真剣な眼差しで見つめられ、
何も言えなかった敦は、もじもじと
背中に隠したクッキーをフェージャに手渡した。
中島敦
中島敦
中島敦
敦が次の言葉を言う前にフェージャはクッキーをひとつかじった。
中島敦
そして敦の手を取り、手の甲にキスを落とした。
フョードル・ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキー
眠そうな目をぐっと開けて、フェージャは敦を見上げる。
胸がまた、とくんと鳴った。
フョードル・ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキー
中島敦
フェージャはクッキーをベッドの近くの机に置き、
明日また食べます、と敦の手を引いて
一緒にベッドに寝転がった。
だが、フェージャは電源が切れたみたいに
そのまま眠ってしまった。
中島敦
もじもじと敦はフェージャの額にキスを落とす。
中島敦
そう言った途端、急激に恥ずかしくなって、
フェージャに背を向けて敦も眠りについた。
フョードル・ドストエフスキー