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episode1 家出少女の生存戦略
行希は少女の手を引き、慣れた様子で夜の繁華街を歩く
フレア
行希
目を細めて歩く少女に、行希はなぜか安心感を覚えた
自分がここへ来たばかりの頃と似たような反応で、微笑ましく感じたのかもしれない
今度は通行人にぶつからないように、となるべく道の端を歩いて様々な人を交わす
そんな様子を見た少女は、感心しながら行希に尋ねた
フレア
行希
行希のそっけない返事に少女はへこたれず、むしろさらに強い関心の目を向けてきた
フレア
フレア
フレア
純粋な善意で構成されたような眼差しに、行希はとうとう耐えられなくなった
行希
フレア
少女がにこやかに行希に微笑む
行希にとってはその笑顔が、ギラギラと輝くネオンサインよりも眩しく思えた
「クラスに馴染めない」
馴染む努力はしたの?とか、甘えるなとか、色々言いたいことがあるのは分かる
でも、僕みたいな大人しくてメンタルの弱い人間にとってはあのクラスはゴミそのものだった
え、あれ相園さんじゃない?
うお、ホントだ
来んな来んなw
一生?
おいwやめとけってw
なんとか別室登校で踏みとどまっていたけれど、ある日の登校時間のミスが全て変えてしまった
てっきり授業中だと思っていた
でも、その日は違った
特別校時で、しかも大掃除だった
皆が廊下に出ていた
二度と顔も見たくない皆が
清掃用具片手に、無駄話をしながら
思い出しただけで動悸がする、吐き気がする、腹が立つ
だからと言って、家も安全地帯ではなかった
家計を支えるためにバイトをいくつも掛け持ちしていて、それでいて聖人のように優しい長女
整った容姿と良い性格、そして若干の色気がある仕草から「学校の王子様」と持て囃され、女子から告白されまくりの長男
大人気小学生向け雑誌のモデルとして活躍していて、日々研究と実践を繰り返している次女
超強豪サッカー部のキャプテンを務めている、サッカーの才能に恵まれていながらも努力を惜しまない次男
そんなハイスペ姉弟の中でも僕だけは何の才能も無い、出来損ないの劣等生だった
5人姉弟だから経済的にはそんなに豊かじゃなかった
でも、それでも皆は毎日幸せそうで
何でかと言うと皆毎日のように感謝されて、持て囃されて、憧れられて、褒められて
でも僕は劣等生だから、そんな機会全然なくて
行希
後半はヒートアップして早口になってしまったが、それでも行希は全て吐き出した
行希
行希が話し終えると、少女は同情を孕んだ目で行希を見つめた
行希
少女は慌てて訂正した
フレア
行希
フレア
そう言い終わるや否や、少女は憐んだような顔をし始めた
行希
行希
そうして2人は歩くスピードを元に戻した
コメント
2件
行希ちゃんに悲しき現在(過去) フレアさんも何か抱えてそうで心配ですわ…
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