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ミズキ
…………
ミズキ
意識を手放してから時間が経っていることはわかるのだが、ミズキにはそれを確認する術がなかった。
それでも、一つだけハッキリしたことがある
お爺さんに飛ばされた時と同じ部屋にいることから、現在も自分が異世界にいるということだ
ミズキ
ミズキ
ミズキは、死が近いこの世界で生きていくにはまず、情報を集める必要があると考えていた。
特に魔法……
先に見た通り、魔法が使えれば、大人相手でも少女が勝つことができる代物だとわかったからだ。
つまりだ、自分の身を守るためにも早く調べる必要があるのだ。
早速、行動しようとミズキは立ち上がった。
すると、部屋の外で扉が開く音が聞こえてきた。
(扉の音……? 気のせいかな)
そんなことを考えてると、部屋の外から何かが聞こえてきた。今度は気のせいではなくハッキリと聞き取ることができた。
そしてそれは、扉の開く音なんかではなく女性の声だった。
(ここの住人かな……でも、この声どこかで聞いたことあるような……)
その声と足音は、何の迷いもなくこの部屋に向かってきていた。
とりあえず何て言い訳をするか考える。ミズキは転移するなら、辺り一面が草原という勝手な想像していて、まさか誰かの家に転移するなど微塵も思ってなかったのだ。
ミズキ
ミズキ
魔法という万能な力がある世界で、正直逃げきれるなど思ってないが、ミズキにはそれしか選択肢がなかった。
そして、今
聞こえていた声が、ドアのすぐ向こうで聞こえる
???
---
???
???
………………
(入ってこないのか!? あーもういっそのことこっちから開けてやる)
ミズキはドアノブに手をかけた
???
ドアの向こうの彼女もドアノブに手をかけた
???
ガチャッ——!!!!
???
急に開くドアの勢いで、ドアノブに手をかけていた彼女がこちらに倒れ込んできた
ミズキは彼女を受け止めることができずに一緒に倒れてしまった
ミズキ
ミズキ
(なんだこの感触は…………柔らかい)
ふにふに、ふにふに
ふにふに、ふにふに
柔らかくとても心地よい感触の正体を確認するため手元を見ると、そこには慎ましくもちょうどいいサイズの胸があった
???
ミズキは引きつった笑顔で言う
ミズキ
ミズキ
???
バチィィン!!
悲鳴の直後、平手打ちの音が部屋いっぱいに響いた
ミズキ
ミズキ
???
???
ミズキ
???
彼女は顔を真っ赤にさせ、涙目になりながら頬を膨らませていた。
アティ
ススゥ
ススゥ
ミズキは自分の上で騒いでいる彼女をよく見ると、裏路地で男たちに引っ張られていた女の子だということに気付いた
(この見ていると吸い込まれそうな紺碧の髪はもしかして、昨日の子か!! かわいい……)
(それより後ろの子は初めて見る子だ、誰なんだろう?)
後から部屋に入ってきた紅色の長い髪をしている少し垂れ目で大人しそうな印象の女の子だった
その子はミズキと目が合うと、固まってしまった……
アティ
ススゥ
アティが言っていることがわからず、ミズキは頭の上にクエスチョンマークを作っていた。
ミズキ
ミズキ
ミズキ
ミズキ
ミズキが言った言葉にススゥが反応する
ススゥ
ススゥはミズキを視界に入れた瞬間、目を見開いて驚く
だが、ススゥの表情は直ぐに戻り、声のトーンを変えて言葉を放つ
ススゥ
ススゥ
(本当のことを言っても…………)
(大丈夫なわけないか)
彼女からは明らかな敵意を感じ、ミズキはどうするかを迷うことなく決める
————よし、逃げよう。
だがそれも、時すでに遅し。ミズキよりも早く、ススゥは行動に移していた。
ススゥ
アティ
突如出現した土の枷でミズキは床に拘束されてしまう
力尽くで外そうと暴れるがビクともしない。
ミズキ
ミズキ
ススゥ
ススゥ
ミズキ
ミズキ
………………
ススゥ
ミズキ
ミズキ
もちろん、嘘である。
だが、異世界から来たなど言える訳がない。例え言ったとしても頭のおかしな奴と見られるだけで、信じてもらえないからこその嘘である
少しの間彼女たちに疑いの目を向けられるが、なんとか嘘が通ったのか拘束魔法を解除してくれた
ススゥ
アティ
(2人ともすごく可愛いけど乱暴な女の子のはゴメンだ………)
だが、言葉とは裏腹に、ミズキはススゥを見ると先ほどの胸の感触が蘇ってくる。
(胸……やわらかかったな…………)
(ダメだダメだ! 今は色々聞けるチャンスなんだ)
拘束されてた箇所をさすりながら質問する。
ミズキ
ススゥ
ススゥ
ススゥ
ミズキ
ススゥ
ミズキ
さっきビンタされた箇所をさすりながら、ミズキは嫌味っぽく言ったが、ススゥに睨み返されその後は何も言えなかった。
(ぐぬぬっ、いつか絶対ギャフンと言わせてやる)
アティ
アティ
アティ
ススゥ
ミズキ
ミズキ
アティはそのまま説明を続ける
アティ
アティ
(今はトーラス大陸のラバーズの町ってところにいるのか、この調子で情報が手に入れば今後の行動が決めれるな)
ミズキ
ミズキ
ミズキ
アティ
ニカッと笑いながら、説明をしてくれたお礼を言うと、アティは顔を真っ赤にして下を向いてしまった。
ススゥ
ススゥ
アティ
普段エスティがしないような表情で、ほぼ同一人物と言える容姿の持ち主からお礼をされたら、当然の反応である。
そして2人と会話していてミズキは確信した
先程から出てきているエスティ様って名前の人がもう1人の自分なのだと。
そういえばと、ススゥは真剣な表情になる。
ススゥ
ミズキ
ミズキ
ススゥ
ススゥ
ススゥ
(昨日使った魔法か、イメージしたらたまたま使うことができだけだしなぁ。それに僕って魔法のことなにも知らないし、なんて答えるかな)
ミズキ
ススゥ
ミズキ
ミズキ
それを聞いていたアティが突然口を開いた
アティ
アティ
(ゾォディアック? リオ・ライアン? なにを言っているのかわからない……)
ススゥ
ススゥ
ススゥ
ススゥ
ススゥはそう言い残しボロ屋敷を出て行った
まるで台風が通り過ぎたみたいだった
まだ情報が少なすぎるから、とりあえず外に出てみるようかな
ミズキは初めて外に出ることを決めた。