花は血で咲いた。

第五話　「花はまだ咲かない」

東京は資料をめくりながら呟いた。

千葉が報告を持ってきた。

東京は静かに目を閉じた。

広島は赤い花びらをちぎりながら言う。

広島は立ち上がる。

静岡が封筒を運びながら言った。

愛知は画面を開き、拡大する。

そこには各都市の動向と発言、情報経路が一つの“線”にまとめられていた。

愛知は笑った。

静岡はくすっと笑った。

福岡は窓の外の夕焼けを見ながら言った。

大阪は静かに資料をめくった。

青森の葬儀が、ひっそりと行われていた。

宮城は静かに立ち尽くしていた。

宮城は黒い封筒を手に取った。

爆発音が夜を裂いた。

一人の男――不明の“第三勢力”によって、

中部のとある小都市の取引現場が壊滅。

「記録されていた犯人像、どこにも“都市の紋章”がない……！」

その報はすぐに全都市へ。

東京はファイルを閉じる。

そして、手に取ったのは“愛知から届いた一枚の地図”。

そこには、都市間の情報伝播ルートと、不審な“沈黙地帯”が赤く囲まれていた。

次回

――咲かぬと決めた者ほど、美しく咲く。

第六話　「咲いてはならぬ花の名を」

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