かくれんぼ

薄暗い教室に少女がひとり

少女はまた､絶望を零す

少女＿寧々の手の中の紙に､ 新しい敗者がつづられていた

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かくれんぼ 敗者一覧

·日野森雫

·望月穂波

·暁山瑞希 ·鳳えむ

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寧々は冷たい床にへたり込んだ

ほろりと雫が床に落ちた

寧々の震える声と小さな嗚咽は､ 静かな教室に響いた

誰にともなく呟く寧々の叫びは､

扉の音で遮られた

ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ

教室に入ってきた少女の 無邪気な声に､ 寧々は肩を震わせるだけだった

少女は含みのある笑みを浮かべ､ 寧々に問いかけた

興味がないと言いたげな 少女を無視して寧々はつづける

少女の急な高笑いに 寧々は再び肩を震わせる

少女は笑みを浮かべて 寧々に歩み寄る

目の前にいるのが “鬼”だったと思い出し､ 寧々は少女に問いかける

少女の答えに寧々は声をもらした

“ばっ”という効果音がつきそうな 勢いで少女は両腕を広げた

少女は踵を返して 扉の方へ向かった

ｶﾞﾗｶﾞﾗｯﾊﾞﾀﾝｯ

ｺﾂ､ｺﾂ､ｺﾂ……＿＿

寧々は立ち上がり､ 虚ろな目のまま扉へ向かった

ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ

扉を開け､寧々は叫んだ

“鬼”の少女に向かって

寧々は少女の右手に握ってある 銀色を見つけると､

少女に駆け寄った

そしてそのまま 少女の右腕を掴んだ

突然の行動に､少女は 困惑の色を浮かべる

寧々は少女の右腕を 少しだけ自分に近づけた

少女が握っている銀色が 寧々の首元まで迫る

寧々の鬼気迫る表情に､ 少女はたじろぐ様子を見せた

こんな状況では､寧々の方が “鬼”に見えてしまう

寧々は乱暴に､ それでいて優しく腕を離した

少し考える素振りを見せて､ 少女は人差し指を立てた

少女はにへへ､と笑ってみせる

それに寧々は､更に眉をひそめた

寧々は黙り込んだ

少女は弾んだ笑顔を寧々に見せた

少女の言葉と共に､ 交渉は終了した