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花は血で咲いた。

6 - 第四話 「一つ、消された火」

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2025年07月27日

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第四話 「一つ、消された火」

雨音が、白い廊下に響いていた。

部下

……首領、まずいです。

宮城

何があった?

部下

青森、やられました。……頭に一発、至近距離から。

部下

“誰にも気づかれずに”、です。

宮城の表情が、珍しく動いた。

宮城

……俺の右腕を、一言も声を上げさせず殺したというのか。

部下

しかも、“指”が切り落とされていました。

部下

残っていたのは一本――“薬指”だけ。

宮城は立ち上がる。

宮城

メッセージだ。“誓い”を裏切った罰……か。

部屋にいた全員の喉が凍りついた。

報告は、すでに東京にも届いていた。

神奈川

……どうやら、誰かが“先に火を点けた”ようです。

東京

違う。これは、“火を消した”んだ。

東京は静かに言った。

東京

青森は、俺の“盾”になれる男だった。

東京

誰かが、俺の盾を先に砕いた。つまり……“俺を撃つ気”だ。

神奈川

敵は……?

東京

わからない。北か、西か、あるいは……全員だ。

彼は拳を握る。

東京

……準備を始めろ。俺たちは“戦場”に立つ。

部下

お前の仕事か?

北海道

違う。

部下

だが、お前の弾痕に似てる。

北海道

似せてるだけだ。

北海道は銃を分解しながら、部下に言った。

北海道

この件で“宮城”が動けば、矢は東京へ向く。

北海道

東京が焦れば、福岡が笑う。

北海道

……だが。

部下

だが?

北海道

“全てを得する都市がない”のが、妙だ。

沈黙の中、彼は一枚の報告書に目を落とす。

北海道

……この暗殺、やったのは“中央にいる都市”だ。

北海道

つまり――

東京か、愛知だ。

静岡が笑っていた。

静岡

見事だったよ、あの演出。

静岡

薬指一本残すとか、センスあるね。

愛知は表情を変えずに言った。

愛知

俺じゃない。

愛知

だが、“誰がやったか分からない暗殺”ほど、利用価値のあるものはない。

静岡

東京、揺れてるね。福岡が煽る準備をしてる。

愛知

その“火種”を誰に向けさせるかが、俺の仕事だ

愛知は一枚の封筒を静かに取り出した。

愛知

これを広島に。

愛知

“戦争を始めさせる”のは、彼が一番似合うからね。

広島

薬指を残すとは……美しいな。

広島

まるで“契りを拒んだ愛人”のようだ。

封筒を受け取った広島は、内容に目を通す。

広島

なるほど。“東京が次に殺すのは福岡”……と、

広島

そう思わせたいわけだ。

部下

どう動きますか?

広島

撒こう。

広島

“誤解”と“情報”は、戦の両輪だ。

舞うように立ち上がった。

広島

東京と福岡の距離を一気に燃やせ。

広島

“裏切ったのはお前だ”――って、囁いてやれ。

報告を受けた福岡は、黙って煙草に火をつけた。

佐賀

青森がやられたそうです。

佐賀

しかも、東京が情報を一番早く掴んだらしい。

福岡

つまり、“先に知ってた”ってことか。

佐賀

もしくは、“先に動いてた”とも。

福岡は煙を吐き出しながら、机に広げた東京との“同盟書”を見つめた。

福岡

……笑えるな。

福岡

この国の“契り”ってやつは、花束みたいに見えて――中身は全部トゲだ。

佐賀が問う。

佐賀

どうします? 戦、始めますか?

福岡

まだ。“向こうが撃った”って確証がない。

彼はゆっくりと言った。

福岡

でも――“撃たせるための策”なら、すでに打ってるぜ。

軽く口角をあげた。

福岡

さぁて、どうなる?

大阪はテレビで報道される「青森暗殺事件」の速報を見ていた。

部下

さすがに今回は静観できませんね。

大阪

いや、もうちょいや。

部下

は?

大阪

全員、我慢しとる。

大阪

“誰が最初に爆発するか”を見とるねん。

大阪は缶コーヒーを置いて立ち上がる。

大阪

でもその瞬間、わいは“真ん中の橋”に座る。

大阪

あっちにも、こっちにも、火を流せる場所に。

部下

両方に火を?

大阪

両方に恩も売る。

一人の暗殺者が、壁に血で描かれた花を見つめていた。

その背中には、都市の紋章がなかった。

一つ、火を消した。

次は――“火種を育てる”。

男はそのまま、消えた。

展開まとめ。

青森(宮城側幹部)が暗殺される:薬指だけが残されるメッセージ性の強い事件 誰が犯人か明言されない:東京・北海道・愛知・広島すべてに疑いがある 東京:青森の死で覚悟を決める、「戦場に立つ」発言 福岡:同盟に疑念、だがまだ「撃たれてない」から保留 愛知・広島:情報操作で東京と福岡を衝突させようとする 大阪:中立を装い、両陣営に火を流す“橋”の立場 宮城:喪失に沈むが、“何か”を始める準備に入る

考察も待ってます。

次回

――けれど、根はもう血を吸っていた。

第五話 「花はまだ咲かない」

花は血で咲いた。

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