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#ファンタジー
橘靖竜
紆余曲折あったものの、ようやく乗れたバス。
雨は相変わらずの酷さではあったが、定刻より少し遅れて発車した。
若い女性
いまだに肩に呼吸をしている女性は、誰にも言うでもなく漏らすと、疲れを放り投げるかのごとく座席に座り込んだ。
発車するギリギリになって駆け込んできた女性だった。
ミホ
リュウセイ
これが慌ただしい都会ならば、文句のひとつも出てくることだろう。
しかしながら、ここは田舎であって、時間もゆっくり流れている。
それに、乗っている乗客も決して多くはない。
だからなのか、誰からも文句は上がらなかった。
誰だって外の大雨で大変なのだ――なんていう、妙な同調感さえリュウセイの中にはあった。
アナウンス
アナウンス
そのようなアナウンスをしなければならない決まりがあるのだろうか。
静かな車内に、フロントガラスに雨が叩きつけられる音がやけに響く。
大きなワイパーがフロントガラスを撫でるものの、すぐに雨が視界を奪っていく。