を取り戻すために 奔走する毎日
緑色
男
男
緑色
そんなカスみたいな生活を送って 数年の月日が流れた頃…
その頃には自分は捨てられた のだと理解していた
緑色
笑わなくなったし 人と話さなくなった
俺は酒臭い路地裏で何回かの 誕生日を迎えた
緑色
見知らぬ男
見知らぬ男
緑色
そう言って俺に声をかけたのは 優しげな雰囲気を纏った紳士だった
年は三十半ばくらい 格好を見るに貴族
そしてなにより…
緑色
見知らぬ男
見知らぬ男
緑色
見知らぬ男
見知らぬ男
そう言って笑った男の顔は あまりにも無邪気だった
緑色
見知らぬ男
緑色
間髪入れずに問いかけた 俺の言葉に男はクスリと微笑んだ
見知らぬ男
見知らぬ男
見知らぬ男
見知らぬ男
緑色
見知らぬ男
これが俺の碌でも無い人生の 始まりであり…
「みどり!」
「どりみー!」
「みどりくん!」
「みっどぉ!」
緑色
緑色
見知らぬ男
俺の最良の人生の幕開けとなる
next? 「貴族になぁれ」 200♡
コメント
2件
いいお話になるわこれはさすがです☺️