ガラガラガラ
店主
へいらっしゃい! 何が欲しいんだい?
???
あの……これから近くのダンジョンに向かうので、ダンジョンの敵の弱点を突ける奴が欲しいんですけど
店主
近くのダンジョンって言ってもなぁ、この街の近くには、属性も出てくる敵もバラバラなダンジョンが4つもあるんだぜ?
???
えぇっ! そんなに……!?
店主
おうよ。それぞれのダンジョンに合った装備でいかねぇと、あっという間に教会送りにされちまわぁ
店主
だが安心しろ! ウチはそれぞれのダンジョンに合わせて最適なアイテムを取り揃えてるからな!
店主
多少値は張るが、どのダンジョンにも対応できる万能装備も取り揃えてるぜ!
店主
もしくは、モンスターの素材を持ってきてくれりゃ、ワシが最適な装備をバシッっと作ってやるよ!
店主
お嬢ちゃんの要望はなんだ? なんでも言ってみな!
???
…………
???
(魔導書の店よね🤔)
???
(ここ、魔導書の店だったはずよね🤔)
???
(どうしてこんな、ゴリゴリの武器屋さんが接客してるの🤔)
魔法使い
あの、私魔法使いで、魔導書を買いに来たんですけど……
店主
おう、良い魔導書を取り揃えてるぜ!
魔法使い
(やっぱり魔導書の店だ😥 どう見ても武器屋の店主なのに😥)
魔法使い
あの、あなたがここの店長なんですか?
店主
あぁ? たりめぇだろべらぼうめ!
魔法使い
(やっぱり店長だった😅 この人が魔導書売ってた😅)
魔法使い
(でも駄目なのよ😣 魔導書の店の店長がべらぼうめとか言っちゃ駄目なのよ😣 べらぼうめって言って良いのは武器屋か鍛冶屋だけなのよ😣)
店主
おいお嬢ちゃん、なにボーッと突っ立ってんだ!
店主
買うのか買わねぇのか早くしてくんな! 日が暮れちまうだろがい!
魔法使い
(急かしてくる😖 すんごい急かしてくる😖 江戸っ子みたい😖)
店主
江戸っ子は気が短ぇんでい!
魔法使い
(江戸っ子だった😖 魔導書売ってるのに江戸っ子だった😖)
ガラガラガラ
妻
アンタ! だからお客さん急かすなって言ってるだろ!
ボカッ!
店主
いてぇ! 何すんだよ母ちゃん!
魔法使い
(奥さん出てきた😓 店の奥から肝っ玉の奥さん出てきた😓)
妻
そうやってお客さんビビらせるからいつまで経っても商売上がったりなんだろ!
店主
うぐ……
妻
ごめんね〜お客さん。ウチの旦那、腕はいいんだけど愛想はからきしだからさ
魔法使い
(信じられないの😣 こんな頑固だけどカカア天下の尻に敷かれた親父が魔導書作れる訳ないの😣)
魔法使い
(作れるのは武器か防具か野菜か建築関係の何かなの😣)
ガラガラガラ
魔法使い
(あ、お客さん来た)
客1
おう親父! 魔導書イカれちまったんで修理してくれや!
魔法使い
(戦士みたいな人きた😓 新米の戦士みたいな人が魔導書の修理頼みに来た😓)
店主
またオメェか! たくっ、ひよっこの癖に何冊オシャカにすりゃ気が済むんだ!
客1
はあ? だったらもっと丈夫な魔導書作れってんだ!
店主
んだとぉ!? 言ってくれるじゃねぇかこのスットコドッコイ!
妻
バカ! お客さんと喧嘩してんじゃないよ!
魔法使い
(駄目なのよ😥 本当に喧嘩しないで欲しいの😥 それは武器屋でする会話なのよ😥)
ガラガラガラ
客2
よう親父! 生きの良い魔導書が入ったんだって?
魔法使い
(女戦士が来た😓 凄い露出の激しい女戦士が来た😓)
店主
お、おう! とびきりの良い奴が入ったぜぇ!
客2
じゃあ一冊くれや! なんゴールドだ?
店主
おう、1000ゴールドだ!
バゴッ!!
店主
いでぇぇぇ!
妻
そりゃ10000ゴールドだろうが! 美人に甘くすんなっつってんだろ!
魔法使い
(だから駄目なのよ😥 女に甘い浮気者が魔導書作っちゃ駄目なのよ😥)
ガラガラガラ
客3
ウゴゴゴゴゴゴ
魔法使い
(脳筋が来た😱 脳筋の言葉通じない奴が来た😱)
魔法使い
(もうあの人に至っては敵なのよ😱 魔導書なんて食べ物としか認識しないのよ😱)
客3
オデ マドウショ カウ
妻
はいはい、アンタのレベルならこっちの魔導書がオススメだよ
客3
ソレ モウゼンブオボエタ ベツノヤツ カウ
妻
あらま! 飲み込み早いねえ!
魔法使い
(全部覚えてる😵 片言の筋肉ダルマの化物 魔法全部覚えてる😵)
魔法使い
(私より才能ある😵 心くじけそう😭)
ガラガラガラ
賢者
大賢者様! どうかお力をお貸し下さい!
魔法使い
(賢者様来た😯 私の憧れの賢者様が大賢者って人を頼って来た😯)
店主
なんでぇ、どうしたんだ一体
魔法使い
(あの人だった😇 賢者様が頼る大賢者様、武器屋みたいな人だった😇 予想ついてたけど😇)
賢者
各ダンジョンで魔物が異常発生しています!
賢者
このままでは街に侵攻してくるかも知れません! あなたの力を貸して下さい!
店主
おいおい、ワシはもう引退したんだ。面倒事は他所に頼みな
賢者
そんな! たとえ引退なされても、貴方の叡智と力は不可欠なのです。ぜひその力を──
店主
……ふん。何言ってんだこのスットコドッコイ
賢者
え……?
店主
そのくらいの事態でワシに頼ってどうすんだ! 見ろ! ここにいる若造たちを!
店主
コイツらはワシ等から見たらまだまだひよっこだが、それでも毎日必死こいて戦って、日々成長してるんだ
店主
どんな英雄だろうと、無限に生きられる訳じゃねぇ。成長して役目を果たした後は、未来の英雄に後を譲り、導いていかなきゃならねぇんだ
店主
お前がやるべきなのは、ワシに頼ることじゃねぇ、先達としてコイツらを導き、信頼することだろうが!
賢者
…………! そうですね……私が間違っていました
賢者
貴方に頼るのではなく、彼らを信じるべきですね……未来のために……
魔法使い
(いい人ー😊 すんごいいい人ー😊)
魔法使い
(理想の英雄ー😊 理想の先人ー😊 賢者様が尊敬するのも分かるー😊)
魔法使い
(でも魔法😞ー 剣とか武術じゃなくて魔法ー😞 ミスマッチがすぎるー😞)
店主
オメェ等、聞いてたろ! さっさとダンジョンに向かって、魔物共をぶちのめしてきな!
客1
よっしゃあ! 腕が鳴るぜ!
客2
アハハ! 容赦しないよ!
客3
テキ ゼンブ クウ!
魔法使い
(やだー😣 この人たちと魔法で戦うのやだー😣 お願いだから前衛にいて欲しいー😣)
賢者
では皆、準備ができてるなら私に着いてきてくれ!
妻
アンタ達、無事に帰ってくるんだよ
魔法使い
あ、私他の店も見たいので後から行きます……
魔法使い
(嘘ついちゃった😣 ホントは他の店全部回ってここが最後なのに😣)
魔法使い
(でもこの人たちとは一緒に戦いたいたくないの😞 もっとちゃんと魔法使いみたいな人と戦いたいの😞)
魔法使い
(どうしよう やっぱり魔物退治に行こうかな)
魔法使い
(でもすぐに向かったら怪しまれそうだし、適当に時間潰してからにしよう)
魔法使い
(そう言えば、魔導書の店主が武器屋みたいなら、武器屋の店主はどんな人なんだろう)
魔法使い
(武器は全然使わないし素通りしてたけど、暇だし行ってみよう)
ガラガラガラ
店主
へいらっしゃい!
魔法使い
こっちもアンタかい
店主
兼業だぜ
魔法使い
兼業かい
終わり