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「青春旅行」
注意(attention) atkr二次創作 学パロ、年齢操作、 ダーク要素あり 魔法系(ファンタジー)要素大
第1章第1話「出会い」
いつだったかな、
季節が、地球からなくなったのは。
人々は混乱に陥り、桜も、青々とした緑も、紅葉も、枯れた木も、何も見られなくなった。
それは…僕が、2歳の頃か。じゃあ、もう15年前なんだね。
魔法が使えるのが当たり前の世界。
その中でも、伝説があるって知ってる?
伝説。それは、神様が残したお話。
「20人の若き能力者が、世界には存在する。」
「能力者全員が神殿に集い、能力を解放すれば…」
「再び、地球に季節を戻してやろう。」
だって。馬鹿みたい。
でもさ、本当に季節が戻ってくれば…
きっとみーんな、幸せになれるよね。
教師
教師
出席簿に羽ペンでサラサラと出欠を書く先生。
生徒
生徒達が囁き合っている中、ぼんやりとぼんさんの座っていた席を見つめる。
ぼんさんは、行方不明になった。
どこに行ったのかわからない。
それは、僕もそうだった。
何度、僕の頭に問いかけただろうか。
答えは毎回「わからない」だった。
僕の能力は、疑問を頭に問いかけると答えがわかる「答え合わせ」という能力。
名前は僕が勝手につけた。
だって、他にこの能力を持つ人は存在しないから。
そもそも、能力者自体が20人しか存在しない。
この学園に入学したのは、能力者を見つけたかったから。
今、能力者とわかっているのは1人だけだ。
おらふくん。中等部の3年生の子だ。 「人形救済」という能力を持っている。 あの子が願えば、人々は良い方向に救われる。 まあ、今はもう、能力を使っていないが。
僕はもう一度、病室で今も眠っている母さんに、笑ってほしい。 だから、季節を取り戻したい。
あの病室の窓から見えた、二本の木。多分、桜と銀杏だったと思う。
桜、緑の葉、紅葉、枯れた木。 四季を表しているあの二本の木だけが、母さんと外を繋げていたと思う。
20人の能力者が集えば、季節が取り戻される。
教師
教師
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それなら、能力を解放するしかないじゃないか。
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おらふくんの腕をギュッと握っている、小柄で眼鏡をかけた男の子。
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その子はおらふくんの前に飛び出し、僕との間でバッと手を広げた。
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冷たい、青緑色の瞳が揺れている。
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素直に答えた。
これは事実だ。当たり前かもしれないが、1人でも参加しなければ、20人は揃わない。
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渋るおらふくんの背中を軽く押し、階段を降りさせる少年。
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悲しそうに、おらふくんは帰って行った。
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急に口調、態度が変わった。 柔らかい口調。
でも、相変わらず翡翠のような瞳は何かを見透かして、軽蔑するような目つきをしていた。
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ただ1人、制服を着ていない君。
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この、他人を突き放す性格。
どこか浮いている。それは、性格とか、不登校とか、そんなことから来るものではではない。
この子は、能力者ですか?
答えは、「はい」だった。
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鼻で笑った君は、顔を背けて、外の景色を見ている。
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君は再び此方を向いて、手を握ってきた。
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手を離した君は、乾いた笑みを浮かべて言った。
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そう言って、足早に階段を駆け降りて行った。
あの子を、僕はこれまで見た事がなかったと思う。
そういえば、「あの子」とか言ってるけど、名前訊いてないな。
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びっくりした。口が勝手に動いて、勝手に声が出た。
こんな事ができる人は、大抵想像がつく。
僕の身体を一瞬操ったのは、彼ですか?
答えは、「はい」だった。
ビンゴ。ありがとう、自分の能力。
覚えたよ、能力「人形遊び」を持つおんりー、ね。
next→第2話 「兄弟の昔」
作中の用語を簡単に解説するコーナー
能力とは 20人だけが持っている、1人1人の特殊能力。 能力付与条件は不明。 20人が集結し、能力を解放する事で世界に季節が戻るとされているが、真偽は不明。 能力を持つ者の事を「能力者」と言う。